最終更新:

586
Comment

【3801557】ミステリー(推理)小説のレビューをどうぞ

投稿者: アラフィフの読書   (ID:SZRj/VH51r6) 投稿日時:2015年 07月 23日 14:03

こんにちは。私はずっとテレビでワイド劇場などを楽しんできました。
山村美沙や西村京太郎シリーズなどです。

趣味が高じてしまい、最近になって、ミステリー(推理)小説を読み出しましたが、何を読もうかと迷ってしまいます。

皆さんが好きだった本をぜひとも教えて下さい!
ネタバレでも大歓迎です!!!
どうぞよろしくお願い致します。

返信する

管理者通知をする

マイブックマーク

「おすすめの本に戻る」

現在のページ: 36 / 74

  1. 【4174277】 投稿者: 海外の作品から  (ID:ShJBVoeR6pE) 投稿日時:2016年 07月 08日 21:21

    さら さま

    わけのわからない小説の紹介ばかりしていたので、お詫びを兼ねて、とっておきの小品を紹介します。ミステリーではありませんが、ご容赦を。

    Dear Life, by Alice Munro

    Munroは、60年以上短編のみを書き続けてきたカナダの女流作家で、Dear Lifeは、たぶん、彼女の最後の作品集になります。
    作者は、Dear Lifeを上梓し、引退宣言、その直後に、ノーベル文学賞を受賞しました(2013年)。

    極度に凝縮された、誌のような文体の作家で、その文章や単語の使い方は、多くのプロの尊敬を集めています。

    Dear Lifeは、第二次世界大戦中や戦後にカナダの田舎に暮らす女性に焦点を当てた14編の短編集で、さりげない日常が、ときに不気味に、ときに切なく、ほろ苦く、劇的に展開します。

    最後の4編は、作者の自伝的作品で、家族、特に母親とのぎこちない関係が描かれます。

    一作目、To Reach Japanと、日本がいきなりタイトルに出てきますが、作中に日本は出てきません。はるか遠くの世界の象徴でしょうか。

    ======
    お暇な方は、英文の例におつきあいください。
    Amundsenより。
    狡猾な男にひどい捨てられ方をした女性の、切ない回想。
    偶然の再会のシーンです。

    I was having some kind of dragged-out row with my husband, about our paying a debt run up by one of his children.

    dragged-out row : 長く引きずる口論
    run up : (借金が)嵩む

    この一文で、Munroは、
    ・主人公の女性が結婚したこと。
    ・夫はたぶん再婚であり連れ子(前妻との子供?)がいること(his children)
    ・経済的にはあまり恵まれていないこと(連れ子の借金を払っている)。
    ・結婚が全面的に幸せとは言えないであろうこと。
    を、一気に表現し、一瞬で、数年の時間のギャップを埋めます。この前には、主人公の結婚は、いっさい書かれていません。
    Stephen Kingなら、100ページくらいかけて、しつこく、結婚前の出会いから夫婦のや日常生活、連れ子との関係などを描写したことでしょう。これを、1文に凝縮して、多くを読者の想像にゆだねています。

    単語の使い方では、dragged-out rowという表現、あまり見かけないような気がします(私の英語力の限界?)。しかし、drag out=引きずり出す、から、ずるずると言い募って終わりのないいさかいの雰囲気が伝わってきます。

  2. 【4175512】 投稿者: さら  (ID:6lGWRQijy16) 投稿日時:2016年 07月 09日 21:12

    海外の作品からさま

    Alice Munro を教えていただき、ありがとうございます。

    アーチャーの短編集二冊といっしょに Dear Lifeともう一冊を買ってきました。

    ゆっくり楽しんで読んでいきたいと思います。


    Dear Lifeをさがして三店目の書店で見つけました。
    書店でほしい本をさがすこと、これもまた、楽しみのひとつです。

    ネットで買えば早く手に入るのですが、書店にいくと、◯◯フェアなどにも出会えるからです。

    今日は、ミステリフェアと洋書フェアに出会えました。書店派はやめられません。

  3. 【4191872】 投稿者: 海外の作品から  (ID:Dz25aeuOmp2) 投稿日時:2016年 07月 24日 16:36

    みなさまお久しぶりです。

    このところ、外れの作品を引いてばかりで、なかなかレビューも書けなかったのですが、ようやく、これは、という作品を読み終わったので、ご紹介します。

    みなさま、ジョン グリシャムをご存じでしょうか。過去にも、一度、紹介させていただきました。アメリカの流行作家、苦学して弁護士(といっても、田舎町で小さな弁護士事務所を経営)になり、流行作家になった、リーガルスリラーの旗手です。

    Rough Lawyer, by John Grisham
    昨年にハードカバーで出版され、今年になってペーパーバックになった新作。
    事務所を持たず、防弾仕様のバンを事務所代わりに使い、スタッフはボディガード兼秘書兼運転手の男性が一人、という弁護士が主人公。彼は、刑事事件専門で、それも、多くの民衆に嫌われ、弁護する人が居ない犯罪者ばかり引き受けています。当然、そのつきあいはダークサイドに広がり、時に裏家業の人との取引も辞さない、危ない弁護士です。
    元奥さんとの間に息子が居ますが、彼女は実は同性愛者で有能な弁護士、彼とは、息子の面会権をめぐる争いの最中です。

    小説は6話のオムニバスですが、彼の支援するケージファイター(いわゆる金網プロレスのようなもの)の事件、警察の高官令嬢誘拐など、徐々にからみあってきます。

    彼は、実は、庶民の味方の「いいやつ」なのですが、いかんせん人脈が危なすぎますね。はらはらしながら、最後まで一気に読めます。

    ======
    グリシャムは、2012年の、The Racketeerあたりから、勧善懲悪的な色彩をちょっと変えてきているように思います。前にご紹介しましたが、こちらは日本語訳が出版されたので、あらためてご紹介します。

