中受と違う!? 大受における親の心構えとは:大学リサーチ第8回
中受と違う!? 大受における親の心構えとは2014年7月28日
inter-edu’s eye
「大学受験のとき、親はどういう心構えでいればいいの?」という疑問をもったことのあるお母さまは多いのではないでしょうか。そこでインターエデュは、実際に大学受験を控えた保護者の方がどのように行動されるのか、またそのために今からするべきことはないかヒントを得るため、ある大学イベントの『保護者向け講演会』に参加してきました…
講師プロフィール
河合塾自由が丘現役館
館長
河崎力さん
■保護者向け講演会に立ち見殺到!
参加したのは、株式会社フロムページが主催する『夢ナビライブ2014(東京会場)』。国公私立大学208校が集まる合同進学ガイダンスです。バリエーション豊富な学問の講義ライブを最大の特長としており、高校生にとっては、学問や大学との絶好の出会いの場。今年の参加者は過去最高の36,679名を記録しました。
そのなかでも、とくに増えているのが、保護者の参加です。インターエデュが目当てにしていた『保護者向け講演会』は、立ち見が数十名出るくらいの大盛況。大受に対する保護者の意識の高さがうかがえます。そんな熱気あふれる空間で、河合塾自由が丘現役館館長の河崎力さんが話す「大学選びのポイントと親の心構え」について聴講しました。
■有名塾館長が話す! 親の心構えとは
大受に対する親の気持ちの変化って?
講演会は、近年の大学入試の概況から始まりました。1990年に509校だった大学の数は、2013年には770校にまで増加。これまでの大学選びは、「何を学びたいか考え、学ぶにはどこの学部・学科がよいのか調べ、入口に関する情報を中心に大学を選択」というシンプルな流れでしたが、学部名称や入試の多様化・複雑化により一筋縄ではいかなくなっているとのことです。
「学部系統の人気は、社会的背景が大きく影響する時代です。たとえばリーマンショックが起こった年から資格系学部や理系学部の人気が上昇しました。社会の動きに関心をもって、どれほどアンテナを張れるかが重要です」と、河崎さん。「大学進学率の上昇により、『どこに行くか』より『何をするか』を考えなくてはなりません」など、近年の大学入試の特徴を話されました。
では、大学入試の変化により、親のかかわりはどのように変わったのでしょうか。河崎さんによれば、「20年前は子どもにまかせるというスタンスだったのが、今は直接的サポートを望む親が増えています」とのこと。「しかしながら現実は、間接的サポートにとどめるべきです」とつけ加えます。「今の子どもたちは、大学受験を自分の問題として受け止めていない傾向にあります。でも実際に大学へ行くのは本人。親は伴走をするのではなく、うしろから見ていてあげるべきなのです」
受験生が親に求める行動って?
河崎さんは実際に、受験を終えた生徒たちにこんな質問をしてみたそうです、「保護者からの対応でうれしかったことは何?」。すると「毎日勉強していることに関しての努力をほめられたこと」「息抜きをしたいときに、話し相手になってくれたこと」などの回答があったとのこと。逆につらかったことも聞いてみると、「保護者の友人から聞いた話やうわさ、誤った情報を言ってくる」「夜食をつくるの、がんばるね! の一言」など、よかれと思ってした行動があだとなるパターンがあるようでした。それらをふまえ、河崎さんが「親の心構え」として挙げられたのは以下のとおりです。
<学習面>
- ・あら探しをしない
- ・とにかくほめる
- ・できる限り口出しをしない
<生活面>
- ・日常と同じ雰囲気をつくる
- ・特別あつかいをしない
- ・食事はいつもと同じにする
- ・聞き役に徹する
<その他>
- ・正しい情報を集める
- ・情報は集めても、最後はお子さまが判断
- ・止まり木、安らぎ、としての家庭
- ・困ったら、先生・塾などにご相談を
「大切なのは、受験生だからといって特別な対応をしないことです。『ありのままで』というスタンスが一番!」と河崎さんは強調し、講演会を締めました。
■今のうちからしておきたいこと
インターエデュをご覧のお母さま方のなかには、「うちの子は小学生だし、大学受験のことはまだ…」という方もいらっしゃるかもしれません。中学受験では、まだまだ親の伴走が必要なので、なおのことそう感じるでしょう。ですが、河崎さんがおっしゃるように、大学受験では「うしろから見てあげる」ということが大切なのです。中学受験でうまくいっていた親子のやり取りが、大学受験ではマイナスに働くことも。今のうちから意識しておかず、その時期になって、うまく切り替えられますか?
機会があれば、一度でもこうした合同進学ガイダンスや保護者向け講演会に足を運んでみてはいかがでしょうか。大学受験のことも見据えた情報収集をすることで、逆算して親子ともにゆっくり進路選択や受験準備ができるはず。お子さまへの接し方も幅が広がり、お母さま自身も心の余裕ができるのではないでしょうか。
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