問われたのは“発想力”! 御三家・難関中学の入試傾向 2016
inter-edu’s eye
今年受験組のみなさま、お疲れ様でした。本番では、これまでの成果を発揮できたことと思います。お母さまは、どうか結果に関わらず、お子さまの努力を誉めてあげてください。
さて、来年以降の受験を控えるご家庭のみなさまは、もう難関校の入試問題はチェックされましたか?
今年は、2020年の大学入試改革を想定して、傾向も変わってきたようです。従来通り、論理的に考える力や説明する力も問われていますが、教科を横断した問題も目立ってきています。そして、今年のポイントは“発想力”。算数を中心に、覚えた知識を具体的に結びつける力や視点を変える力が求められていました。
4教科、それぞれどのような問題が出題されたか、見ていきましょう。
国語 ~問題を“じっくり”解かせる傾向が~
男女御三家をはじめとして、各学校で今年も理由を記述で説明させる問題が多くありました。慣用句などが表す意味を問う問題も目立っていた印象です。
特に桜陰では、Aを説明したうえで、Bを説明させるというような、ひとつの設問で2つの問いに答えさせる問題も見られました。浦和明の星でも、設問の説明文の空欄に入る言葉を、本文からの抜き出しではなく、本文を踏まえて自分の言葉で書かせる問題がありました。
また、桜陰の漢字の問題では、漢字に直した時に先頭にくる一字を含んだ二字熟語を答えさせるものがあったり、聖光でも、同じ音の清音と濁音が連続する言い回しを答えさせる問題があったりと、発想力を求める問題も見受けられました。
算数 ~気づきさえすれば“瞬殺”の問題も~
開成や麻布、筑駒では、前の問題で解いた答えを使うもの、最初に解いた問題が規則を見つけるヒントになっているものなど、順番通りに問題を解いていけば、答えに辿り着く問題が見られました。
しかし、規則や計算が複雑で、時間を取られてしまうような問題があった一方で、女子学院では、解き方のアイデアさえ思いつけば、簡単な計算ですぐに解ける問題が出題されていました。また、同校の角度を求める問題では、設問で等しいとされる辺の長さが図上では等しく描かれていないなどの見せ方をしており、抽象的な思考力が求められていたものもありました。
武蔵では、ます目に○と×を記入し、点数を求めるというパズル的な問題があったのも、印象的でした。
理科 ~求められる力は知識から“考える力”へ~
天体の問題では、星座早見の問題が目立ちました。特に武蔵は、実際に星座早見を使いながら答える問題となっており、知識と体験を結びつけることが問われる内容でした。
時事問題では、麻布の大陸移動説(100周年)や女子学院の御嶽山の噴火にちなんだ問題などがありました。
また、麻布、桜蔭、女子学院、渋渋では、設問のグラフから読み取ったり、論理的に考えれば、知識がなくても解けたりする問題が出題されていました。中でも、渋渋では、設問の意見に賛成、または反対の立場を選んで、その理由を書かせる問題もありました。
一方、雙葉では地層の問題で、大正関東地震で大きな被害が出た原因についてきく、教科横断型の問題も出題されました。
社会 ~“世の中への関心”がポイントに~
選挙権年齢の引き下げに関連し、選挙や国会の制度、国民主権についての問題が、武蔵、雙葉、駒東などほとんどの学校で目立ちました。世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」に関連した問題も、浦和明の星、渋渋、聖光などに多く見られました。聖光では、ワーキングプア、パワハラ、リストラを答えさせる、世相を反映した問題も出題されました。
また、国語的な力も問われており、筑駒では本文に関連した正しくない文を選ぶ問題や、開成では地名の読み方を問う問題などがありました。一方、麻布では、具体例を挙げて説明させる設問もあり、日ごろからの世の中に対する関心の高さが問われていました。
今年の難関校の入試問題を見ると、問題を多角的に捉える柔軟な視点、そして知識を知識だけで終わらせず、身近なものに関連させて考える力が、問われているといえるでしょう。
覚えた知識は何に活かされるのか、お子さまと話し合ってみてはいかがでしょうか。
エデュママリサーチでは、お子さまの視野を広げ、知識を身の回りのものと関連付けて学ぶ方法を紹介しています。親子で新傾向の受験対策を始めてみましょう。
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