入試直前でもOK!親のサポートで「本番に強い子」に

inter-edu’s eye
大事だと思えば思うほど緊張して失敗してしまうことは、大人にもあります。経験の浅い子どもならなおさらです。緊張が伴う大事な「本番」に最高のパフォーマンスを発揮するにはどうしたらいいのでしょう? 親はどんなサポートをすればいいのでしょう? 今回ご紹介する本にはその秘訣がのっています。読んで、親子で「本番」に強くなってください!

◆親だからこそできる!本番に強い子にする方法

大本番に強い子の育て方

わかっているのにテストで間違える、いつものテストはいいのに模試では点数がとれない…、そんなお子さまは多いものです。そして、“うちの子、本番に弱くて”と悩んでいる親御さんもとても多いと思います。入試が迫っている6年生のお母さまは皆、“本番では緊張しないで実力を発揮してほしい”と祈るような気持ちでしょう。

わが子の「本番力」を高めるために、親にできることはないのでしょうか? あります! しかも誰にでも、すぐにでもできる方法です。まずは、以下を読んでください。

お子さんにいつも一番近い場所にいるお父さんやお母さんは、子どもにとっては、いわば専属のメンタルトレーナー。
だから、お父さんやお母さんが最強のメンタルトレーナーであれば、たとえ「気が弱い子」「怖がりな子」「集中力が足りない子」「なかなかやる気がでない子」でも、「本番に強い子」に生まれ変わることはできるのです。
やり方は決して難しくはありません。そして、時間もかかりません。
たとえば、一ヶ月先に大事な本番があるとしても、今からやれば十分間に合います。

これは、昨年末に発売された『本番に強い子の育て方』という本のまえがきからの抜粋です。著者は、昨年秋、エデュママ「教育最前線に行ってみた」で取材したメンタルトレーニングを行う会社『リコレクト』代表の森川陽太郎さん。

「教育最前線」の記事では、「試験当日の『リラックスして』はNG」「親が目標のハードルをあげすぎてはいけない」といったアドバイスをご紹介しましたが、本書には、よりトータルに、親がメンタルトレーナーとなって子どもの「本番力」を強くする方法が解説されています。

といっても、プロのメンタルトレーナーになる勉強をしてください、というわけではありません。ここにも書いてあるように1ヶ月先の本番にも間に合います。いえ、この本を通読した感想としては、この本を最後まで読んだだけでも、さまざまな“わかった!”が、お母さまの心の中に灯るのではないかと思います。

◆本番に強くなるにはどうするべきかを理解しよう

本書はとてもわかりやすく、読みやすい構成です。たっぷり時間をとれば1日で読み終えることができるでしょう。目次から各章のタイトルを抜き出してみました。これだけでも本番に強くなるにはどうしたらいいかのヒントが見えてくると思います。

第1章 本番で緊張したら、どうすればいい?
 →大丈夫。緊張したままでいてください
第2章 緊張に慣れるには何をすればいい?
 →「緊張していてもできた!」という経験を積みましょう
第3章 どうすれば自信がつきますか?
 →「自分が確実にできること」を確実にクリアしていくことです
第4章 「できることをやる」だけで、なぜ目標が達成できるのですか?
 →「自信」という強力なエンジンを手に入れるからです
第5章 本番に強い子に育てるために、親ができることは何ですか?
 →お子さんにたくさんのOKをあげることです


第1章から第4章までは、緊張や自信のなさを克服して、「本番」で実力を発揮するためのメンタルトレーニングのアドバイスです。著者の森川さんは、ご自身の体験をベースに、心理学を学んで独自の「OKラインメンタルトレーニング」を編み出しました。プロのアスリートや受験生、さらには企業なども取り入れている訓練法として定評があるものです。大きな特徴は、“これができたら自分としてOK”という小さな目標=OKラインを設定し、それを積み重ねていくことで大きな目標に到達しようというものです。

心理学を学んでいない素人でも“そう、そう”とすんなり納得できるのが、このOKライントレーニングの魅力です。お母さま自身、「本番」に弱かったという苦い経験があるならば、この本を読んでいくうちにその原因がわかるでしょう。

◆マイナスの感情を経験すると本番に強くなる

そして最後の第5章。ここに、お子さま専属の最強のメンタルトレーナーとなって受験を成功に導くノウハウが書いてあります。その一部をご紹介しましょう。

過去に“怖い”と思ったことがない子が初めて怖い経験に遭遇したら、どうすればいいかわからなくなって当然ですよね。ですから怖い、苦しいといったマイナスの感情もちゃんと経験をしておくことが必要です。親は、必要以上に子どもからマイナスの感情を味わう機会を奪わないことが大切。かわいそうだからと先回りして、そういった機会を排除してしまうと、後で困るのはお子さまなのです。

