宮本先生のパズルで就学前から考える力をつけよう! 第46回

考える力をつけるパズルで受験も人生もHAPPYに!2014年12月19日

考える力をつけるパズルで受験も人生もHAPPYに! 宮本哲也

カリスマ算数講師の宮本哲也さんの「算数と国語を同時に伸ばすパズル」が静かなブームを呼んでいます。これまでに初級編と中級編が発売されましたが、より下の年令向けのものをという読者の要望にこたえて、入門編が急遽発売されることになりました。入門編はだいたい小学校入学前後から1、2年生あたりが対象です。

宮本算数教室が多くの小学生を最難関校合格に導いてきたことから、このパズルも中学受験用?と思いがちですが、必ずしもそうではありません。このパズルが育んでくれるのは、子どもの「考える力」。楽しみながら夢中になってパズルを解いていくうちに、自然と「考える力」が養われるのです。

◆「考える力」がつけば、受験にも有利

宮本さんは一貫して、“暗記式の勉強では子どもの能力を伸ばすことにはならない”と主張してこられました。最近は中学受験でも最難関校を受けるとなると、暗記した知識の量では歯が立たず、「考える力」こそが合否を分けるようになってきました。「考える力」は大学までの学業はもちろん、社会人になってからも、よりよく生きるための最大の武器になるものです。子どもの可能性を最大限引き出す源とも言える力ですから、何をおいても、わが子に身につけさせたいもの。

では、なぜ、このパズルを解くと、考える能力が養われるのでしょうか?
まず親御さんご自身が解いてみると、即座に納得できると思います。このパズルを解くには、子どもでも大人でも、絶対に“考える”必要があります。つまりパズルを解くこと自体が考えることになっています。設問の文章を正しく理解すること以外に、特別な知識は不要です。入門編、初級編、中級編とやっていくと、その“考える”という行為がどんどん複雑になっていくのを実感します。中級編の後半ともなると、大人でも落ち着いてじっくり取り組まないと解けません。パズルを解く=考える能力を鍛えるというわけなのです。

◆算数も国語も、パズルで学力向上を目指そう

では、パズルで「算数と国語を同時に伸ばす」とはどういうわけ?
算数でも、文章題の意味を正しく読みとれずに減点されることは多いもの。日本語の文章を正しく読みとることは、算数でも国語でも絶対必要条件です。正解を導くには、問題文で使われている言葉の正確な意味がわかり、文章が示す条件が整理でき、そのうえで何が問われているかを理解できなければなりません。

この手順は算数でも国語でもなんら変わりはなく、パズルの問題文を読んで解くときも同じ。「算数で考える力を高めれば、国語の長文読解問題も自力で解けるようになります」と宮本さん。国語も、算数と同じように問題文の意味を客観的に理解し、自分で考えて正解を導く科目。「“国語はセンス”ではありません。きちんと考えて解く科目です」(宮本さん)

◆パズルはテーブルの上に置いておこう

さまざまな講演で、「親の“○○しなさい”が、子どもを勉強嫌いにしている」と話しておられる宮本さん。このパズルを買ってきたとしても、どうやって子どもにやらせたらいいのでしょうか?と伺ってみました。

リビングなどのテーブルに、ただ置いておいてください。間違っても、これ買ってきたからやりなさいなどと言わずに、子どもが関心を持って手にとるまで黙って置いておいてください」(宮本さん)
このパズルのいいところは、テストと違って答え合わせの必要がないところ。空欄が埋まったら正解。しかもTVやゲームと違って、解けた!という達成感が得られます。パズルを解くのが面白く、自己評価にもつながり、勉強が好きになるきっかけにもなるというのです。

でもそれでも、子どもが全然興味を示さなかったら?といじわるな質問をしてみたところ…
「お子さんが何日か手にとらなくても、そのままテーブルの上にずっと置いておいてほしいですね。お母さんとしてはせっかく買ってきたのに、という思いもあるかもしれませんので、それならお母さん自身が、まず解いてみたらいかがでしょう? でも思わせぶりにこれ面白い!などと言ったりしないでください。ただ、親がパズルをやっている姿を子どもに見せるだけにしておいてほしい
長年の経験から、ほとんどの子どもは、ずっとテーブルの上にあれば、いつかは必ず手にとって中身を調べると確信しています。お母さんの指示ではなく、自分の興味から解き始めます。そのプロセスが、考える力をつけるのにいちばんいいのです」(宮本さん)

「考えることは楽しいことなんだ!」ということを、小さいうちから体得してほしいという宮本さんの念願に基づいて作成されたパズル。
入門編、初級編、中級編と揃って、小学生の成長レベルをほぼ網羅できるようになりました。ただし1年生には入門編、2年生には、といった決めつけはNGです。子どもが簡単に解けるレベルから始めて、興味にあわせてどんどん、あるいはゆっくりとレベルアップしていけばいいだけとのことです。あっという間に中級編を終了する子もいれば、途中でお休みしたい子もいるかもしれません。それはそれでいいのです。

「楽しみながらパズルをやって、考える能力を鍛えよう!」 こんな感じで、親子でチャレンジしてみませんか?

宮本哲也

算数と国語を同時に伸ばすパズル 入門編

宮本哲也著、小学館刊、(本体)600円+税、12月11日頃発売。
算数と国語の基礎学力である「読解力」と「論理力」が、問題に取り組んでいくうちに自然と身に付くパズル。総ルビで見やすいシンプルなデザイン、小学校入学前後からチャレンジできます。発売中の初級編・中級編とも、問題は後ろにいくほど難しくなります。鉛筆を持たずに頭の中だけで解こうとすると大人でもすぐに行き詰りそう。最初にのっている例題をヒントに取り組んでみてください。最後のページに認定証がついているので、お子さまが1冊すべてクリアしたらぜひ認定証に名前を書いてあげてください。…購入はこちらから

宮本哲也さん

宮本哲也(みやもと てつや)さん
1959年生まれ。早稲田大学第一文学部演劇学科卒業。大手進学塾を経て、1993年、宮本算数教室を設立。無試験先着順にもかかわらず独自の指導法により最終在籍生徒のほとんどが難関中学に進学という実績をあげている。『算数と国語を同時に伸ばす方法(小学館)』『賢くなるパズル(学研)』など著書多数。