必見!中学入試の漢字対策

2016年4月27日発行のバックナンバーです。

エリート育成「中学受験」サポートメール
2016/4/27号
必見!中学入試の漢字対策
監修:西村則康(プロ家庭教師)
by inter-edu.com

【今週の必修語】一世一代(いっせいいちだい)

「健二郎くん、運動会のリレーでアンカーを任されたんだって? さすがだね!」 「一世一代の大仕事、というのはさすがにおおげさかもしれないけれど、精一杯頑張るよ!」

一世一代とは、「一世一度」からできた言葉で、一生に二度とない重要なこと。また、能・歌舞伎の役者が引退するとき、最後に得意な芸を演じることをいいます。

「運動会の開催時期は?」と聞かれれば、「秋」と答える親御さんが多いと思います。しかし、最近では、運動会は秋ではなく春に行う小中学校が増えているようです。

春開催が増えた理由のひとつは、秋には文化祭や合唱コンクールなど学校行事が多いため。また、9月の厳しい残暑の中で運動会の練習することで、熱中症になってしまうのを防ぐのも目的です。

とはいっても、5月は1年の中で最も紫外線が強いといわれています。春に運動会が行われる学校に通っている場合、運動会の練習をしているこの時期は、いつも以上にお子さまの体調を気遣ってあげてください。

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中学入試において、ほぼ必ず出題される漢字の書き取り問題。1点刻みで合否を争う入試本番のために、こつこつ勉強しておきたいですよね。

お子さまの漢字学習のやり方が正しいかどうかを判断するには、塾のテストをチェックしましょう。塾のテストでは、毎回漢字の読みや書き取りが10問くらい出題されます。10問中8問以上できていれば、問題はありません。

しかし、いつも3問以上間違っている場合は、漢字の学習方法をご家庭で見直す必要があります。

解答欄が白紙の場合は基礎的な力が足りないと考えられますが、つくりだけはあっているような場合は、漢字が持つ意味を考えずに学習している可能性が高いです。
塾に限らず、学校でも「10回繰り返し書く」といった類の宿題が出されることが多いと思いますが、何も考えずにただ書いていても力はつきません。

漢字辞典で引いて『どんなときに使う漢字か?』『類語や反対語は何か?』を調べたり、短文を作ってみたりするなど、深い学習を行えるよう、導いてあげてください。

漢字学習において何より大切なのは、きちんと意味を捉えることです。入試の漢字問題は、読解問題の長文の中に組み込まれて出題されることが多いです。
文章の中の言葉に傍線が引かれていて、それがカタカナで書かれており、設問でその部分の言葉を漢字で書くように指示されます。

たとえば、「『この計画にはセイサンがある』と言って、岩田くんはにやりと笑った」といった具合です。この例からもわかるように、漢字問題は文章を読み、その文脈からどういう漢字を書くべきか判断する必要があります。

「セイサン」の漢字を問われたとき、「精算」「清算」「成算」と3種類の「セイサン」を書くことができても、それぞれの意味が捉えられていないと正解は出せないのです。

また、へんとつくりのそれぞれの意味を知っていると、よりスムーズに漢字が身につきます。たとえば、「さんずい」は、形が水の流れを象徴しており、水に関する地形や水の性質、動態に関する漢字に用いられます。

「ごんべん」は、言語や言語を使った活動に関することを表します。「かいへん」は、古くは貝が財貨に用いられたことから、お金に関する漢字が集まっています。

こういったことをなんとなくでも知っていれば、「直子さんは日用品をコウニュウした」という問題が出た際、コウニュウの“コウ”が「溝」か「講」か「購」かを迷うことはなくなります。

ほかにも、読解問題の長文で知らない言葉が出てきたときに、意味の類推が可能になるので、非常に役立ちます。(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)

学年別・今週のスポットアドバイス

【1~3年生】お手伝いで学習理解を深める

小学校3年生までにできるだけ、お手伝いで生活知識を増やしましょう。親御さんは一緒にお料理をする、一緒に買い物に行く、休日に遠出して自然と触れ合うなど、たくさんの生活体験をお子さまにプレゼントしてあげてください。

この時期の生活体験は、中学受験だけでなく、大人になるまでの勉強の伸びに大きく関わります。買ってきたいちごを、家族4人で平等になるように分ける。

味が薄いみそ汁をちょうどいい味にするために、味噌を溶かす。

それぞれ、算数のわり算や理科の濃度を学習する際に、非常に役立ちます。学習理解は、過去の体験とつながることで、ぐっと深くなるからです。

【4年生】博物館や植物園へ行ったときのポイント

もうすぐゴールデンウィークですね。ぜひ、親子で博物館や植物園へ出かけてください。実際に見たものや触ったものへの理解は、納得感もあり、すんなりと進みます。

こういった経験が、社会や理科の学習をするときに、さまざまな単元の理解を助けてくれるのです。

博物館や植物館を訪れた際、親御さんに心がけていただきたいことが2つあります。1つは、親御さん自身が楽しんでいるようすをお子さまに見せること。もう1つは、展示物の横に掲示してある説明書きを、一緒に読むようにすることです。

