連載インタビュー 第2回 東京学芸大学附属世田谷中学校

21世紀を豊かに生きることのできる力 個性を伸ばし、創造力豊かな人材を育成

inter-edu's eye

東京学芸大学附属世田谷中学校は、国立大学の附属として文部科学省の研究開発学校の指定を受け先進的な授業を行うなど日本の中学教育の先陣を切ってきた。その核になる教育目標とは何か。特に力を注いでいる点は何か。創立65周年を迎えた同校の教育に迫った。

【第2回】『リーダーを育成する教育に注力』

エデュ:学習面での特色を教えてください。

授業風景

教科学習については、50分×2コマの2時間続きの授業があります。たとえば、理科で実験をする場合、1時間だけだと、実験するだけで終わってしまい、考察したり、理解を深めたりする時間が不足してしまうこともあります。
効果的に学習を進めるため、実験や体育・音楽などの技能教科は2時間連続で授業を行います。授業時間の編成についても学習指導要領で示されている時間より、1年生は英語が、2年生は数学が、3年生は国語がそれぞれ1時間多く設定されています。

また、英語科においては平成15年から3年間、各学年に均等に割り当てられている授業時数を見直し、1学年次に週6時間、2学年次に3時間、3学年次に3時間充てるという授業集中型カリキュラム(6-3-3プロジェクト)を実施しました。その成果を踏まえ、現在では5-4-4方式で1年生から集中して英語を学習していきます。従来の英語学習に加え、スピーチコンテストなども開催しています。

エデュ:教科学習以外での特色はありますか。

菅野校長:総合的な学習の中に「テーマ研究」があります。1年間通して行うのではなく、半期週2コマ(100分)で集中して行います。あらかじめ設定したテーマの中から選択し、学習発表会と展示発表会に向けて調査・研究を進めていきます。

エデュ:行事にも力を注いでいるそうですが、どのような行事がありますか。

授業風景

菅野校長:1年間を通してさまざまな行事がありますが、生徒たちが主体的に取り組む行事は、運動会と芸術発表会です。

5月に行われる運動会では、1年から3年まで縦割りでチームを作り、3年生がリーダーとなって種目や運営、判定方法まで決めます。
10月の芸術発表会は、美術と音楽がありまして、わずか2か月間で両方とも仕上げなければなりません。美術は、1年生がモザイク壁画、2・3年生が教室のガラスを使ってステンドグラスを制作します。音楽は、合唱です。どちらも短い期間の中でそれぞれ役割分担をして創り上げていきます。生徒は意欲を持って取り組むので、当日は大変盛り上がります。

エデュ:行事の中での先生の関わり方はどのような形なのですか。

菅野校長:あくまで生徒たちが主体ですので、先生はサポート役に徹します。芸術発表会も音楽・美術の専門科の先生が概ねの流れを作って、それを受けて担任が生徒の人間関係を見ながらチームを編成していきます。

流れが一通りできれば、担任は相談役ですね。困って相談に来る生徒に親身になってアドバイスします。いかに陰でサポートに徹するかが担任の使命です。

エデュ:行事以外で先生方が注力されていることはありますか。

菅野校長:本校は研究校として日本の中学校の先陣を切れるような研究をしていきたいと考えています。3年後、力がつけられるだけでなく、6年後、10年後を見据えた教育を行っていきたいと考えています。そのためには進学だけでなく、長いタームで考えるようにしています。

また、「リーダーを育てる」ということも大きなテーマです。リーダーを育成するためにどのような教育が効果的なのか、力を注いで研究しています。

⇒第3回『個性を伸ばし、創造力豊かな人材を育成』

東京学芸大学附属世田谷中学校
東京学芸大学附属世田谷中学校
所在地 〒158-0081 東京都世田谷区深沢4-3-1
最寄駅 JR線渋谷駅・恵比寿駅・目黒駅からバス30分
東急大井町線等々力駅からバス10分
東急東横線自由が丘駅からバス10分
TEL 03-5706-3301
URL http://www.u-gakugei.ac.jp/~setachu/
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