第10回 元中受ママが伝授!第一志望校が決まらない時は…
第10回 元中受ママが伝授!第一志望校が決まらない時は…
… ごあいさつ …
はじめまして。私、かつて二人の息子で中学受験を経験しました、元中学受験ママでもあります、春野陽子と申します。
現在は受験ドクターという個別指導塾で国語講師をしております。
みなさまからお届けいただいた質問や掲示板でお困りの書き込みに対し、「先輩ママ」として、そして時には「プロ講師」としてお答えすることで、少しでも皆さまの中学受験成功の一助となりましたら光栄でございます。
第一志望校がなかなか決まりません。どうすればいいでしょうか。
第一志望校が決まらない、大きな理由は2種類あります。6年生であれば 、偏差値が届かず、憧れ校をあきらめて現実路線へ、という中での「決まらない」と、 5年生以下で、偏差値云々は置いておいて、どこを目指せばいいか「決まらない」。今回は、学年別に解決していきます。
ピンときた学校がポイント
まず、5年生以下のご家庭には、どうぞたくさん学校を見て回って、その中でピンとくる学校をお選びください、というアドバイスになります。
そもそも、中学受験を決めたときの理由があるはず。
中高一貫校のどこに魅力がある、とお考えになって中学受験を決めたのか、そこに第一志望校を選ぶ基準が隠れているはずです。とはいえ、5年生以下のご家庭で「第一志望校を迷っている」ではなく、「第一志望校が決まらない」という状況はあまり聞きません。
つまり、これは6年生のご家庭のお悩みだ、と仮定してお話ししますね。
12月の現在、第一志望校が決まらない理由は、おそらくは、偏差値の問題が大きいだろうと経験から申し上げます。ずっと第一志望校として頑張っていたが、12月の現在、偏差値が大きく届かず、特攻であることがわかった。できれば、もう少し合格の目のある学校に変えたいが、どこが第一志望校になるのか、目移りして決め手に欠ける。
このような状況での、第一志望校を決める際のポイントを、3つお伝えいたしましょう。
ポイントはたったの3つだけ?
ポイント1
【不得意科目の過去問の相性で決める】
残り少ない時間を有意義に活用するためにも、無駄は避けたいもの。迷うほど通ってもいいと思っている学校群であれば、不得意科目の相性で決めるのも一つの方法です。実は、次男は社会が苦手だったので、細かい知識を問わない海城中を第一志望にしました。海城中の社会は、記述で難しいと言われていましたが、細かな知識を問われてボロが出るよりは、はるかに対策がしやすかったのです。これも一つの方法です。
ポイント2
【今まで第一志望校の対策をしていたことを活かす】
今まで第一志望校の対策をしてきて、今になって偏差値が届かずにあきらめて別の学校を、という場合は、今まで行っていた対策がそのまま活かせる、入試問題のタイプが似た学校を選ぶのも一つの手です。これも、残り少ない時間を有効に活用するための方法ですね。
ポイント3
【行きたい学校はそのままに併願校を固める】
これは、本当は第一志望にしたい学校を、偏差値が届かないからと、泣く泣くあきらめているご家庭に対するアドバイスです。確かに、1日棒に振ってもったいないけれど、お子さまが第一志望校に対する思いが強い場合は、モチベーションを下げないためにも、第一志望は敢えて変えない、という勇気ある選択も必要です。
その場合は、併願校はしっかりと固めましょう。10回に8回は合格するであろう学校を押さえにして、10回に半分は合格する学校を、本当の意味での「第一志望校」にするのです。これには、過去問の合格者平均が使えます。合格ラインを、半分に1回は超えていれば、それは本来の「第一志望校」のレベルです。
ただ、過去問の取り扱いには要注意! 間違っても、時間を延長した分の点数を加算してはいけません。時間になったら、一旦止めて、解答用紙の残っている問題番号に、蛍光ペンでしるしをつけてから延長して解き切ります。
この場合、得点として数えられるのは、時間内に解いた範囲まで。そして、子どもはいじらしいくらい、親の喜ぶ顔を見たいもの。「うちの子だけは大丈夫」なんて思わずに、過去問を解く際には、解答は親が預かりましょう。それくらいシビアにしないと、確かなところが測れず、結局はわが子を泣かせることになります。ここは万が一に備えて、(1) 時間厳守 (2) 解答は親が預かる この2点を徹底しましょう。
偏差値帯の上から下まで
さあ、これをお読みの5年生以下のご家庭は、偏差値なんて、いかようにも上下します。ですから、お子さまの現偏差値、未来の偏差値をあてにした学校見学をせず、偏差値帯の上から下まで、幅広く学校説明会に足を運びましょう。とアドバイスさせていただきます。
春野 陽子さんプロフィール
長男はSAPIXへ通塾し巣鴨中学校から東京大学理科Ⅱ類に進学、次男は転塾(日能研→SAPIX→市進)を経て海城中学校に進学。
大学院国文学専攻博士課程後期単位取得後満期退学。近代文学専攻。元私立高校教諭。日能研にて、約10年間、中学受験国語指導を担当したのち、2012年度から「中学受験個別指導塾ドクター」
に非常勤講師として勤務し、2013年度から「株式会社受験ドクター」に入社。
国語のスーパードクターとして個別指導にあたっている。
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