2015年 前期合格者から見えてくること

東大合格者数に一喜一憂は危険!? 真の指導力を見極める躍進校の明暗2015年3月13日

“東大合格者数”に現れた2015年の背景

2015年は京大合格者ランキングでトップを守り続けていた洛南高等学校(京都)が落ち込み、西大和学園中学校・高等学校(奈良)が初めて1位になるという大逆転劇が起こりましたが、東大合格者ランキングでは開成高等学校がトップを譲りませんでした。

国公立大学・前期試験の合格者が発表され、東大合格者ランキングのトップ5は、1位が開成高等学校、2位が筑波大学附属駒場中・高等学校、3位が灘高等学校、4位が麻布高等学校、5位が駒場東邦中学校・高等学校という結果に。筑波大学附属駒場中・高等学校が合格者数を伸ばし、昨年よりも順位を上げました。

東京大学

開成高等学校も2年連続で減少していた東大合格者に歯止めをかけて、合格者を27名(現役は16名)増やしています。2014年はトップ校の東大離れが懸念されていましたが、今年の結果はそうした心配を払しょく。東大のブランド力が改めて示されました。

その一方で、3位の灘は、3位を死守するも合格者を12名(現役は4名)減らしています。2015年はラ・サール高等学校(鹿児島)も15名(現役は5名)減少と合格者を減らして順位を落としており、地方のトップ校が苦戦をしていたようです。

注目は5位の駒場東邦中学校・高等学校。昨年、56名(うち現役42名)⇒73名(うち現役57名)と東大合格者数を大きく伸ばした学校ですが、今年も79名(うち現役57名)と合格者数をキープしての5位となりました。

東大へ合格させる真の指導力がある学校とは

2015年は前年の東大合格者躍進校の明暗がはっきり分かれました。

2014年の躍進校のうち、北嶺中・高等学校(北海道)、洛南高等学校(京都)、栄光学園中学校・高等学校(神奈川)が合格者数を減らしています。

北嶺中・高等学校は17名(うち現役12名)⇒8名(うち現役7名)と9名(現役は5名)減少。洛南高等学校(京都)は、24名(うち現役19名)⇒19名(うち現役16名)と5名(現役は3名)減少。栄光学園中学校・高等学校(神奈川)にいたっては、63名(うち現役44名)⇒43名(うち現役29名)と20名(現役は15名)も合格者が減っています。 東大合格者が減少した学校は、躍進前の2013年の合格者数とほぼ同じ水準に戻ったか、下回る結果になったのです。

他方、昨年の躍進校でも、聖光学院中学校・高等学校(神奈川)は70名(うち現役57名)⇒70名(うち現役59名)、久留米大学附設高等学校(福岡)は36名(うち現役22名)⇒36名(うち現役29名)と、東大合格者数が2014年と変わらない学校もあります。合計人数でこそ同数ですが、現役の合格者は増えているのがポイント。各学校の東大合格に向けた指導が着実に成果を上げている結果だと言えるでしょう。

今年の東大合格者数の躍進校は、ランキング1位を守り続ける開成高等学校を除けば、19名(現役は14名)増加と躍進した渋谷教育学園渋谷中学高等学校、現役合格者数を20名も伸ばした海城高等学校(既卒含む合計数からでは16名増)、公立校で唯一躍進した群馬県立前橋高等学校(11名増)の3校。 3月23日の後期日程の合格発表でもさらに動きが出てくることが予想されます。
また、これらの学校が来年も合格者数を維持できるのか。躍進校の真の指導力が表れる、来年の結果に要注目です。

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