eduスタッフ訪問記

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【佐藤ママ講演会レポ 前編】「東大理IIIが賢いわけではない」3兄弟を東大に合格させた佐藤ママが教える勉強法

わが子の成績が伸び悩むと、ついついイライラしてあたってしまうことがありますよね。
しかし、3兄弟を灘から東大理IIIへ導いた佐藤ママこと佐藤亮子さんは、旅は道連れというように受験も道連れがいれば楽になるので、母親は子どもの手を握ってしっかり導いてあげることが大切だと話します。

私たち母親は、どのように子どもを導けばよいのでしょう。

昨年、朝日新聞東京本社で行われた講演会「東大理III 3兄弟を育てた佐藤ママに100問100答 ~ 難関校に合格させる親の心構え」で、佐藤ママは母親の心構えや子どもの成績を伸ばす方法などを、会場を訪れたママたちに語りました。

今回はその中から、編集部の心に響いた、エデュママの為になるトピックスをお届けしたいと思います。

佐藤ママこと佐藤亮子さん。

佐藤ママこと佐藤亮子さん。

 

■量が質になるまで勉強しなければならない

子どもの成績が伸び悩んでしまうのは、なぜなのでしょうか。

これに対し、佐藤ママは「成績が上がらないのは、やる量が少ないから。量が質になるまで勉強しなければなりません。」と一喝。残された時間を分単位に直せば、時間がないことが分かり、人生をかけている時はテレビもゲームも我慢することが大切だと説きました。

しかし、時間をうまく使うということでも、「要領よく質のよいものをちょっとやって、受かろうというのは間違いです。たくさんやって質を上げてはじめて通ります。」とのこと。

というのも、引き合いに出されたのは東大理科三類の難しさ。東大の中で最も難しいとされる理IIIですが、佐藤ママによれば「理IIIに受かった方が賢いわけではない」そうです。

理科一類は1100人の募集のため、間違えて順位が800番台に落ちたとしても合格できるけれど、理IIIは募集人員が100人のため、少し間違えただけでも、すぐに順位が落ちてしまうから、難しいだけだといいます。「募集人数が少ないところほど難しく、受験は1点でも取れなければ落ちます。」と佐藤ママ。

では、どのようにして確実に点数を伸ばしていけばよいのでしょうか。

 

■「惜しい」と思って見直すのが効果的

佐藤ママによれば、点数を上げるコツは、見直しの方法にあるそうです。

例えば、100点満点中65点だった時、35点を落としています。1問5点とすると、間違えた問題は7問。この時、間違えた問題すべてをきちんと見直すのではなく、あと少しで合っていた問題を2つ見つけ、その2つだけを見直すとよいと佐藤ママ。
「点数を取れるかもしれないので、惜しいと思って見直すのが効果的です。そうすれば次に活かせます。全部見直すと前に進まず、分からないものは分からないままになるのです。」と佐藤ママは語ります。

佐藤ママこと佐藤亮子さん

ただし、2つの問題を見直しても、すぐに点数は上がらないとのこと。惜しい問題を2つだけ見直すことを5回くらい繰り返した時、成績がパッと上がるそうです。成績は階段状に上がり、低迷期があるものだと話す佐藤ママ。

しかし、このサイクルを繰り返すことで、成績は徐々に上がり、85点にもなると、どんなテストでも65点には戻らないといいます。
そして、小学生はこのサイクルを繰り返すのが難しく、90点に上がるまで半年ほどはかかるそうですが、中断せずに続けることが重要になるそうです。

 

■やったことが子どもの自信につながる

やったことが子どもの自信につながると話す佐藤ママ。「自分を信じることはとても大事です。子どもたちが自分を信じて進められるように、フォローしてあげましょう。」と語ります。
そして、「点数が悪い時は手を離しそうになりますが、頑張れと言いましょう。合格まで子どもの手をしっかり握って、育てて欲しいです。」という言葉で、講演会は締めくくられました。

 

⇒【講演会レポ 後編】佐藤ママが語る母親の心構えはこちら

 

■『受験は母親が9割 灘→東大理IIIに3兄弟が合格!』(朝日新聞出版)