中学受験でも役立つ知的好奇心の育て方

2016年4月13日発行のバックナンバーです。

エリート育成「中学受験」サポートメール 2016/4/13号
中学受験でも役立つ知的好奇心の育て方
監修:西村則康(プロ家庭教師) by inter-edu.com

【今週の必修語】完全無欠(かんぜんむけつ)

「4月からスタートした『とと姉ちゃん』、おもしろいよね!」
「主演の高畑充希さんはかわいい上に演技も歌もうまくて、完全無欠だなぁ」

完全無欠とは、まったく欠点や不足がないようす。完ぺきなさま。

4月4日より放送がスタートした朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』。 高畑充希さんが演じるのは、静岡県・遠州に生まれ、亡き父に代わって母と妹たちを守る「とと(父親)」の役割を果たし『とと姉ちゃん』と呼ばれて育ったヒロイン・小橋常子。

激動の昭和時代をたくましく生き抜いてゆく三姉妹の物語と、彼女らが東京で女性のための雑誌を作る出版社を立ちあげ、天才編集者・花山伊佐次と出会い、雑誌『あなたの暮し』を刊行し一世を風靡する挑戦のストーリーを描きます。

主題歌を宇多田ヒカルさんが担当していることでも話題の本作。
まだはじまったばかりですから、ぜひご覧になってはいかがでしょうか。

メルマガ特集

幼児期から小学3年生までの生活体験は、子どものその後、つまり高学年、中学、高校と着実に力を伸ばしていけるかどうかに大きく関わっています。ここでいう“力”は、学力だけではありません。
一生を通して大切な共感力や観察力、また、新たな知識を身につけたときの快感や、「なぜ」と疑問を持てるようになることなども“力”にあたります。

これらの力の土台を作る上で何より大切なのが、『身体感覚』と『生活知識』です。そして、この2つを育んでいくには、お子さまの好奇心が必要不可欠になります。
子どもは日々、さまざまなことに興味を抱きますから、親御さんにはお子さまの興味や好奇心の芽を見逃がさずに育て、広げていってあげてほしいのです。

会話をしているときや、お手伝いをしてもらっているとき、一緒に買い物に行ったとき。家族で自然と触れ合える場所や動物園、水族館に行ったとき。
さまざまな場面で、お子さまの好奇心を育てる言葉をかけてあげてください。

「あれ何かしら?」「なぜなんだろうね?」「どうしてそうなるのかな?」「へ~、そんなことってあるんだ!」「不思議ね!」と一緒に驚いたり、不思議がったりしてください。それが、子どもの頭の中に“?”や“!”マークが浮かぶ声かけです。
わからない言葉や詳しく知りたい出来事があれば、ときには一緒に調べてみましょう。

興味のあることを体験させてあげられれば、お子さまの好奇心はさらに膨らみます。たとえば、お子さまが魚に興味を示していたら、一緒に図鑑を見て、「あの魚、きれいだね」「この魚はこんなことができるんだね」と一緒に楽しみます。

そして、「どうせなら、本物の魚を見に行こう!」と水族館に誘いましょう。そこで、親御さんは子ども以上に驚き、楽しむ姿を見せてください。
親御さんが感情を動かすことで、子どもは伸びていきます。

親御さんが興味のないものや苦手なものにお子さまが興味を示すこともあるかと思います。そのときは、そんな親御さんの気持ちがお子さまに伝わらないように注意をお願いします。
虫が苦手なお母さまは、お子さまが虫に興味を持った場合は、『虫担当はお父さん』でかまいません。
親御さんのどちらかが、お子さまと一緒に楽しむことが大切です。

このような家庭環境で育った子どもは、自然と知的好奇心が育まれます。いろんなことに興味を持つことができると、『身体感覚』や『生活知識』も身についていき、中学入試でうまくいくことが多いです。
もちろん、小学校高学年になったからもう遅い、というわけではありません。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)

学年別・今週のスポットアドバイス

【1~3年生】勉強場所はリビングが効果的

小学校低学年のころは、リビングで勉強することをおすすめします。自室で勉強する子とリビングで勉強する子では、リビングで勉強する子の方が、成績が伸びやすいのです。

「リビングだと生活音がするから、勉強に集中できないのでは?」と思われるかもしれませんが、実は、この生活音が記憶にいい効果を与えます。
「この漢字を練習していたとき、お母さんがカレーを作っていたな」と思い出すことで、覚えやすくなるのです。

お母さまは、ダイニングで勉強するお子さまを励まし、褒めてあげてください。お母さまの言葉が、お子さまの学習意欲につながります。

お子さまが勉強しているかどうかを見張るような気持ちではなく、褒めるチャンスを見つける気持ちで見守ってあげてください。

【4年生】受験勉強の大変さを理解する

お子さまの1週間の学習総量を把握しましょう。まず、授業のたびに塾で出された宿題をメモに書き出すようにお子さまを促します。お母さまは、そのメモを受け取って、「この宿題は、いつやれば大丈夫かな?」と声かけをして、お子さまと一緒に宿題をやるタイミングとペースを決めていきます。

これを1週間続ければ、1週間でやるべき学習総量が見えてきます。
4年生とはいえ、塾から求められる勉強量はかなり多いものです。

1週間の学習総量を見て、おそらくお母さまも、ずいぶんたくさんの勉強をしているのだなぁと思われるでしょう。親御さんが受験勉強の大変さを理解していることは、とても大切なことです。

【5年生】5年生になってから成績が伸び悩み…対策は?

