優秀な学生が集まる東大も、女子学生集めに苦戦? 第49回

inter-edu’s eye
「東大が女子学生に家賃補助」。このニュースに驚いた方も多いのではないでしょうか。インターエデュの掲示板でも賛否両論のこの話題。なぜ女子学生を優遇するのか、そもそも今の女子学生の割合はなど色々リサーチしてきました。

“東大が女子学生に家賃補助”の真意は?

東京大学

少子化が進む現代。学費補助、就職までの手厚いサポート、独自性の高い教育などをアピールして各大学が学生を集めています。

そんななか、東大が発表した、「2017年入学生から女子学生に限り、1・2年生が通う駒場キャンパスまでの通学時間が90分以上の場合、キャンパスの近くに住まい確保とともに月額3万円を支援する」という内容は、掲示板でも様々な意見が交わされています。

そもそもこのようなことをする背景の一つには、東大が「2020年までに女子学生比率を30%に」という目標を掲げていることがあります。この30%という数値、高いのか低いのか分かりにくいと思うので、他の有名国立大学の女子占有率とともに、数値を見ていきましょう。

有名国立大学の女子占有率

大学名 女子の占有率
大阪大学 35%
名古屋大学 31%
九州大学 29%
北海道大学 28%
東北大学 24%
京都大学 22%
東京大学 19%

参考:厚生労働省「東京大学における男女共同参画の取組み」

東大は上記の表の通り、国立大学のなかでは、女子の占有率が低くなっています。ちなみに過去のデータでは、最も高い04年でも21%。最難関といわれている東大なので、もちろん合格するのが難しいという面もありますが、ここまで大きな差がある背景には一体何が影響しているのでしょうか?

女子学生はどこに行ってしまうの?

そこで、東大を目指せる素養をもった女子学生がどのような進学をしているのか、いくつかの仮説を立ててみました。

地方の女子学生は地元の国立大学へ

東大レベルの大学を目指す女子学生は、地方国立大学の「地域枠」や自治体修学資金・奨学金を利用し、高収入かつ就職に困らない、医師や医療系の職業を目指すケースがあります。

東京に出て、高い家賃を払うのは経済的な負担が大きく、家賃は安いが都心から離れたアパートから数時間かけて大学に通うのは、心身への負担が大きくなりがちです。これよりも、医学部への進学実績が高い地元の私立中高一貫校に入り、地元の医学部を目指し、医者になり地元の病院へそのまま就職するという道の方が、学費や諸経費も押さえることができます。

東京都近辺の女子学生はアピール上手な私大へ

近年は各私立大学、優秀な女子学生に入学してほしいという思いから、都心へのキャンパス新設や、リケジョに代表される新しい女性の活躍の場のアピールなどを武器にしています。この影響で、新たな選択肢が増え、私大へ流れるケースも多いと思われます。

私立大学医学部が魅力的にうつる

医学部受験の勝負は○○からはじまっている? 第46回でもご紹介した通り、私立大学の実質倍率も上がっています。37年ぶりに医学部が新設された東北医科薬科大学などが追い風になっています。これは女子学生に限った話ではありませんが、国立大学ではなく、私立大学医学部への進学も考える学生も、今後さらに増えてくるでしょう。

東大は今後女子学生を増やせるのか?

大学選び

結論からいうと、すぐに数値を上げるのは難しいかもしれません。これは東大に限った話ではありませんが、なぜなら前段で紹介した通り、女子学生の選択肢が増えたからです。
しかし東大が持つ独自の「学生の多様性」「研究力」「入学後でも好きな学問を学べる進振制度」などは唯一無二のアピールポイントといえます。

最後に、エデュで現役東大生女子を持つお母さまに、「お母さまが娘さんを見ていて感じる東大の魅力は何ですか?」とお聞きしたときの答えをご紹介します。

“娘は中学生のときに、国連やJICAに興味があって。でもその話を中学校でしても、周りには伝わらなかったそうなんです。東大に入ってからは、同じような興味を持つ友達ができて、毎日楽しそうです。正直それまでは、東大には勉強ばかりしてきた偏った人が多いのかと思っていたのですが、それは誤解でした。”

優秀なお子さまを持つお母さま、もしかするとお嬢様も、日々もやもやしているかもしれません。「東大は難しいし、ちょっと…」と思わずに、チャレンジさせてみてはいかがでしょうか?


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