中学受験ギモン解決所

学年別の春休みの過ごし方で○○が変わる?

… ごあいさつ …
はじめまして。私、かつて二人の息子で中学受験を経験しました、元中学受験ママでもあります、春野陽子と申します。
現在は受験ドクターという個別指導塾で国語講師をしております。
みなさまからお届けいただいた質問や掲示板でお困りの書き込みに対し、「先輩ママ」として、そして時には「プロ講師」としてお答えすることで、少しでも皆さまの中学受験成功の一助となりましたら光栄でございます。

Q 春休みはどのように過ごしたらいいでしょうか。
中学受験業界では、小学校の長期休暇にあわせて、春期、夏期、冬期、と3つの講習期間を設けています。
夏期は受験の天王山、冬期は追い込み時期としてアイデンティティを保っていますが、夏期・冬期に比べてその意義が地味で目立たないのが春期講習かもしれません。今回は学年別の春休みの過ごし方をご紹介します。

4年生以下の春期の過ごし方

4年生以下の春期の過ごし方

塾では、新学年のカリキュラムが始まるのが2月の2週目くらいから。
春期講習は3月下旬からなので、実質1ヶ月半の新学年カリキュラムしか消化していない時期に開始となります。このカリキュラム的には半端な時期、ということや期間の短さもあいまって、春期講習のテキストは、前学年の総復習、という位置づけにしては、残念ながらあまり中身の濃い内容になりづらい傷みがあります。
私が、中学受験現役ママ時代には、各塾も欲張らずにもっと重要単元を絞りこんでテキストを作成してほしいな、と心ひそかに思っておりました。

ただ、薄いテキストなので、冬期と同じく、何度も繰り返し復習するには実は便利です。
①達成感 ②掲載されている単元の完全マスター
という2点において、薄いテキスト量は小学生のやる気を育てる学習には向いています。
親は内容の薄さを気にするよりも、春期は、テキストのみマスターする!と割り切って、長い受験生活の助走期間と割り切っても構わないのが春期だと思います。
それでは、学年別に春期の過ごし方について、少し詳しくご説明いたします。

塾の春期講習は、学習習慣の継続、という点で意味があります。
どこの塾でも5年生以降はカリキュラムがハードになります。その時期を乗り越えるためにも、お子さんにある程度の負荷はかけておく必要はあるでしょう。
ただ、負荷というのは、疲労と直結します。適度な負荷でないと、小学生、息切れを起こしてしまいます。
適度な負荷とは?となると、お子さんが「勉強は大変だけど、楽しいときもある」と感じられるところが境界線となるでしょう。

本来、わからないものをわかるようにするのは、ストレスを伴う脳の働きなのです。学習がストレスを伴うからこそ、「わかった」瞬間、ストレスから解放されて「喜び」に変わるのです。「わかった」という体験がまったく起こらない学習の仕方をするくらいなら、むしろ思い切り遊ばせたほうがお子さんのやる気にとってはプラスに働きます。

長く続く受験生活を順調に過ごすためにも、勉強嫌いを作らない、苦手意識を強く持たせない、というのが、この4年生までの時期、特に重要なのです。
では、この「わかった」体験をどう作っていくのか。これは、やはりお子さんだけでは難しいと思います。お子さんが自分自身で考えるプロセスはもちろん重要なのですが、そのプロセスのつまずきのタイミングで上手に解法のヒントを出しながら、自力で解けた、できた、という喜びに導いてあげるのは、大人の役割です。
親が自転車の後ろを持ってサポートし、徐々に手を離してあげるイメージで、自学自習の伴走をすることは、4年生以下のお子さまには必須なのです。

よく親は手を出しすぎるな、と言われますが、4年生以下のこの時期は、自学自習の方法もわからないお子さんにしっかり付き添ってあげてください。
そして、受験学年まで余裕のあるこの時期に、親子で楽しい思い出づくりもお忘れなく。

5年生の春期の過ごし方

5年生の春期の過ごし方

5年生といえども、小学校では進級前。ただ、受験カリキュラムの重要単元が詰め込まれた5年生という学年は、実は受験学年の6年生時期と同じくらい重要です。
5年生は、塾の進度に沿って、とにかく理解の積み残しを少しでも減らしながら進んでいくことが重要です。
その際、すべてをまんべんなく、深く学習しようとすると失敗しますので、注意してください。受験頻出の単元というのは、必ずあり、単元ごとに重要度は異なります。
また、ある単元を理解するには、以前習った別単元の理解が甘いとつまずく、など、縱橫のつながり学習が要求されることもあります。

この単元ごとの重要性を意識した学習ができるか否かで、効率の良い学習ができるか否かが決まります。効率的な学習とは、お子さんに余計な負担をかけて、息切れを起こさせないために非常に大事な考え方です。
親が判別できないのであれば、プロに聞くのが一番です。
ただ、これは、カリキュラムが加速する秋以降の話。
春期の段階では、学習サイクルをきちんと回すことに注力しましょう。
もちろん息抜きも必要ですが、長い間学習環境から離れていると、なかなか学習サイクルが定着しません。親のかかわり方も重要です。

そばについて見てあげる必要はありませんが、家事などをしながらできるだけ近くにいる、という環境づくりは大切かもしれません。終わったら一緒に丸付けをしてあげる、という程度のソフトな関わり方を心がけましょう。それによってお子さんは「自分の学習に興味関心を持ってくれている」という承認欲求が満たされ、学習意欲が向上します。学習状態をいい加減にチェックするなど、親が手間を惜しむと子どもにはすぐに伝わり、学習する、ということを大切に思わなくなってしまうのです。

4年生時よりも少し離れたところで、でも目は離さず、合間合間にチェックし、認めてあげる、という役に徹するのが、この時期の親の約目です。
春期講習で習ったこともお子さんから上手に聞き取って対話してみてください。

6年生の春期の過ごし方

6年生の春期の過ごし方

受験学年とはいえ、スタートしたばかり。
と親は安心することなかれ。
どこの塾でも、6年の5月くらいまでには、入試に必要なカリキュラムは一通り終わります。
5年生以下とは異なり、6年生は、この春期をいかに活用するか、によってその後の余裕が違ってきます。

春期は、5年生までの既習内容を振り返り、特に苦手な単元があれば、的を絞って潰しておきます。
この一手間をかけるかかけないかで、後々の時間的余裕が生まれるだけでなく、偏差値の底上げにもかかわってきます。
春期講習時の内容の薄さは、家庭学習でカバーしていきましょう。
繰り返しになりますが、春期の学習の合間に、5年生時の苦手単元をリスト化して、少しずつでも潰していくこと。このときに、欲張らず1教科につき1単元に絞り込むのが成功するコツです。
過去問の先取りは厳禁です。自信を失ったり、秋以降、初見の問題でないせいで、実力が測れなかったり、という弊害を生みます。
塾で慣れたテキストで復習する、というのが基本です。

春期のお悩みがあれば、プロ講師による無料の学習相談をぜひご活用ください。

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春野 陽子さんプロフィール
長男はSAPIXへ通塾し巣鴨中学校から東京大学理科Ⅱ類に進学、次男は転塾(日能研→SAPIX→市進)を経て海城中学校に進学。
大学院国文学専攻博士課程後期単位取得後満期退学。近代文学専攻。元私立高校教諭。日能研にて、約10年間、中学受験国語指導を担当したのち、2012年度から「中学受験個別指導塾ドクター」に非常勤講師として勤務し、2013年度から「株式会社受験ドクター」に入社。
国語のスーパードクターとして個別指導にあたっている。


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