うちの子、医学部目指せるかしら!? ~前半~:大学リサーチ第2回

うちの子、医学部目指せるかしら!? ~前半~2014年4月28日

inter-edu’s eye

前回、大学リサーチ第1回で、「できれば医学部を受験させたい!」というエデュママがとても多いということをお伝えしました。一方で、実際に目指せるものかどうか、足踏みする方が少なくないということも分かりました。インターエデュは、そんなお悩みママに代わって医歯専門予備校へ突撃! そこで伺った医学部受験のリアルな事情を前後半に渡ってお届けします。

田尻友久 学院長プロフィール

プロフィール
医歯専門予備校メルリックス学院
田尻友久 学院長
著書:「今年きみが医学部に合格する本」(文英堂)

◆医学部を目指すために必要なこととは

田尻友久学院長1

まず気になるのは学力のこと。医学部を目指すためには高い学力が必要ですが、小中学生の時には、どのくらいの学力が必要なのでしょうか。聞いてみると、田尻学院長は「小中学生の時はまだ学力で判断しなくていい」とキッパリ言います。
「大学受験の本番までに力をつけておけばよいので、小中学生の時の成績で『医学部は無理』とあきらめないでください」と続けます。

田尻学院長が今まで出会ってきた受験生の例を聞いてみると、底辺と言われる高校を1年で中退した人が医学部受験を決意し、高卒認定試験に合格後、1年で医学部に合格できた例もあるそうです。また、中卒でまったく高校へ通わなかったプロゴルファー志望者が医師志望に方向転換後、高卒認定を取り、予備校に通い2年で医学部合格したことも。

「本人の強い気持ちがあれば、誰でも医学部を目指すことはできます。学力以上に大切なのは、医者になって人の役に立ちたいという本人の強い気持ち」だと教えてくれました。

◆サラリーマン家庭でも医学部進学はできるのか

次に気になるのは、お金のこと。医学部はお金がかかるので、やはりお金持ちのご家庭でなければ医学部は目指せないのでしょうか。聞いてみると、「気にされているのは特に入学初年度の学費かと思いますが、私立でも300万円という大学から1200万円という大学まであります」と、いくつかの大学医学部の学費一覧表を見せてくださいました。「サラリーマンのご家庭も受験されています。中には、祖父母の援助や奨学金を活用される例もよく聞きますね」とのこと。

奨学金にはさまざまなタイプがあるそうです。たとえば順天堂大学・杏林大学・東京慈恵医科大学では『東京都特別枠入学試験』を合格した方に、東京都から学費全額のみならず10万円/月の生活費までもが貸与される制度が導入されています。意外なことに、倍率はそこまで高くないとのこと。チェックして損はなさそうです。

◆大学選びはここを見よう!

田尻友久学院長2

そして学校選びのポイントについても聞いてみました。実際に医学部を目指すとなったとき、数ある中から、どのように大学を選ぶのでしょうか。
この疑問に対し田尻学院長は、「医学部にはモデルコアカリキュラムというものがあり、日本中どこの医学部にも教える内容に大きな差異はない」と。「国公立と私立との違いについては、前者は研究者の育成にも力を入れ、後者は臨床医の育成がメインという点」とのことです。

医師国家試験合格率をどう参考にすればよいのか尋ねると、「特に見てほしいのは、既卒を差し引いた新卒のみの合格率。あとは、その大学の留年率です」とより詳しいポイントを説明してくださいました。

これまで、「医学部に興味はあるけどうちの子は無理かも…」と考えられていたお母さま方にとって、田尻学院長のお話は心強い内容だったのではないでしょうか。次回も引き続き田尻学院長に、医学部を目指すご家庭のお母さまへ、より具体的なアドバイスをいただきます。お楽しみに!