【帝京大学小学校】理科は体験が大切!最先端の授業に学ぶレゴ学習の効果とは?
前回、電子黒板を使った授業や最先端の授業を研究する「授業研究センター」など、“日本一の学校”を目指す教育の取り組みを紹介した帝京大学小学校。
その帝京大学小学校で、3月5日、特色のある教育実践研究発表会(私学助成研究)が行われました。当日は、約50人もの先生が研究発表を学びに集まったそうです。
今回の研究発表の注目ポイントは、理科。
理科の先生でもある副校長の太田由紀夫先生に、お話をうかがいました。
実は、生活科が始まったことで、低学年は理科の授業がなくなっただけでなく、昔は扱われていたばねや滑車、光、音などのエネルギー科学は学習指導要領から外れてしまっているそうです。しかし、中学受験の入試問題では、学校で習わなくなったことも出題されるため、かつてのような理科の授業を復活させたいという想いから、カリキュラムを作成しているとお話しくださった太田先生。
その理科のカリキュラム、レゴを使った授業の「ロボキッズサイエンス」、植物の仕組みやエネルギー科学について学ぶ「理科の発展学習」の2つを紹介します。
■レゴは遊びじゃない!「ロボキッズサイエンス」
レゴを組み立てることで科学的原理を学び、さらに高学年では自分でプログラミングができるレゴのロボット(マインドストーム)を使ってプログラミング学習まで行うカリキュラムとのこと。
知育玩具として人気の高いレゴですが、レゴの学習効果とはどのようなところにあるのでしょうか。太田先生にうかがいました。
「レゴの学習効果は、子どもが自然に体感して原理を学ぶことです。 “できる”という体験をしておくと、知識としての理解が深まります。今、理科は体験の不足が問題になっています。レゴをはじめ、理科は体験が重要です。レゴは遊びだと思っている方もいらっしゃいますが、こうしたお話をすると、理解していただけますね。」
また、レゴは自由な発想の組み合わせができるため、子どもの想像力を育てる効果もあるとお話くださいました。
■懐かしいあの遊びが知識につながる!「理科の発展学習」
体験を通して学んでいくカリキュラムになっている理科の発展学習。宿泊学習など、自然や社会とふれあうさまざまな体験学習を行っている、帝京大学小学校らしいカリキュラムといえます。
「低学年でやらなくなってしまった、花の色で遊ぶことなどを取り入れています。昔は、花や葉っぱをこすった色水で遊んだりしたと思いますが、こういう体験を低学年でしておくことが、後の酸とアルカリの授業につながり、知識が身につくのです。生活科で理科的な体験を取り入れている学校もありますが、小さいころから体験ができていないと、3年生からの理科の授業が難しくなってしまうという問題があります。」と太田先生。
さらに、授業では、図工の先生から工作のアイデアをもらったり、算数の先生から中学受験で出題されている問題をもらったりと、他の教科との連携が行われているそうです。
■“どの先生も理科が得意”を目指す教師の教育
今回の研究発表会に参加した先生からは、「昔の理科の授業が復活して、新鮮に感じた」、「レゴを通して体験を積むことは効果的」といった感想が寄せられたそうです。
最後に今後の展望を太田先生にうかがったところ、「高学年のロボットのプログラミングは、先生自身もできなくてはなりません。だから、どの先生も子どもたちに理科を教えられるようになって欲しいです。学校の設備と授業内容が釣り合い、帝京大学小学校の先生方は、どの先生も理科が得意ですねと、言われるようになりたいですね。」と答えてくださいました。
現在でも、すでに国語の先生がプログラミングを教えられるようになっているとか。先生方の教育にかける熱意が伝わってきました。
★帝京大学小学校 第1回 オープンスクール・学校説明会
5月9日(土) 9:30~12:00
体験授業「英語でレゴをつくろう」 定員:20名
※参加には事前申し込みが必要です。
■学校説明会/オープンスクールの詳しい内容を見る
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