第7回 成績がふるわないから受験をやめる…。それでいいの?

子どもの能力を引き出す、やる気にさせる上手なほめ方・叱り方

第7回 やる気を引き出す「子どものほめ方・叱り方」(2013年5月17日)

悩むお母さん

4年生から塾に通い始め、最初は成績もまあまあだったけど、5年、6年と高学年になるにつれてだんだん成績が落ちてきて、受験をやめさせようかと悩むお母さんも少なくないと思います。私のまわりでも「うちの子はやる気がないから中学受験は無理。高校受験にするわ」と、6年になって受験をやめた人もいます。

というのも、塾の通い始めは「塾の勉強って楽しい」と思う子も多いのですが、5年の秋くらいからは勉強が一気に難しくなり、楽しいだけではやっていけなくなるのです。この時期からは、本人が勉強しない限り成績が下がるのは当たり前。本人がやる気になってモチベーションを上げることが必須条件になります。

ただ、やる気のない我が子を見て中学受験をやめようと決断するのは、どうでしょう。4年、5年と2年も塾に通ったのに、成績が下がったまま途中リタイアすることは、子どもにどんな影響を与えるでしょうか? 中学受験をやめれば高校受験があります。そのときに、また同じようにならないとも限りません。

中学受験はゴールではありません。結果的に中学受験はやめるとしても、下がった成績をもう一度頑張らせて引き上げ、子どもにやればできることを体験させておいたほうがいいと思います。子どものやる気を引き出すには、良い点を取らせること。といっても90点や100点を求めるのではなく、前より良い点であればいいのです。そのために親が協力してあげるといいと思います。

1教科に絞って徹底的に勉強させれば、成績は上がります。「やればできるのに、もったいないな~」などと、子供の意欲をくすぐる言葉掛けが効果的です。子どもも、「お母さんの言うことを聞いたら成績が上がった!」と思えたらモチベーションが上がり、もしかしたら俄然やる気にやるかも。そうすれば、たとえ結果的に中学受験を断念しても高校受験につながります。

勉強でつまずいて嫌になっている様子であれば、「塾やめる?」と聞いてみてください。中学受験に向いている子は決して「やめる」とは言いません。これは合格した親のほとんどが経験していることです。そして「やめる」と言った子も、決して勉強する能力がないのではなく、まだ早いというだけです。絶対に責めないであげてください。

<<プロフィール>>高木 潤子(たかぎ じゅんこ)
若いころから週刊誌・女性誌で、子育て・インテリア・料理など幅広い分野の記事を取材執筆。仕事量を減らして二児を育て、インターエデュはお受験ママとして活用。現在も取材・編集・執筆と幅広く活躍中。

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