海城から東大!未来の子どもたちに大人ができる教育とは?

海城中学校・高等学校から東大、同大学院を卒業し、現在は大学で学んだ教育学の知識を活かし、「勉強のやり方」を教える塾プラスティーの代表だけでなく、本・連載の執筆や企業研修の講師として活躍される清水章弘さんにインタビュー。清水さんは、2016年から国立音楽大学附属中学・高等学校の学習コーディネーターとして、新しく「特進コース」を立ち上げ、学校改革にも携わっています。清水さんがなぜ教育業界に入るようになったのか、教育について感じていることなどを取材してきました。

生き生きと未来を語る大人に憧れ、教育の道へ

中学・高校で200人以上の教育者を取材

株式会社プラスティー教育研究所代表 清水章弘さん
株式会社プラスティー教育研究所代表 清水章弘さん

エデュ:清水さんは29歳という若さで塾の代表をされていますね。教育業界に入ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

清水さん:中学校の社会の授業で、取材をしてレポートを書くというのがあって。はじめはとくに書きたいテーマもなかったのですが、ある討論番組でゆとり教育の是非について話している中で、1987年以降の生まれはゆとり世代と聞きまして…。自分も1987年生まれだったので、関心を持ち、「そうだ!教育について調べてみよう!」と思いました。

エデュ:ゆとり世代についてはいまだに議論されますよね。どんな所に取材へ行かれたのですか?

清水さん:友達は市役所・区役所など、簡単に取材に応じてくれる所に行っていましたが、自分はテレビに出ている人。例えば尾木直樹先生、和田秀樹先生などの著名人を取材しに行きました。中学生だったこともあるかもしれませんが、意外と引き受けてくれて。中学・高校で200人ぐらいに取材しました。

エデュ:200人!すごいですね。そこで運命的な出会いがあったのでしょうか?

清水さん:そうですね。取材した方が皆さん「教育は人を作って、教育が社会を作る、だから教育は大事」と話されていて。それがすごくかっこよくて、教育の道を志すようになりました。
東大に入ろうと思ったのは、教育学部の先生方の本が面白くて、そこから目指すようになりましたね。

エデュ:早くから教育に関心を持たれていたのですね。東大に入ってからも教育の道一筋だったのですか?

清水さん:いえ、実は色々ありました。東大に入学するまでは、熱い思いがあったのですが、スポーツも好きだったので、体育会のホッケー部に入って、ホッケーばかりやっていましたね。でもある時、大きな怪我をしてしまって、8か月リハビリをすることになって…。そこで今一度、「自分は何で東大に入りたいと思ったのか」を考えるようになって、それが大学2年生のときでした。そこから一念発起して、1日1冊本を読み、やっぱり教育は面白い!」と改めて思うようになりました。

プラスティーは「塾をなくすための塾」?

エデュ:プラスティーは塾なのに、サイトには、合格実績を載せていませんね。これはかなり珍しいですね。

清水さん:理由はシンプルです。元々プラスティーは「塾をなくすために塾を作った」からです。せっかく苦労して入学した学校で、部活に行って、塾に通って、翌日は疲れ果てて授業中に寝てしまう。私はここに疑問を持って、学校の中で完結できる環境があったらいいなと思ったんです。塾をなくすためには塾を熟知しなければいけないと感じました。

塾を作るなら良い塾を作らないと意味がないのですが、私の考える良い塾とは、合格実績を喧伝するのではなく、通ってくれた人が「この塾はおすすめだよ」と生徒やお母さまが口コミで伝わる塾だと思っています。