医療・福祉系の大学選びのポイントとは?

医療・福祉系の大学選びのポイントとは?2015年4月1日

■医療・福祉を学べる大学が注目されている理由

医療・福祉を学べる大学が注目されている理由

世界でも例を見ない高齢化(総務省が公表している『人口推計』によると、2013年10月1日現在の65歳人口の割合は25.1%)や医療技術の進歩などを背景に、日本の医療は多様化・高度化を続けています。そのため、かねてより医療・福祉に携わる人材育成の強化が図られてきました。

薬剤師国家試験が2012年(2006年度入学生)から医師と同様に6年制課程になったことや、養成施設卒業時に無試験で取得できた介護福祉士が、2016年の国家試験より全員が受験・合格しなければ資格を取得することができなくなることも同様の流れと言えます。

看護師の養成においては、平成4(1992)年施行の「看護師等の人材確保の促進に関する法律」をきっかけに劇的な変化が見られました。1991年度の看護系大学(文部科学大臣指定)はわずか11校のみでしたが、現在では230校を超えるまで増えています。

このように、それぞれの資格取得者に求められる専門知識・技術は、一昔前より高度化しており、臨地実習などの必須時間が大幅に拡大されるなど、養成施設での教育の質も上がっています。同時に、チーム医療を円滑に行えるスタッフになれるよう、また多様な現場や患者・利用者に対応できるよう、高いコミュニケーション能力と幅広い教養も必要になってきています。そのため、医療・福祉分野の人材養成施設の中核として、4年制大学が注目されているのです。

■医療・福祉系の大学選びのポイントとは

このような状況の中、大学選びでまず重視すべきは、「そこで自分が興味をもって学べるか」ということ。合格率ランキングなど、資格試験結果も気になるところですが、その大学の資格試験の実績が全国の合格率を少し下回っていたとしても、「まじめに勉強している人は、ちゃんと合格している」と肯定的にとらえられるレベルなら、あまり気にする必要はありません。そうした資格試験の実績とともに、教育内容や施設、キャンパスや学生の雰囲気などもあわせて、総合的に評価するのがよいでしょう。

そのためには、大学案内パンフレットやホームページに目を通すだけでなく、進学相談会やオープンキャンパスなどで、直接、大学のスタッフや学生、卒業生たちとふれあい、さらに複数の大学を比較できる機会があるとよいでしょう。