箱根駅伝2015! 優勝大学から学ぶ中受伴走のヒント:大学リサーチ第19回

箱根駅伝2015! 優勝大学から学ぶ中受伴走のヒント2015年1月13日

inter-edu’s eye

毎年、お正月気分を盛り上げてくれる箱根駅伝。今年も各大学の選手たちは、走ることを通して、たくさんの感動と興奮を届けてくれました。そして、その舞台裏を支えるのが、監督の存在です。よく考えると、選手と監督の関係は、中受親子の関係と通ずるものがありませんか? 今回は、優勝した青山学院大学に関するニュースから、中受を伴走するお父さま、お母さまにとって教育のヒントとなりそうな情報をリサーチしました。

■インターエデュが箱根駅伝2015を振り返る

インターエデュが箱根駅伝2015を振り返る

まず、エデュママ的に気になるのは、お子さまの志望大学の活躍でしょう。箱根駅伝に心を動かされたお子さまが、「将来、選手として出場を目指したい」「大学在学中に同級生の応援を経験したい」など、思いを抱くかもしれません。
そこで、インターエデュは、主な有名難関大学の今年の活躍と、10年前の状況を追ってみました。

表1. 2015年主な有名難関大学の箱根駅伝成績 ※かっこ内は10年前(2005年)の成績

予選会 本大会
東京大学 31位(22位) ×(×)
早稲田大学 シード権(1位) 5位(11位)
慶應義塾大学 32位(20位) ×(×)
上智大学 47位(×) ×(×)
東京理科大学 44位(25位) ×(×)
学習院大学 40位(27位) ×(×)
明治大学 シード権(3位) 4位(18位)
青山学院大学 シード権(16位) 1位(×)
立教大学 28位(26位) ×(×)
中央大学 7位(シード権) 19位(4位)
法政大学 12位(シード権) ×(8位)

箱根駅伝は、前年の本大会でシード権を獲得、もしくは予選会に出場して10位以内に入ると本大会出場が決まります。表1の通り、東大・早慶上理・GMARCHの本大会出場状況は、10年前と今年でそう大きくは変わっていません。ただし、青山学院大学の躍進については、一目瞭然でしょう。これには、何か秘密がありそうです。

■青山学院大学が優勝するまで

今年優勝した青山学院大学は、現在の監督である原晋さんが2004年に就任するまで、約30年に渡り、本大会に出場できないでいました。就任にあたっては、自ら同大学にプレゼン。「5年で出場、7年でシード、10年で優勝争い」という宣言通り、2008年に久しぶりの本大会出場を果たし、次いでシード権を獲得。そして、就任から11年をかけ、今年の優勝まで上りつめてきたのです。

原監督は、今年の大会に「ワクワク大作戦」を掲げ、たびたびその言葉を口にされていました。大会後の祝勝会でも、第一声、観衆に「ワクワクしましたか?」と語りかけ、「ワクワクした」という声を集めていました。各メディアは、大会中の選手の表情に笑顔が多かったことを伝えています。青山学院公認Youtubeチャンネルでは、8区で区間賞を獲得した高橋宗司選手が「原監督から『楽しく走れよ』と言われたことがきっかけで、走ることが楽しくなった」と、自身の変化を語っています。

このように、目標に向けて頑張るときに、ワクワクしたり楽しんだりする気持ちがとても大切であることが分かります。それは、「受験」においても同様のことが言えるのではないでしょうか。

■中受を伴走するためのヒント

中受を伴走するためのヒント

受験に役立ちそうな伴走のヒントは、「ワクワク大作戦」だけではありません。Nikkansports.com(2015年1月4日付)によると、原監督は選手たちに目標とその理由、達成率を書いた「目標管理シート」の提出を課していたとのこと。また、その目標を達成するための夢を熱く語ったといいます。これは、中学受験に向けて目標を明確にし、その先にどんな素敵な未来があるのかをイメージさせることに類似するのではないでしょうか。やみくもに勉強をやらせるのではなく、「なぜ、やるのか」を意識させ、お子さまが自ら動きだすよう導くのが大切です。

中受を伴走するためのヒント
  • ・ワクワクしたり楽しんだりさせる
  • ・目標を紙に書いて明確にさせる
  • ・「なぜやるのか」を意識させる

もちろん、必ずしも駅伝と子育てに相関関係があるというわけではありません。ただ、成功者の声から学び得られるものはあるでしょう。スポーツ報知(2015年1月3日付)によれば、原監督は「自分に子どもがいない分、選手が子どもみたいなもの」と語ったとのこと。目標に向けて子を動かす手法を、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。