37年ぶりに医学部新設!大学は社会の鑑?:大学リサーチ第37回

大学リサーチ
2016年1月12日

37年ぶりに医学部新設!大学は社会の鑑?

inter-edu’s eye
今年の4月、37年ぶりに医学部が新設されます。またこれに限らず、毎年大学では学部・学科の新設が行われています。その背景には一体何があるのでしょうか? 今回の大学リサーチでは新設学部・学科について見ていきましょう。

医学部設置は特例?

東北薬科大学

東北薬科大学(2016年4月から東北医科薬科大学に名称変更)に、医学部が新設されます。大学の学部・学科新設は毎年行われているのに、何がすごいの?と思われるかもしれませんが、医学部の新設は琉球大学以来37年ぶりだからです。

この大学は、元々薬剤師などを輩出するために作られた大学でしたが、東日本大震災における津波の被害により、人口過疎地区や医師不足で困っている地区の医療を担う人材の育成を目的に医学部を設置します。
学べる内容としても、災害医療や地域医療などに特化し、先進医療を学ぶことができます。
実はこの東北薬科大学に限らず、大学の学部・学科の新設は毎年行われています。では一体とくに目立つ新設の分野はどこなのでしょうか?

目立つのは看護分野だけではない

大学の学部というと、文系であれば文学部・法学部・経済学部、理系なら工学部・理学部・薬学部などが一般的でしたが、近年は聞いても何を勉強するの?と思う学部も増えています。その中で、就職難と高齢化に伴う医療系人材のニーズ拡大を背景に現在も新設が続いているのが、看護学部・学科です。

2016年度は看護分野だけでも、八戸学院大学、東京医療学院大学、健康科学大学、修文大学、姫路獨協大学に新しく看護学科が誕生します。その数は全国の大学数779大学のうち、240以上と約3分の1となっており、そのニーズの高さがうかがえます。

新設の学部だと、教育の質に疑問を抱く方もいるかもしれません。しかし新設学科の場合、他学部で長年培ってきた知識・技術を利用したり、看護系であれば病院や施設の協力があるので、その心配はありません

ただ、その反面卒業生がいないので、大学の出口である就職実績がどうなのかという部分は確かに見えずらくなってしまいます。その不安を解決するためには、オープンキャンパスや学校見学に参加し、疑問点を聞いてみるといいでしょう。

またグローバル化に伴い、国際系学部の設置も目立ちます。少し前ですと、留学を売りにしている大学が見られましたが、近年は授業自体を英語のみで行ったり、秋田国際教養大学のように、徹底した少人数教育で、グローバル人材の育成に努めている所もあります。また、地元を活性化するために地域密着型の地域デザイン学部なども増えています。

お子さまが新設の学部・学科に通いたいと行ったら?

新設学部・学科

もしお子さまが、名前を聞いてもピンと来ない学部・学科に通いたいと言ったらどうしますか? 中には一方的に「そんな所に通うのはやめてほしい」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。ただ、そんなときにはまず、一緒に何が学べるのか調べたり、なぜそこに通いたいのかをしっかり聞いてあげましょう。

よくよく調べてみると、名前から想像していたものと学びの内容が全然違ったということがあるかもしれません。
とくに新設の場合は、特徴的なカリキュラムを組んでいたり、独自の教育を売りにしている場合がほとんどです。

重要なことは「英語を学ぶなら外国語学部・英語学科」という固定観念ではなく、お子さまがやりたいこと、目指すことを聞き、最適なところを一緒にみつけることではないでしょうか

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