特集第7回「留学制度について」:大学受験情報

inter-edu’s eye国際化の進む現代、海外に対する若者の意識は高まる一方です。「英語を話したい」「日本の魅力を海外に伝えたい」と言い出すお子さまも多いのではないでしょうか。そこで気になるのは、大学の留学制度。大学選びの参考になるよう、留学にどのような種類があるのか、またどのような期待ができるのか、お母さま方もぜひ知っておいてください。

留学に期待できること

大学の就職状況について

まず、大学で留学経験をすることで、どのようなことが期待できるのでしょうか。平成23年度、独立行政法人日本学生支援機構が留学経験者に対して行った調査によると、「留学が現在の仕事に役立っている」と答えた人は全体の半数以上。「今後の人生に役立つ」と答えた人は全体の9割以上であることがわかりました。大学生活の良き経験として楽しむばかりでなく、卒業後の将来に役立つことが期待できそうです。

協定・認定留学と私費留学

大学には、さまざまな留学制度が用意されています。詳細は大学ごとに異なりますが、制度としては大きく2種類に分けられるでしょう。一つは、大学が海外の大学と協定を結び、おたがいに留学生を派遣する「協定留学」。もう一つは、日本の大学に在籍しながら、学生本人が留学斡旋会社や個人で見つけた留学先に行く「認定留学」です。これらと、大学とは無関係で留学する「私費留学」とのおおまかな違いを、下記にまとめました。

  協定留学 認定留学 私費留学
留学先 大学と協定を結んでいる学校の中から選ぶことができる。 大学で決められた条件を満たしていれば、好きな留学先を選ぶことができる。 好きな留学先を選ぶことができる。
留学中の
学籍
留学中も正規課程と見なされ、留学先での取得単位は在籍している大学の単位に換算される。 留学中も正規課程と見なされ、留学先での取得単位は在籍している大学の単位に換算される場合が多い。 留学中は正規課程と見なされず、休学などの手続きを要する。休学期間の分、卒業の時期がずれる。
留学中の
取得単位
一部自己負担である場合が多い。 全額自己負担である場合が多い。 全額自己負担
留学中の
学費
在籍している大学もしくは留学先のどちらか一方の学費を支払う場合が多い。 在籍している大学および留学先の学費両方を支払う場合が多いが、一部免除の場合もある。 全額自己負担

海外インターンシップ

キャリア教育の義務化

「大学で海外に行く」という観点では、「海外インターンシップ」に参加するという手段もあります。「海外インターンシップ」とは、自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を海外で行うものです。語学を学び、現地の文化に触れるだけでなく、将来的にグローバルな活躍が期待できる貴重な経験となるでしょう。下記のとおり、すべての大学が実施しているわけではありません。志望している大学に制度があるのか、調べてみることをおすすめします。

◆海外インターンシップの実施状況(実施校数、実施率及び参加学生数)

実施校数 実施率 参加学生数
153校 20.5% 2,023人

※「大学等における平成23年度のインターンシップ実施状況について」(文部科学省)より抜粋
※単位認定を行う授業科目として実施された海外インターンシップのみを調査対象
※全国公私立大学748校に調査

海外大学進学という選択

また、海外で学びたいなら国内の大学から海外留学するということの他にも海外大学へ進学するという選択肢もあります。海外大への進学について3月号で特集を行っているducare編集部に話を聞いてみました。

【海外大学の入試選考方法について】
アメリカの大学に進学する場合、受験の仕組み、出願方法をしっかり押さえておく必要があります。選考方法は日本の大学と違い一斉テストのような試験ではなく、ほとんどの大学が書類選考です。選考には、SATなど学力テストの成績証明と語学力を証明するTOEFLなどのスコア、エッセイ(志願理由)、高校の先生からの推薦状などが必要です。ただし、科目や地域によって試験を受けることもあります。
日経ムック「ducare」 プロデューサー石川正道

大特集は「小学生の英語事情」。小学校の英語教科化、センター入試改革、経済社会のグローバル化などの影響から、早期の英語教育を意識する保護者が増えています。
英語学習は、日常英会話、受験、検定などそれぞれの学習法が存在します。そのため、英語習得レベルの目標設定、英語学習をはじめ方、英語力の伸ばし方など、何をどのような順番で学習するか迷われている親御さんは多いのではないでしょうか。
ありがちな話ですが、とりあえず子どもが興味を持ちそうなキャラクター入りの英語教材を購入した、CMで有名な英会話教室に通わせるなど、何も目標設定しないまま英語学習をはじめたものの、本当に身に付いているか学習効果に疑問を感じた親御さんは多いと思います。

そこでducare編集部では、英語教育に力を入れる小中学校、英語教室の現場、専門家に徹底取材して英語教育の実態を調査しました。そこから見えてきた年齢別の習得レベル、各検定英語の特徴、教育現場で試行錯誤を繰り返し導き出された学習法など、わが子に最適な英語教育法を大公開します。
英語初心者の親御さん向けに「今後、小中学校の英語教育はどうように変わるか」「英語学習の目標設定の考え方」「受験、検定など目的別学習法」絶対に押さえておきたい重要なポイントをわかり易くまとめました。また、海外大学の進学、TOEFL Junior®、TOEIC Bridge®、GTECなど英語検定の比較紹介、中学受験と両立する方法、短期留学、国内英語キャンプ情報など、最新の英語教育の特集が満載です。

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以上のように、一言で「留学」と言っても種類によってさまざま。留学先や費用面ももちろんですが、卒業のタイミングにまで影響する場合があるので、お母さまも十分に理解しておく必要があるでしょう。海外での事件も増えている昨今、お子さまが調べ切れていない情報を、お母さまが先回りしてあげることも大切かもしれません。