第7回 元中受ママが伝授!塾が合わない場合の転塾について

中学受験ギモン解決所
2015年10月14日

第7回 元中受ママが伝授!塾が合わない場合の転塾について

… ごあいさつ …
はじめまして。私、かつて二人の息子で中学受験を経験しました、元中学受験ママでもあります、春野陽子と申します。
現在は受験ドクターという個別指導塾で国語講師をしております。
みなさまからお届けいただいた質問や掲示板でお困りの書き込みに対し、「先輩ママ」として、そして時には「プロ講師」としてお答えすることで、少しでも皆さまの中学受験成功の一助となりましたら光栄でございます。

塾が合わない場合転塾するのはいいでしょうか?

 転塾を考えるきっかけで一番多いのは 、「成績が上がらない。塾に相談したが、一般論しか言わない。もしくは根拠を示さず、大丈夫ですよ、で片づける」というもの。成績不振プラス塾への不信感、この二つが重なったらほぼ間違いなくご家庭は転塾を考えだします。

まずは転塾のデメリットから考える

転塾のデメリット

先にマイナスの話からしておきますね。
転塾は、親子ともにかなりのエネルギーを要します。特にお子さまには、テキストの変化やカリキュラムのずれ、慣れないテスト形式、と結構な負担を強いてしまいます。
とくに緩やかな塾からハードな塾に行く場合は、覚悟しておかないと、再度転塾、ということになりかねません。

お子さまにはお子さまの世界があり、お子さまが今通っている塾の人間関係から離れたくない、と思っている場合、つまり転塾に乗り気でない場合に転塾を勧めるのは良い結果にはなりません。

逆に、人間関係自体にお子さまも悩んでいて、信頼できる先生もいない、という場合は、積極的に転塾を考えるといいでしょう。

子どもからのSOSを見逃さないように

子どもからのSOS

転塾がプラスに働くのは、時期的なものも大きいのです。6年生になってからの転塾は、かなりリスキーです。

実は、私自身、次男のときに転塾しました。長男は最後までSAPIXに通いましたが、次男は新6年生になる前日にSAPIXを辞めました。理由は、次男から「宿題をしないことで叱られるのが苦痛」という訴えがあったから。宿題をしないのは、もちろん次男が悪いのですが、私が働いていて、全くケアができないなかで、次男に負担を強いていました。長男のときは、忙しくても初めての子ですから、それなりにフォローはしていました。

次男が次の市進学院に転塾するまでに半年近く、彼は自宅学習という名のもと、遊んでいました。次男は、勉強量が極端に少ない子でしたが、それなりの成績を修めていたので、この子なら自宅学習でも大丈夫かも、という親のうぬぼれと油断がありました。
結果、6年生の半年を棒に振ることになったのです。

今、転塾してよかったかと問われれば、よかったと答えます。やはり子どもからのSOSは聞き逃さなくてよかったと思います。
どんなに習い事にうんざりしていても、小学生というのはなぜか続けたがります。辞めません。それにもかかわらず、子どもが辞めたがったときは、かなりの負担がかかっている時だと思います。

逆に言えば、子どもが喜んで通っているならば、親は塾をとことん信頼する努力をするべきでしょう。どこの塾だって一長一短です。
もちろん、この学校ならこの塾のカリキュラムが適している、というのはあります。でも、一旦入った塾を転塾するなら、今度の塾選びには慎重であるべきです。

よく転塾を繰り返し、受験難民になってしまうご家庭があります。
長い時間をかけて塾と信頼関係を結ぶことこそ、その努力こそ、中学受験を成功させる秘訣なのかもしれないと、自戒をこめてそう思います。

転塾するならこの方法がおすすめ

この方法がおすすめ

どうしても転塾をするときは、講習期間にお試しをすることをおすすめします。
お通いの塾の講習に参加せず、転塾を迷っている塾の講習に行かせてください。
春期講習、夏期講習、冬期講習、いずれも塾はそれまでの復習となります。
そのときに通わせてみてから、古巣に戻るか、新しい塾で頑張るか決めると失敗が少ないでしょう。

また、遅れが出るカリキュラムの補習授業があるかどうか、サポートが望めるかどうかもあわせて確認しておきましょう。
繰り返しますがいずれにしても、6年生になってからの転塾は、お子さまが積極的に望まない限り、おすすめできません

中学受験ギモン解決所

春野 陽子さんプロフィール
長男はSAPIXへ通塾し巣鴨中学校から東京大学理科Ⅱ類に進学、次男は転塾(日能研→SAPIX→市進)を経て海城中学校に進学。
大学院国文学専攻博士課程後期単位取得後満期退学。近代文学専攻。元私立高校教諭。日能研にて、約10年間、中学受験国語指導を担当したのち、2012年度から「中学受験個別指導塾ドクター」 に非常勤講師として勤務し、2013年度から「株式会社受験ドクター」に入社。
国語のスーパードクターとして個別指導にあたっている。

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