合格するお子さまのタイプとは?

2016年6月22日発行のバックナンバーです。

エリート育成「中学受験」サポートメール 2016/6/22号
合格するお子さまのタイプとは?
監修:西村則康(プロ家庭教師)
by inter-edu.com

【今週の必修語】一目瞭然(いちもくりょうぜん)

「男子バレーボールの人気が復活したね」
「満員の会場を見れば、一目瞭然だよ」

一目瞭然とは、ちょっと見ただけで、すべてがはっきりわかるようす。『瞭然』は、はっきりとして、明らかなようすを意味します。

全日本男子バレーボールが世界最終予選兼アジア予選に挑み、2勝5敗でリオ五輪出場を逃しました。長らく目立たなかった男子バレーボールですが、今大会の予選の前売り券は女子バレーボールより早くに完売しました。

人気再燃のきっかけは、世界の強豪国が集まった昨年のワールドカップで、全日本の若手選手たちが躍動したこと。特に人気をけん引しているのが、ジャンプ力が持ち味の若きエース・石川祐希選手と、強力なジャンプサーブで存在感を発揮する柳田将洋選手です。

リオ五輪への出場は叶いませんでしたが、4年後でも石川選手は24歳、柳田選手は27歳の若さです。2020年東京五輪での活躍を期待して、応援していきたいですね。

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長年中学受験を目指すお子さまの家庭教師をしている経験から、合格するお子さまにはある共通点があると感じます。その共通点とは、『成功の予感を持っていること』です。

「もうちょっと頑張れば、こんないいことが起きそう」というのが、成功の予感です。

成功の予感に導かれて努力した結果、何らかの成果を味わうことが成功体験で、これが自信につながっていきます。成功体験を積み重ね、「僕なら・私ならできるはず!」といったように自分を信じられる自己肯定感が高い子どもは、合格する可能性が高いです。

自己肯定感の高い子どもを育むために親御さんにやっていただきたいことは、目標に到達するための登りやすい低い階段を何段も作ってあげることです。

大人も子どもも、目標があまりにも遠く、長い苦難を予感させるものだったりすると、なかなかやる気が起きません。しかし、「ちょっと頑張れば何とかなりそう」と思うことに対しては、すぐに努力を開始することができます。

「3か月で6kg痩せる」だと「無理だ」と感じますが、「2週間で1kg痩せる」なら、頑張れる気がしてきませんか?努力を始められれば、「今よりもうちょっと多く頑張れそう」と感じることもできます。

以下のような会話で、お子さまを導いてあげてください。

「テストで正答率50%以上の問題が全部正解できたら、どうなりそう?」
「志望校の偏差値に届きそう」
「どうすれば、そうできると思う?」
「テストの前に、授業中に△をつけた問題を解きなおそうかな」
「そうしたら、偏差値が10くらいあがりそうね! あなたなら頑張り屋さんだから、できそうね」

「偏差値をあと10あげなさい」「もう1つ上のクラスに上がれるように頑張りなさい」といった言い方だと、子どもは途方もない努力を要求されているように感じ、努力するはじめの一歩を踏み出すことができません。

説教口調で言うのではなく、子どもと会話を交わしながら、子ども自身ができることを見つけられるようにしてあげてください。また、実行できたら起こりうるうれしいことも想像させてあげましょう。

こうやって一歩一歩階段を上っていくことが、子ども自身のやる気や達成感を刺激し、家族全員の喜びになります。こうした経験や家族の一体感が、子どもの将来を力強く励まし続けてくれるのです。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)

学年別・今週のスポットアドバイス

【1~3年生】『図鑑』を使って好奇心を育てる

ご家庭に『図鑑』は置いてありますか?図鑑は、お子さまの興味や好奇心の芽を見逃がさずに育て、広げていくためのマストアイテムです。

疑問に思ったことや不思議に思ったことを自ら図鑑で調べれば、その答えを知ったときの感動がより多くの『なぜ?』を生み出し、お子さまの好奇心はどんどん膨らんでいきます。

いまはインターネットで調べるという手段もありますが、やはり手でページをめくって読むことも大切です。小学校低学年用と高学年用の図鑑がありますから、年齢にあわせたものを選んであげてください。

【4年生】宿題の前にテキストとノートをチェック

社会と理科は宿題を解く前に、テキストをていねいに読み、ノートを見返す習慣をつけましょう。

「○ページから○ページまでの問題をやってきなさい」といった類の宿題をただやっているだけでは、成績は上がりません。宿題の前に、テキストの説明部分を読み直したり、授業のノートを見返すようにしましょう。

その後、重要言語・重要事項を覚える努力をすることが大切なのです。

このような段階を踏むことで、お子さまは自分が何を覚えていて、何を覚えていないのかを自覚することができます。

【5年生】同音異義語・同訓異義語は入試に頻出!

