一歩抜きんでる人材を目指す、大学院進学という選択肢:大学リサーチ第25回

一歩抜きんでる人材を目指す、大学院進学という選択肢2015年4月13日

inter-edu’s eye

中高一貫校に入学すると次に待っているのは大学入試です。無事合格し、入学し卒業して就職する道もありますが、「大学院」に進むという進路をとることもできます。では大学院とはどういう所で通うメリットはどのあたりなのでしょうか。エデュ目線でリサーチしてみました。

■高度な専門職に就くには大学院は必須?

高度な専門職に就くには大学院は必須?

エデュママがお子さまに将来なってほしい職業として挙がってくる、技術系専門職、学者・博士になるには大学院進学は必須といえます。今までは大学院は大学を卒業した人が、さらに専門的な研究を行う「研究者養成の場」でした。

しかし2003年度以降に設立された「専門職大学院」は高度で専門的な職業人育成を目的としています。専門職大学院の代表的なものとしては、法科大学院、会計大学院、MBA大学院、医療・公衆衛生系大学院、看護・福祉系大学院など幅広くあります。とくに近年は職業も細分化され、企業ではより高度な知識・技術が求められていますので、需要は高いといえます

大学の数が全国で781に対し、大学院を設置している学校は623ですので、多くの学校が大学院を設置していることがわかります。学費は図1を見ると通信制大学院や公立大学院が若干安めになっていますが、専門職大学院は少し高めになっています。 大学院に入るには試験を受けますが、近年は大学院の受験資格が緩和されています。入試の種類としては「一般入試、社会人入試、AO入試、推薦入試、大卒でない人の大学院受験」があり自分に合った試験方法で入ることができます。

大学院の種類 初年度学費(入学金、授業料・施設費など)
国立大学大学院 82万円
公立大学大学院 70~100万円
私立大学大学院(文系) 80~180万円
私立大学大学院(理系) 100~180万円
私立 専門職大学院(法科大学院除く) 70~260万円
法科大学院(私立) 90~200万円
通信制大学院 60~100万円

出典元:大学院進学情報サイト 大学院へ行こう!「学び続けられる環境づくり(お金編)」

■大学院進学の魅力は自由度の高さ

理系の大学では大学院進学を推奨する所も多いですが、文系では一握りの人が教員や海外進学をするだけなので珍しいといえます。今回文系大学から理系大学院進学をした方にお話しをうかがってみました。

『私はもともと文系でITの知識を深めたいと思い大学院進学を選択しました。でも実は大学院進学を志したのは小学生の頃からでした。母が「大学院は自分の好きなことを勉強する所」という言葉に影響され、私も自分の好きなことを勉強したいと思いました。大学を選ぶ時も偏差値で選ぶのではなく、自分が研究したいことが何かを考えました。

自分なりに調べ、最終的に大学に入って卒業するときに研究室の先生につくことを知りました。では実際に自分のつきたい先生はいるのかを調べ、理系出身の文系を教えている方を見つけました。入学後は学年が上がるごとに興味の範囲が広がりましたが、主軸はずらさないようにしました。ただ誤解されがちですが、大学院進学する際に聞かれる志望動機では専門技術を深めたいからでは弱いですね。研究の方向性や学んだ結果それをどう生かせるかが問われます。』

■就職まで意識した場合、幅広い能力が必要

就職まで意識した場合、幅広い能力が必要

大学院は大学と違い競争が激しい世界でもあります。とくに近年は職業も多様化し、より良い企業や研究所に入るには「理系の専門知識と文系のコミュニケーション力を兼ね備えた人材」が求められる傾向にあります。つまり特定の分野に特化しているだけでは不十分ということになります。

では小学生のうちからできることは何でしょうか?それは「興味のある分野を限定しないこと」です。いろいろなものに触れ、関心を高めていけば、大学院卒業後も文系か理系かと限定せず活躍することができます。小学生のうちは行動範囲も限られていますので、保護者の方が意識していろいろな経験をさせてあげるといいのではないでしょうか?