第12回 子どもは、過酷な受験生活にも順応する能力を持っている

子どもの能力を引き出す、やる気にさせる上手なほめ方・叱り方

第12回 やる気を引き出す「子どものほめ方・叱り方」(2013年6月21日)

勉強する子ども

親として中学受験を振り返ってみて、わが子はよくまあ、あんな過酷な生活を耐え抜いたものだと思います。私自身は公立出身で小学生の時は遊んでばかりいましたから、子どもの中学受験を体験しながらその厳しさを知りました。

それにつけても感心するのは、子どもって順応能力がとても高いということ。わが子だけを見てのことではありません。塾で一緒になった子どもたちそれぞれが、過酷な中学受験にちゃんと対応していました。立派なものです。

週3日の塾通いで、6年生ともなればテストや特訓で休日もなし。夏休みも冬休みも講習に追われます。塾では宿題もたっぷり出ますから、遊びたい盛りの子がそれを我慢して勉強するのです。勉強嫌いではとても耐えられないスケジュールです。それでもなお、その生活の中に子どもたちは友だちとの交流など、さまざまな楽しみを見い出しています。

そして、そんな過酷な生活も過ぎてしまえば、「あー、あの時はがんばったなー」くらいのもののようで、とてもあっけらかんとしています。中学に入ってからはもう受験を気にすることなく気の合う友達と部活に励み、質の高い教育を受け、中学受験をやってよかったと言っています。第一希望の学校ではなかったけれど、入ってみれば同じような境遇の子がたくさんいて、深い絆を築くことができたようです。

多くの小学生が中学受験を希望する時代です。友達が受験するという話を聞いて、つられてなんとなくそう思う子もいれば、大人並みに情報収集して受験を決める子もいます。子どもが受験したいと言ってきたとき、それを受け入れる余裕があるならば、ひとつのチャレンジとしてその希望を叶えてあげてはいかがでしょう?

たとえ、ご自身が中学受験を経験したというお母さんでも、今の中学受験が昔とは全く違う厳しさであることは了解済みのはず。この過酷さの中、親子が対立していては百害あって一利なし。親子で同じ目標に向かって厳しい毎日を送っているのだと考えれば、子どもへの接し方、つまりはほめ方も叱り方も、自ずと適切なものになってくるような気がします。

<<プロフィール>>高木 潤子(たかぎ じゅんこ)
若いころから週刊誌・女性誌で、子育て・インテリア・料理など幅広い分野の記事を取材執筆。仕事量を減らして二児を育て、インターエデュはお受験ママとして活用。現在も取材・編集・執筆と幅広く活躍中。

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