リケジョ、ドボジョ!なぜ○○ジョはこんなに注目される?:大学リサーチ第29回

大学リサーチ
2015年6月8日

リケジョ、ドボジョ!なぜ○○ジョはこんなに注目される?

inter-edu’s eye
女性の進出が各分野で著しい昨今、とくにリケジョは今や理系の女子を指す言葉として定着を見せています。しかし、本当に世間で言われているほど理系の女子は増えているのでしょうか?今回はなぜこれほど「○○ジョ」が注目されているのかを独自の視点でリサーチしてきました。

10年前と比べリケジョは意外と増えていない?

リケジョは増えていない

近年テレビやインターネットで「○○ジョ」という言葉をよく目にするのではないでしょうか。代表的なものはリケジョ(理系分野に興味がある女性のこと)ですが、それ以外にもドボジョ(土木系の仕事分野で活躍する女性)、ノケジョ(農学系の学問を専攻している女子学生)、学問とは別ですがスージョ(相撲が好きな女性)などもあります。

これら以外にも「○○女子」など女性が注目されることは日常的でもよく見られます。これらに共通している傾向は、今まで男性が主体であった分野に、女性が進出してきているという点です。

しかしエデュママの中にはマスコミが取り上げているだけで実際には、それほど進出していないのではと考える方も多いのではないでしょうか?

今回は「○○ジョ」の代表ともいえるリケジョに注目して見ていきましょう。
まず文部科学省「学校基本調査 関係学科別 学生数」の推移ですが、平成16年度の理学科の女性の人数は22,554人・工学科が46,725人、対して平成26年度は理学科21,309人、工学科が50,275人となっています。この数値を見ると理学科は10年前と比べて人数に大きな変化がないことが分かります。工学科は、10年前より人数自体は増えていますが、何倍にも増えているわけではありません。

世間でリケジョといわれているので、昔と比べて、勉強する人数も増えたのでは?と思った方もいるかもしれませんが、これは意外な結果といえます。では次になぜ世間的にリケジョが注目されているのかを見ていきましょう。

研究分野では女性の視点は必須?

皆さまもご経験があると思いますが、世の中にはもっとこうなると便利になるというものが多数あります。とくに商品は女性の視点から見た、アイデアをもとに作ったものがヒットすることが日常でもよく見られます。近年では車の開発にも携わっています。

これは、従来男性主体であった理系の研究分野で、女性しか持てない視点を取り入れることにより、生み出されるものです。

しかし、まだまだ女性研究者の割合は海外と比べて少ないのが現状です。アメリカ34.3%、フランス26.9%、日本は13.6%なので、これからに期待したいところです。

リケジョを育てる環境は十分にある?

育てる環境

一般的に女性は文系、男性は理系が多いというイメージがありますが、先ほど述べた通り、女性ならではの視点はこれから日本が発展するためには必要不可欠といえます。

これを受け、近年では高等学校等において、先進的な理科教育を実施することを目標にした「スーパーサイエンスハイスクール」というものがあります。これは文部科学省が科学技術や理科・数学教育を重点的に行う高校を指定する制度のことです。指定校の中には共学校だけでなく男子校・女子校も存在し、全国的に指定を受けています。

理系が好きになるきっかけとして実験がありますが、女子校であれば必然的に女子が実験をするので、興味を持つきっかけになります。共学校の場合は男子任せにしてしまう女子生徒も少なくないので、メリットは大きいといえます。もしお子さまが小学生のうちから理科の実験が好き、理系科目の方が得意などの傾向があるようでしたら、理系重視の女子校を選択するのもいいのではないでしょうか。

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