「4年生までは成績がよかったのに、5年生になったら下がってしまった」と、悩んでいる方はいらっしゃいますか?この場合、勉強しているときのやり方に着目してみましょう。
『繰り返して覚える』『解き方を覚える』など、ひたすら覚えることに終始しているようだったら、要注意です。

5年生になると学習の質も量もグッとあがるため、4年生までは何から何まで『覚える』ことで成績が維持できても、5年生になると全部を『覚える』ことができなくなるのです。

5年生で成績をあげるために必要なのは、「なぜ、そうなるんだろう?」と原因を探る気持ちや、結果からその先を予測しようする学習意欲、努力してわかったときに「なるほど」と思う納得感や達成感です。

4年生のときと比べて成績が下がっている場合は、こういった気持ちや意欲を大切にした勉強に切り替えるように導いてあげてください。

【6年生】信頼できる第三者が必要か検討をする時期

現段階では志望校と偏差値が大きくかけ離れているけれど、どうしても志望校は変えたくないという場合は、そろそろ家庭教師や個別指導などを検討する時期です。

春の公開模試の結果は志望校の偏差値と10ポイントもかけ離れていたけれど、見事合格したというお子さまを、私は実際に何人も見ています。

とはいっても、偏差値を大幅にあげる場合には、勉強の量と質を効率的に見直す必要があります。
そのためには、親子ともども万全を期すのはもちろんですが、信頼できる第三者の力も必要かもしれません。

受験間際に依頼すると間に合わない可能性もあるので、いま、そんな心づもりをお願いします。

【6年生難関】1学期の目標は志望校別日曜特訓への参加

志望校別日曜特訓への参加資格を調べておきましょう。そして、志望校別日曜特訓への参加資格を得ることを、現段階の目標にしておくとよいと思います。難関といわれる学校は、問題傾向がはっきりしています。

ですから、問題傾向を意識してカリキュラムが組まれている志望校別特訓に参加することが、合格するために重要なのです。志望校別日曜特訓への参加資格を得ることは、1学期の学習における1番の目標ともいえます。

参加資格がどのテストによって判定されるのか、お母さまはいまのうちから調査をしておいてください。そしてそのテストで失敗しないように、学習計画を立てておきましょう。

これで成功! 先輩ママの声かけ実例

次男は歴史が大の苦手でした。テキストをいくら読んでも、人の名前も歴史の流れもまったく覚えられないようで、テストの結果も散々。 そこで、「大好きな漫画なら、少しは覚えられるかも」と思い、日本の歴史を題材にした漫画を買って、「歴史の点数がひどいんだから、これを読みなさい」と言って渡しました。 しかし、すでに歴史に対して苦手意識があるのか、なかなか読もうとしません。

どうしたものかと悩んでいたある日、次男のために買った歴史漫画を読んだ長男が、「これ面白いね! まだ読んでないの?」と、何気なく次男に話しかけたのです。 この長男の一言で興味をそそられた次男は、漫画を読み始め、なんと一気に全巻読破!何度も読み込んで、長男と「あそこの時代がおもしろいよね」「どの武将が好き?」といった話で盛り上がるようになったのです。 成績もぐんぐん伸びていき、6年生の終わり頃には「歴史ならどんな問題が出ても確実に点数がとれる!」と、自信が持てるほどになりました。

無事に第一志望の中高一貫校に受かった次男は、今年の春、第一志望の大学に進学。中学受験で歴史を好きになり、中高生のときに歴史小説を読むなどしてさらに知識を深めていたため、大学受験でも日本史が安定した得点源になったといいます。「あの時の長男の一言がなかったら、今頃次男はどうなっていたんだろう」と思うと、長男には感謝してもしきれません。

子どもに何かをやってほしいときは、「やりなさい」と強制するよりも、「面白いよ!」「これをやると、こんないいことがあるよ!」と言った具合に楽しげに勧めた方が、子どもの心を動かせるのだと思います。

中学受験のときは余裕がなくなり、子どもに対してきつい言い方をしてしまうことも多々あるかと思いますが、子どもに言葉をかける前に「この言い方でいいかな?」と、一度立ち止まって考えてみるといいのではないでしょうか。


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