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東京都「私立高校授業料実質無償化」で受験は変わる?

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教育費が上昇傾向にある中、東京都の小池都知事が公表した「私立高校授業料実質無償化」は、私立を検討しているご家庭にとって朗報だったのではないでしょうか。
そこで今回、支給額をもとに、高校受験、中学受験にどのような影響があるのか、「森上教育研究所」の森上展安先生にお聞きしました。

対象世帯は、月額換算で約37,000円の支給!

対象世帯は、月額約37,000円支給!

今回公表された「私立高校授業料実質無償化」とは、東京都内在住で私立高校に通うお子さまがいる、年収760万未満の世帯を対象に、442,000円を支給するものです。

この442,000円は、都内私立高校の平均授業料に相当する金額であり、授業料が実質無償となることから、このような呼び方をしています。

制度に関しては、公益財団法人東京都私学財団が行っている現行の「私立高等学校等授業料軽減助成金事業」の仕組みを拡充したものになります。

現在の支援の仕組みに、国の「高等学校等就学支援金」と、都の「私立高等学校等授業料軽減助成」があり、諸条件によりますが、例えば年収590万~760万の世帯ではこの2つを合算して、年額225,900円が支給されます。

その金額が、都の助成が拡充されることにより、国と都の助成合計で、年収760万未満の世帯に年額442,000円(在学校の授業料が442,000円を下回る場合は、その金額が上限)になります。

3年間合計で132万6千円、月額に換算すると、約37,000円になりますので、家計はかなり助かるのではないでしょうか。なお、私立高校に通う世帯の約30%(約51,000人)がその恩恵に浴することになると都は試算しています。

※本助成に関する詳しい内容は、「保護者負担軽減リーフレット」 に掲載されています。
また申請受付期間は、2017年の6月下旬~7月下旬を予定。申請手続きの内容に関しては、6月中頃に在学校を通じて案内されます。詳しくは、公益財団法人東京都私学財団にご確認ください。

都立高校との私立併願者にメリット

では、私立高校への進学で、実際に支払う金額はどのくらいまで減るのでしょうか。
東京都生活文化局の「平成29年度 都内私立高校(全日制)の学費状況」の下記数値をもとに、シミュレーションしてみました。

都内私立高校231校 授業料等各項目の平均額

  授業料 入学金 施設費 その他 初年度納付金(総額)
29年度 448,862円 250,026円 45,822円 167,447円 912,156円

出展:東京都生活文化局 「平成29年度 都内私立高校(全日制)の学費状況」

3年間の学費が約225万円の学校において、年収760万円以下の世帯では、3年間の学費合計が約91万円となり、毎月約25,000円で私立高校に通わせることができます。
これはあくまで平均値なので、例えば3年間の学費が約300万円の学校であれば、約167万円となり、月換算で約46,000円となります。

学校によって金額差がありますので、進学を希望する学校でシミュレーションしてみましょう。
月換算にすると、家計への影響がどのくらいなのか、具体的にイメージできますね。

では、この制度により、高校受験にはどのように影響があるのでしょうか。森上先生はこう分析します。

「当然私立高校に入学する生徒はこの制度によって増加すると思われますが、大阪府が先行実施したように全く無料になったわけでないので、影響はドラスティックにはならないでしょう。
高校入試においては、中位成績層の都立高校との併願する私立高校に好影響が出るのではないかと予想しています。都立と私立の費用差が少なくなることによって、金額面ではなく、質の面で学校選択をするご家庭が増えるのではないでしょうか。」

例えば大学進学を見据えたとき、金額面での比較ではなく 、どちらの学校が良いかという、質の面での比較がしやすくなり、学校選択の幅が広がると言えますね。

私立中高一貫校も夢じゃない!?

私立中高一貫校も夢じゃない!?

では、中学受験ではどうでしょうか。
独自に「東京都の私立高校実質無償化」は、私立中高一貫校を選択する理由の一つとなるかどうか、についてアンケートしたところ

・なる  49.5%
・ならない  31.2%
・どちらとも言えない  19.4%

という結果となりました。

「無償化」は高校受験だけでなく、中学受験にもプラスの影響がありそうです。
そこで、私立中高一貫校を選択した場合の費用を同様にシミュレーションしてみました。

平成29年度 都内私立中学校の学費状況を参考に、中高一貫校の6年間の学費合計が約500万円として月換算してみると、年収760万以下の世帯では、6年間毎月約50,000円で私立中高一貫校に通わせることができます。

教育熱心なご家庭では、学費が月50,000円までに抑えられるとなると、私立への進学も視野に入ってくるかもしれません。森上先生はこう続けます。

「公立中高一貫校志望で私立校を併願するご家庭において、受検準備に費用をかけられることを鑑みれば、この程度の支出を考えるご家庭は多いと思われます。
都立一貫校の受験生約9,000人弱のうち、不合格者は7,000人程度います。このうち私立併願者は学校によって異なりますが、少なくとも3割程度は併願していると思われます。この併願層が私立中学の進学を選択する可能性が広がることで、併願自体が増加し、ひいては私立中学進学者も増加するとみています。
ただし、私立中学の一般受験の方は、今回は私立中学生の保護者負担の軽減措置ではないので影響は少ないと考えています。あくまで都立適性型の私立併願者に影響は限られるのではないでしょうか。」

各ご家庭の教育費の考え方にもよりますが、例えば、小学生時の塾や習い事費用が月50,000円のご家庭であれば、私立中高一貫校入学後、それを学費に置き換えて考えることもできます。
また高校受験がない分、受験のための塾費用もかかりませんので、そのような見方をすれば、ハードルはぐっと下がるのではないでしょうか。

このように、教育費の考え方次第で、私立中高一貫校への進学も現実味を帯びてきます。

自治体による私立の授業料無償化の動きは、大阪府からはじまり、最近では埼玉県も補助の拡充が決定しました。 子どもたちが、教育の機会をより多くの選択肢から選ぶことができるように、公共の支援制度が充実することを期待したいですね。

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