人気の私立中高はここが違う!エデュママリサーチ第63回

エデュママリサーチ
2015年12月2日

第63回 人気の私立中高はここが違う!

inter-edu’s eye
今の時期、志望校選びに悩んでいるご家庭は多いと思います。そこで今回のエデュママリサーチでは、人気のある学校の秘密とこれからの中学受験の未来を探ってきました。学校選びのご参考に!

人気のある学校の特徴は?

人気校

以前エデュが独自に行った「学校選びのポイントを教えてください」というアンケートでは、校風・教育文化、通学時間、大学合格実績が上位を占めました。なかでも、大学の合格実績は数値として一目瞭然ですので、指標としては分かりやすいですよね。そのため、より高い実績を出している、難関校に挑戦させるご家庭が多い時代が長く続いていました。

近年は、難関校に挑戦するスタイルから、受かる可能性の高い学校を受験するスタイルに変わってきています。これは中学受験に限らず、大学受験でも、見られます。11月9日公開の大学リサーチでご紹介した通り、浪人しなければ入れない大学を避け、安全に合格できる大学を受験する割合が増えています。

では、2015年の中学受験で人気のあった学校を見ていきましょう。
まず、神奈川にある横浜英和女学院中学高等学校の応募者が激増しました。これは青山学院と系属化(2016年4月1日より)をすることも大きく影響していると思われます。2016年度以降の入学者については、青山学院大学への進学を希望する場合、進学条件を満たす人は全員が進学することができるようになりました。有名大学に進学でき、かつ在学中に高い教育を受けられるという点が魅力のようです。

また日本橋女学館中学校は、校名を開智日本橋学園中学校に変更し、さらに共学化することで大きな注目を集めました。近年は、一部の学校を除いて、伝統校と言われる男子校・女子校の倍率が下がっています。社会で男女が働くのが日常化している現代では、ニーズとして共学化の人気が高まるのは必然といえるでしょう。
もちろんそれだけではありません。開智日本橋学園中学校では、アクティブラーニングを軸に学力を定着させる繰り返しの学びや「国立理系クラス」「医学系クラス」「国立文系クラス」を設置しています。さらに「私立文理クラス」の各コースへと進む「最先端クラス(リーディングクラス=LC)」、「先進クラス(アドバンスドクラス=AC)」という、計3つのコースを用意しています。

このように入ってから伸びる可能性を秘めている学校は、人気のある傾向にあります。ただそれを学校説明会だけで感じとるのは難しかったり、逆に校長の話は面白かったけど、数値としては伴っていない…という場合もあると思います。総合的に判断し、さらにしっかりと情報を集めるようにしましょう。

私立中高一貫校も大注目!適性検査型入試!

適性検査型入試

また、私立中高一貫校入試の大きな動きの一つとして、「適性検査型入試」の導入校の増加が挙げられます。

適性検査型入試は、私立校入試で行われている、一般的な学力試験と違い、各教科融合、教科横断的な問題が出題されます。問題には、文章・図・グラフなどさまざまな要素が用いられ、それらを読み解く力が求められます。、答えも、文章や図などで表現する必要があるため、単に知識があれば解けるという問題はほとんどありません。

具体的な導入校数を見てみると、2014年度は30校、2015年度は43校、そして2016年度は70校近い学校が試験を導入しています。では、なぜこれほどまでに適性検査型入試を実施する学校が増えたのでしょうか? それは、2020年の大学入試改革が関係しています。

大学リサーチ第33回「今さらだけど今知っておきたい!2020年大学入試改革って?」でも紹介した通り、センター試験が廃止され代わりに、適性検査型入試に似た、「大学入学希望者学力評価テスト」が導入される予定になっています。つまり適性検査型入試を受けて入ってきた受験生は、2020年に実施される新しい試験に、対応できる力を身につける素養があるということなります。
このような背景もあり、近年は先を見据え、適性検査型入試を導入する学校が増えています。

どうなる?これからの中学受験

あくまで予測ですが、データで分かる!最新中学受験情報の11月公開「10月10月 四模試による2016年入試予想」では前年と比較し、共学校、付属校の増加が見られます。逆に減少したのは女子校・進学校ですが、現時点での倍率なのでご参考までにしてください。

また、近年の傾向として、中堅校が人気を集めている傾向にあります。これにはいくつか理由がありますが、入り口の偏差値はそれほど高くないが、出口の偏差値を10も20も伸ばしてくれる可能性を持っていて、実際にそれが数値として表れているからです。

サイトの情報だけでなく、少しでも興味のあった学校の情報はドンドン集め、来年の入試に備えましょう。

ココがポイント!

移り変わりの激しい現代、人気のある学校も年々変化しつつあります。大学合格実績で選ぶのか、アクセスで選ぶのかはご家庭によって違いますが、ある程度絞ったら、なるべく学校に直接足を運び、検討するようにしましょう。

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