漢字問題として入試に頻出する『同音異義語・同訓異義語』。この単元は、ほとんどの塾で学習が1・2週間で終わってしまいますが、覚えるべき言葉の数がものすごく多いです。

漢字も意味も覚えなくてはなりませんから、とても授業だけでは覚えきれません。カリキュラムに入る前から、そして終わった後も、よく勉強してください。

お母さまに学習を手伝う余裕があれば、言葉を使った短文作りをサポートしてあげてください。

たとえば『同音異義語、同訓異義語』の中で特によく出題される「はかる」(図る、計る、測る、量る)の場合、「事件の解決を図る」「50m走のタイムを計る」「気温を測る」「分量を量る」といった具合です。

書かせるのではなく口で言ってみるといったラフな感じでかまいませんから、ぜひ行ってみてください。

【6年生】信頼できる第3者が必要か見極める時期

あと1か月で、受験生の天王山と言われる夏休みがやってきます。今の時期は、家庭教師や個別指導など、信頼できる第三者が必要かどうか、見極める時期です。

9月~11月ごろに家庭教師の依頼の電話をしても、もう実力のある先生は忙しくてお願いできないことが多いので、今が依頼するかどうか決断するタイミングなのです。

お子さまが一生懸命に頑張っているのに成績があがらないのは、勉強のやり方がよくないからかもしれません。志望校の偏差値とだいぶ離れている場合は、やり方を変えることで目標に到達できるかどうかを判断する必要があります。

このような専門家の視点が必要な場合は、検討をおすすめします。悩みをそのままにして夏休みに突入するのではなく、塾の先生などに相談するなど、今のうちに対策を講じておきましょう。

【6年生難関】あたふた学習になっていないかチェック

お子さまは、問題文をしっかり最後まで読んでいますか?最難関校を目指しているお子さまでも、最後にある『ただし』以降の文章を読んでいなかったり、ときには最初の一行を読んでいなかったりします。

このようなミスが多い場合、普段の学習が気持ちに余裕がないあたふたした学習になっていないか、チェックをお願いします。

早く解くことは必ずしもいいこととは限りません。早く解こうとして生まれる焦りが、簡単な計算を間違えたり、大切な条件を見落とすミスにつながるからです。

隅から隅まで問題文を読んでから考え始める習慣をつけ、全ての問題を解くことよりもひとつひとつの問題をきちんと解いていくのが大事なのだと、お子さまを導いてあげてください。

これで成功! 先輩ママの声かけ実例

塾のテストを受けるとき、教科と教科の間に10~20分くらいの休憩があるのをご存じですか?

トイレに行ったり、試験官が問題用紙や解答用紙を配る時間だと深く考えていませんでしたが、うちの息子の場合、この休憩時間の過ごし方が成績を左右していました。

それが明らかになったきっかけは、6年生の時の塾長との面談で、「○○くんはテストの休憩時間に仲のいいお友だちとおしゃべりをしているんです。何度か軽く注意したのですが、直りません。もう6年生ですから、受験本番のことも考えて、休憩時間は静かに過ごすように親御さんからも言っていただけませんか?」と、注意をされたことでした。

自宅で息子に話を聞いてみると、確かに休憩時間に友だちとおしゃべりをしており、しかも、さっき受けたばかりの教科の話をしているとのこと。

「今回は簡単だったね~」「最後の大問、難しくなかった?」といったテストの感想や、「最後の選択肢何にした? 俺は“イ”にした!」「えっ! 俺は“ウ”にした!」といった具合に、仲間内で答え合わせをしているといいます。

さらに、「友だちと違う答えを書いたことがわかったら、不安にならないの?」と聞くと、「次の教科のテスト中にも思い出すくらい引きずっちゃう。『あ~、あそこの答えは“イ”だったのかなぁ』って」というのです。

入試本番でも休憩時間はあるため、このままでは本番にも影響が出るかもしれないと思い、息子にこう言って約束をしました。

「終わったテストについての話を友だちとするのはやめようね。休憩時間は静かに過ごして、次の教科のテストに向けて気持ちを切り替えたほうが、成績も今よりもっとよくなるんじゃないかしら?」

息子はこの約束を守り、休み時間を自分のペースで過ごすようになってから、変動が激しかった成績が安定してきました。

皆さんも、お子さんがどのように休憩時間を過ごしているか、1度聞いてみるといいのではないでしょうか。(ルイージ)


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