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受験に必要なすべての科目に通じる国語。しかし、演習問題をたくさんこなしているのに、なかなか成績が上がらないというお子さまもいらっしゃると思います。その理由は何だと考えていますか? 実は国語は、間違ったイメージを持たれている教科です。お子さまの“できない”を“できる”にする、正しい国語の勉強法をご紹介します。

御三家国語攻略のツボ

夏川 寛至 先生
今回お話をきいた先生

国語科 スーパードクター
夏川 寛至 先生

元早稲田アカデミーの講師。「NN開成 国語」の責任者を務め、御三家の国語に精通した国語のエキスパート。

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国語の誤解TOP3とは?

「国語は、文章読解の問題を解いているのに、読解力がつかないという声をよく聞きます。これは間違ったイメージを国語に持っているためです。国語ができない理由にされる、3つのよくある誤解があります。」とお話してくださった夏川先生。さっそく3つの誤解をチェックしてみましょう。

  • 誤解1
    本を
    ほとんど読まない

    本の虫でも国語ができない子をたくさん見てきました。逆に、ゲームの攻略本や漫画しか読まない子でも、正しい読み方、解き方ができる子もいます。つまり、読書量で国語の出来不出来は決まりません。

  • 誤解2
    ボキャブラリー
    が少ない

    いろいろな生徒を見ていますが、ほとんど差は感じません。御三家の記述問題は、普通の子どもが持っているボキャブラリーで解けます。知っている言葉を的確に引き出せるかどうかが重要になります。

  • 誤解3
    精神年齢
    幼いから物語
    読めない

    特に男の子のお母さまが口にすることが多い言葉です。経験がないものは読めないとなると、時代小説はお手上げですよね。精神年齢の低さは、疑似体験でカバーできます。

3つの誤解を徹底攻略!

  • 誤解1

    本をほとんど読まない

    読書好きのメリット・デメリットとは?

    読書好きは、活字慣れをしているので、長文でも途中で疲れない、自然に語彙が増す、読みのスピードが上がるなどのメリットがある一方で、デメリットもあるそうです。「文章問題を、読書と同じように自分の好きなように読んでしまうと、作者の意図を読み解けず、得点につながらないケースがあります。」と夏川先生。
    また、読書をする際は、未知のものを読むのが良いそう。「自分の考え方や価値感と違うものを読み下すのが読解力で、御三家攻略には必要な力です。ですから、御三家受験を考えているなら、幼いころから古典文学や外国の翻訳ものの文体を読み下す力を養う必要があります。」

  • 誤解2

    ボキャブラリーは少なくない!

    書き言葉をすぐに引き出せるようにするには?

    「日常会話で使っている言葉を、書き言葉にするのは難しいですよね。記述問題では、知っていても、普段使っていないため、言葉がすぐに出てこない子が多くいます。」という夏川先生。これには、意外なものの音読が効果的だそうです。
    普段使わない言葉をアウトプットしやすくする訓練として、解答例の音読が効果的です。記述問題の解答例は、知っているけれど日常生活では出てこない書き言葉がちりばめてあります。文字数の感覚も身につくので、どのくらい書けば何文字なのかも分かるようにもなります。」
    そして、音読をすることによって、間違えやすい「てにをは」の使い方も身につくそうです。ぜひ、お母さまも一緒に見て・聞いてあげてください

  • 誤解3

    精神年齢で合否は決まらない!

    物語の登場人物の心情を理解するには?

    人物の心情に迫る物語作品では、きょとんとする生徒がいるそうです。
    「例えば、悲しいのに笑顔でいる理由を、経験がないから理解できないという子もいます。そういう場合は、どうして笑顔だったのかを、言葉で教えていきます。親御さんも、うちの子は精神年齢が低いから解けないと思いがちですが、経験値で合否は決まりません。分からないことは疑似体験として教えてあげればよいのです。」と夏川先生は力強くお話ししてくださいました。

国語にみる学校の傾向

学校によって出題傾向が大きく異なる国語。御三家各学校の国語の攻略ポイントをまとめました。

開成中学・高等学校 記述問題は、字数指定の年と字数指定のない年とある。字数指定で解く練習を行い、書くべき要素をつかめるようになること。
麻布中学校・麻布高等学校 問題同士につながりがあり、ある問題の答えが別の問題につながることに気づけるかがポイント
武蔵高等学校中学校 記述問題はまとめようとせず、言葉を尽くした詳しい説明を書くように。近年は説明系の問題にも注意。
桜蔭中学校・高等学校 「他者との関わりによって自己を再認識」、「自然との共生」という桜蔭が好むテーマを意識した学習を。
女子学院中学校・高等学校 唯一記述を重視しておらず、選択問題だが、正確さとスピードが求められる。選択肢を絞る学習を。
雙葉中学校・高等学校 文学的な方面に傾いた出題傾向があり、特に頻出の比喩表現を意識して学習することが重要。

今回のまとめ

開成中学校の入試で、ひらながとカタカナの書き順の問題が出たこともあります。いい加減にやっていると、痛い目に合うことがありますよ。」と夏川先生。御三家国語攻略において、基礎になる知識はあって当たり前なのです。
家でまずやるべきことは、漢字と語句の知識の学習だそうです。
また、今回ご紹介した誤解されがちな3つのポイントをお母さまもしっかり押さえ、正しい学習法を身につけることが御三家国語の攻略において重要になります。

監修:受験ドクター

国語はお子さまによってつまずく部分が異なったり、解き方に特有の癖があったりします。集団塾ではなかなか一人ひとりのフォローができないため、お子さまの苦手部分を見抜く個別指導が成績を伸ばす近道です。そして、解き方が分かれば、短期間でグンと成績が上がるのも国語ならでは。伸び悩んでいるお子さまは、個別指導を検討してみてはいかがでしょうか?

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