教育最前線

名実ともに女子校トップ! 桜蔭中学校・高等学校インタビュー

inter-edu’s eye
第23回では、東大・医学部への合格者を多数輩出。女子御三家の一つとして、名実ともに女子校トップの桜蔭中学校・高等学校の齊藤由紀子校長にインタビュー。教育で大切にしていること、育てたい人物像、そして2017年4月から校長になり、今後行っていきたいことなどをうかがってきました。

真のエリートは失敗を繰り返し経験して育つ?

卒業生がもう一度受けたい!と思う授業は意外にも…

齊藤校長1

エデュ:まず貴校の教育で大切にしている所を教えてください。

齊藤校長:「間違いや失敗を経たうえで学べる部分」を大切にしています。一見すると「それは無駄じゃないの?」「周り道では?」と見えるかもしれませんが、そういった間違いや失敗を経たうえで学んでいかないと、本物の学びにはつながっていかないと思っています。これは教科だけではなく、生活上でも同じです。また、何かを生徒に教えるときにはただ機械的に教えるのではなく、「なぜ今これを覚えることが必要なのか」を、説明しながら教えているのもこだわりです。

エデュ:特色のあるカリキュラムは何でしょうか?

齊藤校長:教科学習に力を入れているイメージがあるかもしれませんが、音楽、美術、書道、保健体育、技術・家庭に多く時間を取っています。これは中学校では頭だけでなく、体も使いバランスよく学んでほしいと思っているからです。先ほどお話しした通り、これらのカリキュラムでも、説明しながら授業を進めますが、それでも上手にできない生徒はいます。でもその失敗から学ぶ部分も大切にしてほしいと思って授業をしています。

エデュ:生徒に人気のある授業を教えてください。

齊藤校長:今の生徒にこれが人気というのは正直分かりません。ただ卒業した生徒から「もうちょっと在学中にやっておけば良かった…」とよく聞くのは「礼法」です。この授業ではお辞儀の仕方、襖の開け閉め、お茶のいただき方などを学んでいきます。

中学1年生では実技テストもありますが、知識や型だけでなく、相手を不愉快な思いにさせない、迷惑をかけない、そのためにはどのようにふるまえばいいのかという「人を思いやる気持ち」を学んでほしいと思っています。現代では和室のない家も増えていますし、在学中に何かの役に立つという場面は少ないかもしれませんが、卒業して大学生や社会人になり、異なる年齢や文化の人と接する機会が増えて重要性を感じるのではないでしょうか。

桜蔭の校章が意味する桜蔭生の生き方

「桜蔭生は勤勉」は本当?

齊藤校長2

エデュ:世の中では「桜蔭生は勤勉な生徒が多い」というイメージがありますが、校長から見て生徒はどのような方が多いでしょうか?

齊藤校長:静かな人、元気な人、ひとくくりにするのは難しいですが、共通しているのは「積極的で、前向きな生徒が多い」ということです。正確に言うと、本校での6年間の生活を通し、そのような力が身についていきます。

エデュ:それはどういうことでしょうか?

齊藤校長:いくつかの要因はありますが、女子校ということで、共学校なら男性がやる力仕事なども自分たちでやらなくちゃいけない。自分たちが動かないと何も始まらないので、ここでまず積極性が自然と身につきます。これは本校だけではありませんが、女子校の魅力の一つだと思います。
前向きな姿勢は友人からの刺激によって触発されることが多いと思います。また、卒業して活躍している社会人に来てもらってキャリア教育をしていますが、その前向きな姿を見て、刺激を受けることもあるのではないでしょうか。

エデュ:身近で学校生活をともにする友人や、活躍されている先輩の話を聞いて影響を受けるということですね。校長が6年間で生徒に身につけてほしい力は何でしょうか?

齊藤校長:社会や地域とつながりを持ち、自立した女性として生きていく基本的な力を身につけてほしいと思っています。本校の校章にはきれいに咲く桜と蔭があります。これは華やかに咲くばかりでなく、蔭となって自分に与えられた責任を果たしなさいという意味が込められています。自分の居場所をしっかり見つけ、自分ができることをしっかりやっていけるような人になってほしいと思っています。

お花
見学レポート
取材時に、校舎内を見学した際に、目に留まったのが校長室の前に飾られたきれいな「お花とボールペン」。
齊藤校長に尋ねると、「毎年母の日に、生徒からお花やプレゼントをもらっています」と話されていました。学校は勉強をするだけではなく、生徒が校長を母のように慕う、家庭のような温かい場所でもあると感じることができる1コマでした。

桜蔭は勉強だけの子は入学が厳しい?

求めるのは勉強と小学生らしい子

齊藤校長3

エデュ:2020年の大学入試改革などを受けて、貴校でも色々考えていると思います。新しい取り組みなどを教えてください。

齊藤校長:英語教育では、中学1・3年生でネイティブの先生との授業があるのですが、中学2年生は少し手薄だったので、フィリピンのセンターとネットでつながるオンライン英会話を取り入れました。あとは強制ではありませんが、昨年、高校1・2年生でイングリッシュキャンプにも参加しました。

英語の「読み・書き」はこれまでも力を入れていました。記述力についてはすべての教科でこれまでも力を入れてきました。すべてを変えていく必要はありませんので、これまでの教育の良い所はそのままに、強化していくつもりです。

エデュ:今年4月から校長になられたのを踏まえ、今後行っていきたいことは何でしょうか?

齊藤校長:塾の方や保護者と学校説明会でお会いすると、本校に対して誤解していらっしゃるなと感じる時があります。もっと本校を知っていただき、そのうえで選ばれるような学校になっていかなければいけないと思っています。先ほどお話しした、新しい取り組みは生徒や先生の声を拾い上げて形にしています。これは本校にとって大きな動きですし、今後はこの良い動きを活かし、もっと外に発信していく予定です。

エデュ:最後に、これから受験を考えている受験生・保護者の皆さまへメッセージをお願いします。

齊藤校長: 受験勉強でお忙しいのは分かりますが、勉強していることが免罪符になり、日常生活で学ぶべきことをおろそかにしてほしくないですね。例えば、学校の友達との関係の中で相手への配慮を学んだり、家庭でのお手伝いの中で段取りを学んだりするようなことはたくさんあります。本校では、勉強以外の面でも自律的に生活することを求められる学校です。「よき社会人」となるためにも、勉強だけでなく日常生活の中で学ぶことを大切にしてほしいです。

編集者から見たポイント

桜蔭中学校・高等学校では新しい取り組みを行う時、教員全体でしっかり話し合い、実際にやっている生徒の姿をしっかり見て、悪い所があれば改善するそうです。決して一方的ではなく、生徒のことを第一に考えている教育の姿を見ることができました。
「桜蔭中学校・高等学校」についてもっと知りたいという方は、
「公式サイトhttp://www.oin.ed.jp/」をご覧ください。


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