見たものと読んだ文章がつながって初めて、理解が深まります。展示物を見るだけでなく、説明書きを一緒に読んで、知的好奇心を高めてくださいね。

【5年生】分数計算の特訓をしよう

4年生の後半から、算数で分数の計算を学習していると思います。今の時期に、分数計算をたくさん行っておいてください。

分数の計算では、異分母分数のたし算ひき算、分数のかけ算わり算のやり方が、頭の中でごちゃごちゃになってしまう子が多いです。たとえば、5/6×2/3の計算をするとき、分母を18に揃えてからかけ算してしまう、といった具合です。

とはいっても、あまり深刻に心配する必要はありません。分数の計算練習を意識的に多く行うことで、頭の中で自然に整理されていきます。

5年生の後半になると、問題の中で割り切れない数字が出てくることが多くなり、分数を使って考える機会が増えます。今の練習が、そのときに役立ちますよ。

【6年生】GWは苦手単元の克服に力を入れて

ゴールデンウィークは、苦手単元の克服を行う最後のチャンスです。「苦手単元は夏休みに補えばいい」と思っている方もいるかもしれませんが、夏休みはお盆の時期にすら講習があるほど、タイトなスケジュールです。

毎日塾の宿題に追われて、自身の弱点対策をする余裕はほとんどなくなってしまいます。弱点対策をできる最後の大きなチャンスが、このゴールデンウィークなのです。

ゴールデンウィークには入試問題に近い難問を解く特別講座を行う塾もありますが、そのような講座を受けるべきか、弱点克服のための勉強を自宅でしっかり行うべきかよく考え、親御さんが判断をしてあげてください。

連休中にすべての弱点対策を完了させるには、時間が足りないと予想される場合は、優先順位を考えてあげてください。多くを雑にやるよりも、少量でも確実に学習する方が得点アップに結びつきやすいのです。

【6年生難関】難関校の算数は試行錯誤する必要がある

難関校の算数の問題に触れておくことをおすすめします。6年1学期の算数の授業は、各塾の上位クラスでも、解法の確認と定着が中心になっています。解き方や知識をインプットするための学習です。

ところが、難関校の算数で要求されるのは、アウトプットの力です。試行錯誤をしながら、解けそうな方法を自分で見つけていく問題がほとんどです。このような問題を解くには、数多くの解法をインプットさせておく必要がありますが、それだけではなかなか解けません。

図を書いたり、数字を並べたりしながら、解法の糸口を見つける必要があります。今のうちに、一筋縄ではいかない難関校の過去問に、少しずつ触れてみてください。

これで成功! 先輩ママの声かけ実例

テレビや漫画が大好きな息子。とにかくダラダラと、ず~っと見ているんです。

低学年のうちは我慢していましたが、5年生になっても態度が変わらないのを見て、さすがにイラッ!「いつまでテレビを見てるの? 塾の宿題は終わったの?」と、感情的に怒鳴りつけてしまいました。

すると、息子は「今、やろうと思ってたのに!」と反発。「じゃあ、言われる前にやりなさいよ!」と、私も大人げなく応酬してしまいました。

でもその後、自分も子どもの頃、同じような会話を母としたことを思い出して反省。自分ではやらなきゃいけないとわかっているし、漫画がひと区切りついたら宿題をやろうと思っていたとき、母から「勉強しなさい!」と言われて、すごく嫌だったという気持ちが蘇ったのです。

後日、また同じような場面に出くわしたとき、私は息子の横から漫画を覗き込んで、「あら、おもしろそうね、その漫画。ママにも読ませてよ」と、頼んでみました。すると息子はちょっとうれしそうに「これ、一回読んだからいいよ」と、漫画を渡してくれました。

「じゃあ、ママは30分漫画を読むから、その間にあなたは宿題をやってよ」と提案したところ、「えー、しょうがないなぁ、30分だけだよ」と、またまた素直に宿題にとりかかりました。

それをきっかけに、息子は自分がおもしろいと思った漫画を私にも見せてくれるようになり、私が漫画を読むときは息子が勉強するという、親子の習慣がつきました。

そのうち「これは30分じゃ読めないから、1時間読ませてよ」と、ちゃっかり息子の勉強時間を延長させることにも成功。そうすることで自然に勉強する癖がついたのか、最近では言われなくても勉強するようになりました。(しょうくんママ)


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