フルタイムで働く母親は、中学受験に不利?:エデュママアンケート第108回

エデュママアンケート
2015年8月14日

第108回 フルタイムで働く母親は、中学受験に不利?

inter-edu’s eye
ズバリ、フルタイムで働く母親は、中学受験に不利でしょうか? ネットでもよく相談されているテーマについて、YES・NOの二者択一でアンケートを実施。結果は…

3人に2人が不利と判断

フルタイムで働く母親は、中学受験に不利?アンケートグラフ

結果は、フルタイムで働く母親が不利と思う人66%に対して、そうは思わない人34%。つまりエデュママ3人のうち2人が不利、1人が不利ではないと判断しています。この結果は、ネット上のさまざまなところで議論されている傾向と一致しているようですが、今回はその理由についてもうかがっています。その内容を見ると、多くの人が、勉強をサポートする時間が不足することをあげています。そのいくつかを紹介します。

・勉強のサポートは専業主婦でも大変。よほど自立した子でなければできない
・勉強の進み具合をチェックする時間がない
・宿題管理ができない
・塾の送り迎えだけでも大変。サポートには大変な労力がいる
・テストの結果を見て勉強計画を立てることは子どもにはできない
・子供のちょっとした変化がわからなくなる

反対に、不利とは思わないという方の主なご意見は以下の通りです。

・親が受験するわけではないから無関係
・塾で自分で勉強すればいい。親がかりでは合格後も親がかりになる
・親が頑張る背中を見せるのは大きい、ただし朝夜のコミュニケーションは大切!
・かえって子どもが自立すると思う

親の姿勢として大事なのは、『切り替え』

とてもていねいにご意見を書いてくださった方がいます。全文紹介します。

・フルタイムで働く母親が不利か不利でないかは、一概には言えない。子どもの成長が早かったり、塾の先生とのコミュニケーションがうまく取れるようなら、フルタイムでもよく伸びると思う。しかし一般的な受験生はやはりまだ親の管理が必要。勉強をつきっきりで見るためではなく、子どもの理解度や到達度を把握したり、我が子の立ち位置を正確に把握したり、志望校との差を客観的に分析したりするには、ある程度親に余裕の時間が必要だと思う。フルタイムの親はそこまで首が突っ込めないと思う。本番は本人の実力のみだが、それまでに下準備や後悔のない併願を組むなど、成功に終わる受験をするには、どうしても親のリサーチ力は必要だと思う。

このメッセージ、納得される方が多いのではないでしょうか? 確かに中学受験には、わが子の状況の正確な把握やその年の受験状況、志望校の分析と選定など、子どもだけには任せきれない要素も多々あります。そのためにある程度の時間の余裕が必要なのは確かでしょう。しかしフルタイムといっても仕事形態はいろいろだし、個々の家庭の事情もそれぞれ異なっています。まさに、“一概には言えない”というのが正確なところでしょう。それに、“仕事をしていない母親は中学受験に有利”ということだって、一概には言えませんよね。

エデュまがの監修者でプロ家庭教師の西村則康先生は、『エデュまが3月11日号』でこのようにアドバイスしておられました。

「ご自身が仕事などで多忙でも、子どもが声をかけてきたときには、「今、忙しいから」と遮らないようにしてあげてください。
母親がフルタイムで働いていると中学受験は難しいという意見も聞こえてきますが、実際はそんなことはありません。
大切なのは『切り替え』です。
親としての時間と仕事の時間の切り替えをしっかり行っていればまったく問題はありません。
親御さんもお子さまも忙しい受験生活では、親御さんのほうが少しばかりたくさん思いやりの気持ちを持つようにしていただきたいと思います。」

中学受験を目指すかたちは、それぞれの親子で千差万別です。フルタイムで働くことの有利・不利を考えるより、自分たち親子にとってのベストを選択してください。最後に教育評論家、おおたとしまささんのアドバイスもどうぞ。

「何か大きな決断をしなければいけないとき、決断の善し悪しを決めるのは、決断するときの判断力ではありません。決断した後の努力が、決断の善し悪しを決めるということです」(『おおたとしまさの中学受験心すっきり相談室』第4回より

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