第70回 知らないと恥ずかしい…学力世界一の国はどこ?

inter-edu’s eye
最近、アジア大学ランキングで3年連続でトップだった東大が、7位に転落という衝撃の事実が発表されました。今回のエデュママリサーチでは、なぜ転落してしまったのか。そして再び上位に上がるにはどうすればいいのかを、学力世界一の国から見習いましょう。

首位から7位に転落

アジアランキング

イギリスの教育専門誌「THE」(The Times Higher Education)が発表したアジアの大学ランキングで、3年連続でトップだった東大が7位に転落してしまいました。1位から10位は以下の通りになっています。ちなみに、東大に並ぶ難関大の京大は11位です。前回9位だったので、ともに順位を落とす結果となっています。

THEアジア大学ランキング2016

順位 大学名 国名
1位 シンガポール国立大学 シンガポール
2位 南洋理工大学 シンガポール
2位 北京大学 中国
4位 香港大学 中国
5位 清華大学 中国
6位 香港科技大学 中国
7位 東京大学 日本
8位 ポハン(浦項)工科大学 韓国
9位 ソウル大学 韓国
10位 韓国科学技術院 韓国

THEアジア大学ランキングの評価基準は、「教育の質・学習環境」「学生と教員の国際性」「産学連携による収入」「研究の質」「論文被引用数」の5分野に大別されます。さらに詳細な基準により評価されるのですが、その評価方法が一部変更になったので、ランクが下がったのではと言われています。

学力世界一の国はどこが違うの?

フィンランド

世界の15歳児童を対象に行われる国際学力比較調査(PISA)では、フィンランドが常に上位にランクインしていて、学力世界一と言われています。

では一体どこにヒミツがあるのでしょうか? その特徴を見ていきましょう。



意外?授業時間は非常に短い

1日の学校での休憩時間は平均75分。授業日数も、日本と比べ年間40日も少なくなっています。集中するときは集中し、遊ぶときは遊ぶというメリハリがついています。

読書量が非常に多い

図書館制度が充実しており、子どもも大人も読書をする環境が整っています。日本では世間的に本離れと言われて久しいですが、もっと本を読む工夫をした方がいいのかもしれません。

教育に対する国の取り組みがすごい

授業料が無料というだけでなく、給食、教科書、学用品も無償で提供されます。またこれ以外にも、学校ソーシャルワーカー、学校心理士による精神面など、学習面以外のサポートも無償で受けられるのが大きな特徴です。

テストがなく、学力格差が出ないよう個別指導

全国一斉テストや地域レベルのテストが存在しません。クラスの生徒の学力差が出ないように学力差に応じて個別指導ができるようにしています。

先生が教えることに集中できる

教職に就く人は優秀な人ばかりで社会的地位も高くなっています。また日本のように部活動の指導などはなく、授業だけを行うようになっているので、教えることに集中することができます。

IT大国としても有名

IT大国としても有名なフィンランドでは、教育の一つとして、2016年秋より小学校でプログラミング授業を必修化するようです。プログラミングというとプログラマーなどの専門職に就くことをイメージするかもしれませんが、ロジカルシンキングを育てるのに非常に適しています。日本でも習い事としてプログラミング教室が人気を集めてきているので、注目していきたところです。

一体どうなる?日本の教育

日本の教育

教育に関心の高いお母さまならすでにご存じだと思いますが、日本の教育は2020年大学入試改革に向け、今まさに変革のときを迎えています。

小学校では英語教育必修化や、プログラミング教育。中高一貫校ではアクティブ・ラーニングに、ICT教育。大学では海外の大学を意識し徹底した少人数教育や、留学制度の充実などがはかられています。

フィンランドの教育体制は確かに素晴らしいですが、その国にはその国に合った方法があるのも事実です。例えば日本では、義務教育期間で集団行動をとる重要性を教えています。これは社会に出たときに、協調性や相手を思いやる気持ちを育むために非常に重要なことです。

ココがポイント!

フィンランドは元々学力が高かったわけではなく、国を挙げての取り組みを積み重ねた結果、学力を上げてきました。読書やプログラミング教室など、お子さまが興味を持てそうなことを取り入れてみてはいかがでしょうか。


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