第6回 元中受ママが伝授!併願校選びのポイント
第6回 元中受ママが伝授!併願校選びのポイント
… ごあいさつ …
はじめまして。私、かつて二人の息子で中学受験を経験しました、元中学受験ママでもあります、春野陽子と申します。
現在は受験ドクターという個別指導塾で国語講師をしております。
みなさまからお届けいただいた質問や掲示板でお困りの書き込みに対し、「先輩ママ」として、そして時には「プロ講師」としてお答えすることで、少しでも皆さまの中学受験成功の一助となりましたら光栄でございます。
併願校選びのポイントを教えてください
今回は併願校選びのコツを3つのポイント に絞ってご説明いたします。行きたい学校が第一志望とすると、自動的にそのほかの学校は第二、第三志望になります。この第二、第三志望の学校を「併願校」といいます。第一志望を中心にすえ、受験戦略を練って「併願校」を決定しないと、おそらくは不本意な結果になる可能性が高くなるでしょう。それくらい「併願校選び」は中学受験成功のためには重要です。
ポイント1)上下幅広くセレクト
「持ち偏差値」から四谷偏差値で5以上、下の学校が「安全校」です。この差が下にいけばいくほど「安全」です。
「持ち偏差値」から四谷偏差値で上下3以内が「適正校」です。四谷偏差値63以上のお子さまは、「適正校」が第一志望の場合が多いのですが、それより下の偏差値となると多くが「適正校」より上の学校を第一志望とする場合が多いですね。それでも、ちゃんと合格するご家庭もあるのですから、目線は常に上に持つ、これは受験全般の基本だと思います。
ポイント2)志望校の入試問題との相性をはかる
目線を上にするなら、すなわち第一志望校を「持ち偏差値」より上に持ってくるなら、当然併願校には慎重であるべきです。
併願校は、「もしも」のときのためのセーフティネット。お子さまの落下を防ぐための安全策です。
そのためにも、わが子の実力は適正にはかりたいもの。
たとえば、いくら塾でのテストで国語の偏差値が52でも、漢字や語句で点を稼いでいるタイプのお子さまは、読解メインの学校に対する国語の偏差値は「持ち偏差値」よりぐっと下がっているのです。
志望校のざっくりとした傾向は親御さんのほうで知っておき、テストのたびに、わが子の得意分野・不得意分野が志望校の入試傾向から見て相性が良いのか悪いのか、という点、把握しておく必要はあります。
志望校の入試傾向と相性が悪い場合、併願校には「安全校」が本当に「安全」なのか、お通いの塾に聞いてみてください。「安全校」の安全性に疑問が残れば、もう少し安全度の高い学校も併願校に組み入れてください。
とはいえ、行かせたくない学校を確実に合格するから、と受験するご家庭はないでしょう。
また、よく知らない学校を併願校にすることもないと思います。
「安全校」選びのためにも、学校説明会は、幅広く足を運んでおくことをおすすめします。
ポイント3)「志望校」の入試傾向を中心に「適正校」「安全校」を選ぶ
志望校対策に時間をかけたい!と思えば、当然併願校に割く時間は減ります。
だから、志望校対策がそのまま併願校対策になる学校を「適正校」「安全校」として選びましょう。
大雑把にいえば、記述させる志望校に対して、選択肢・抜き出し・語句問題が多い学校を「適正校」「安全校」に選んでしまうと効率が悪い、ということです。
では、効率の悪い、傾向のバラバラの学校を「適正校」「安全校」に選んでしまった場合、その「適正校」「安全校」の対策にどれくらいの比重をかけるべきなのでしょうか。
「適正校」に対しては、志望校と同じくらいのウェイトで対策をとる必要があります。
問題は、「安全校」。
安全だからと選んだ学校に過度の対策は禁物です。なぜなら、6年生は、とにかく時間がないのです。限られた時間内で、どう志望校対策の時間をやりくりするか。過去問も4教科通して解くと3時間以上必要です。それに採点、やり直しの時間を入れたら、5時間とられます。
ですから「安全校」は1・2年分過去問を解くだけで十分です。
実際解いてみて、「安全校」が実は安全でない!とわかったところで、もう1・2年分解いてみてください。慣れれば、「持ち偏差値」の力が生きてきます。
それ以上は無用です。
もしもどうしても「相性が悪いかも」と思えば、別の「安全校」に変えましょう。
今回のポイント!
志望校と傾向がそろっていれば、「適正校」の対策もスムーズです。
できれば、傾向があまりにもかけ離れていない学校群を「志望校」「適正校」「安全校」にして、お子さまの負担の大きすぎない受験となるように願っております。
春野 陽子さんプロフィール
長男はSAPIXへ通塾し巣鴨中学校から東京大学理科Ⅱ類に進学、次男は転塾(日能研→SAPIX→市進)を経て海城中学校に進学。
大学院国文学専攻博士課程後期単位取得後満期退学。近代文学専攻。元私立高校教諭。日能研にて、約10年間、中学受験国語指導を担当したのち、2012年度から「中学受験個別指導塾ドクター」
に非常勤講師として勤務し、2013年度から「株式会社受験ドクター」に入社。
国語のスーパードクターとして個別指導にあたっている。
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