そしてぜひ実践してほしいのが、「お父さんやお母さんが、できないことも含めて今の自分を認め、小さな『できた』にOKをあげること」(P182)。お子さまの今あるがままを認め、そのうえで何かが“できた”経験は、どんな小さなことでも言葉にしてほめてあげること。いかがですか? できていますか? 入試直前のお子さまがいらっしゃるなら、今からすぐに実践していただくよいのではないでしょうか。

入試本番だけでなく、受験勉強中にも、学校生活の中にも、お子さまが緊張する機会はたくさんあります。そういうとき、親としてどうしてあげればいいのかがわかっていると、お母さま自身が心配と焦りの堂々巡りから脱出できるでしょう。つまり本書を読むことは、親自身のメンタルトレーニングにもなるわけです。本書を活用して、ぜひ親子で「本番」に強くなってください。GOOD LUCK!

本番に強い子の育て方,森川陽太郎

本番に強い子の育て方
森川陽太郎著、ディスカヴァー・トゥエンティワン刊、1400円+税
本書は、人気メンタルトレーナー森川陽太郎さんによる、本番でわが子が自信をもって力を発揮できるようになる方法を教える本です。学校行事やスポーツの試合、そして受験……。子どもたちは小さな頃からさまざまな「本番」を経験します。ところが、「本番」になると本来の力が発揮できない、「本番」が近づくと気持ちが不安定になる、「本番」が怖くて逃げてしまう、「本番」に集中できない、「本番」までモチベーションが維持できないなど、「本番に弱い子」はたくさんいます。勉強でもスポーツでも、「普段どおりの力を出せばうまくいくはずなのに、なぜできないの?」と、もどかしい思いを抱えている親御さんも多いことでしょう。
でもそんなときに、「落ち着いて!」「平常心で!」と励ましたり、「大丈夫、全然緊張していないよ」などと暗示をかけようとするのは逆効果です。著者の森川さんは、トップアスリートやプロスポーツチーム、ビジネスマンから子どもまでを対象に、「本番で実力を発揮できるメンタル」をつくるサポートを行っています。森川さんが提唱しているのは「OKライン」。OKラインとは、「ここまでできたらOK」と自分にOKをあげられる基準のことです。大事なのは、「緊張している」「焦っている」「恥ずかしい」といった自分の感情にフタをしないで、それらの感情と向き合いながら、「あわてたけど、できた」「焦ったけど、できた」という体験を積み重ねること。
本書では、スポーツや受験、登校拒否など、森川さんが指導しているお子さんたちの数多くの事例を紹介しながら、お子さんが自分の感情と向き合い、緊張と上手に付き合いながら、自信をもって本番にのぞみ目標を達成するにはどうすればいいか、お父さんお母さんにできることを具体的に紹介していきます。…購入はこちらから

森川陽太郎

著者の森川陽太郎(もりかわ ようたろう)さん
OKラインメンタルトレーナー。1981年東京生まれ。サッカー選手としてスペインやイタリアでプレーし、26歳で引退。その後、心理学やメンタルトレーニングを学び、株式会社リコレクト設立。「OKラインメンタルトレーニング」という独自のトレーニング方法で、トップアスリート(横峯さくら選手など多数)や子ども、企業向けに「結果を出す」ためのメンタルサポートサービスを展開。「OKライン」はテレビ番組や各種メディアで数多く取り上げられ、また墨田区私立幼稚園連合会や、様々なスポーツチームの保護者に向けた講演も行っている。子どもに対してのトレーニングでも受験、スポーツ、コミュニケーションなど様々な分野での実績多数。著書『絶対的な自信をつくる方法』(ダイヤモンド社)、『ネガティブシンキングだからうまくいく35の法則』(かんき出版)など。
公式ウェブサイトはこちら:株式会社リコレクト


中学受験・子育てをよりわかりやすくサポート!エデュナビはリニューアルいたしました!

エデュナビから皆さまへ

いつもエデュナビをご覧いただきありがとうございます。
この度「エデュナビ」は、リニューアルいたしました。

URLが変更になっているので、ブックマークやお気に入りの変更をお願いいたします。
これからも、皆さまの受験や子育てをサポートできるよう、コンテンツの充実とサービスの向上に努めてまいります。

エデュママブック これまでの記事