    The Racketeer, by John Grisham
    (日本語訳 司法取引 白石 朗 訳、新潮文庫)

    Racketとは、恐喝とか詐欺などの計画犯罪のことで、司法取引という日本語訳のタイトルは、ずいぶんRacketeerのニュアンスと異なります。
    この小説は、予期せぬ収賄罪に問われ、10年の刑期を食らった黒人弁護士が主人公です。
    ある日、刑務所で、彼は、連邦地裁判事と愛人が暗殺された事件の記事を読み、刑務所長に、「自分は犯人を知っている」と告げます。アメリカでは、重罪の解決に役立つ情報を提供した受刑者の刑期を軽くする法律があるのです。
    ほどなく、彼の言う通り、犯人は逮捕され、徐々に自白をはじめます。
    しかし、これは、主人公の復讐劇のはじまりでした。ここから、悪人対悪人の化かし合い、だまし合いがはじまります。
    法律の抜け道を巧みについてFBIや裁判所も手玉に取る主人公のCon Gameをお楽しみください。

  4. 【4191889】 投稿者: ロングライダー  (ID:EwJGMS0WyfQ) 投稿日時:2016年 07月 24日 16:52

    「海外の作品から (ID:Dz25aeuOmp2)」さん
    海外作品を選ぶときに、参考にさせていただいています。
    それにしても、アリス・マンローとは渋いなあ!
    クレストブックスを読むやつが身近にいないので、ここでその名を聞いて驚きました。
    確か『小説のように』を中途で投げ出していたような気がする。探して続きを読もうっと。

  5. 【4213634】 投稿者: ルビー  (ID:h6KCc2rw6Ag) 投稿日時:2016年 08月 15日 11:09

    こんにちは。

    初めてこちらのツリーにお邪魔して、大量の書き込みを駆け足で読んできたところです。
    おもしろそうな作品がたくさん紹介されていて、もう一度メモとりながら読み直そうと思っています!!
    わたしはあまりミステリには詳しくないのですが、海外ものの作品が好きで、話題になったものなどはミステリも読んでいます。
    なので、わたしのおすすめもご紹介させてください。

    どなたかが『解錠師』をおすすめしていらっしゃいましたが、同じ作家の『氷の闇を越えて』もわたしは好きです。ハミルトンのデビュー作ですが、ちょっとハードボイルドな感じがたまりません。

    もう1点は打って変わって、ほとんど少女漫画ののりのミステリというかSFというか。ドイツの作品で『紅玉(ルビー)は終わりにして始まり』です。作者はケルスティン・ギア。タイムトラベルものの三部作の最初の一冊です。
    軽いラブコメですが、若いころに少女漫画が好きだった方は、たぶん楽しめると思いますよ。

    こちらは原書で読まれている方もいらっしゃるようですが、わたしもペースは遅いものの、原書も読んだりします。
    今、読んでいるのはAnthony Doerrの"All the Light We Cannnot See"という本です。ミステリではありません。まだ半分くらいですが、なかなか好みです。ちょっとわたしにとっては英語が難しいのですが、それでも文がとても美しくて、全米図書賞ファイナリストだけあるな~という感じです。
    そのうち邦訳も出るんじゃないかな。おすすめいたします!

  6. 【4220647】 投稿者: さら  (ID:W3JvpZXpfc2) 投稿日時:2016年 08月 21日 19:57

    皆様

    流れを戻してしまいますが、ご容赦ください。


    海外の作品からさま
    ロングライターさま

    アリス マンロー、よいですね。
    はまりそうです。

    世の中の大多数を占めるであろう人たちの日常が本当にリアルに描かれているのだと思います。
    室内装飾も庭の様子も職場や学校での生活も人間関係も人の心理も。

    正しいとか間違っているとか、善いとか悪いとか、美しいとか醜いとか、そんなこととは無関係に、借り物ではない自分のときを確実に生きている人たち
    を、ありふれた言葉で、ときには辛辣にときには愛情深く描いているのですね。

    『Dear Life』
    『小説のように』
    『次元』
    『ウェンロック・エッジ』

    まだ、上の四作品しか読めていないのですが、文学に疎い私にもアリス マンローの感覚の鋭さはわかります。

    原書と訳書とを読み比べています。

  7. 【4221697】 投稿者: 海外の作品から  (ID:uIe1/WRGBY.) 投稿日時:2016年 08月 22日 23:09

    みなさま、お久しぶりです。

    解錠師(The Lock Artist, by Steve Hamilton)、Dear Lifeとも、ご紹介させていただきました。
    コメントやお読みいただいた感想、うれしいです。

    私は、7月はたぶん生涯で最高に忙しく(会社の隣のホテルに泊まりこんでいました。まだ、ホテルで仮眠を取れるだけよかったかも)、8月は反動で遊びまくり(ゴルフ、乗馬、旅行など)、読書のスピードはおおいに落ちてしまいました。

    また、一冊、紹介させてください。

    Red Sparrow, by Jason Matthews
    (日本語訳 レッド・スパロー、ジェイソン マシューズ著、ハヤカワ文庫)

    実にリアリスティックなおとぎ話、でしょうか。
    数年前に、エドガー賞新人賞を受賞した作品です。

    モスクワでバレリーナとして将来を嘱望されながら、同僚の策略で足を砕かれ夢破れた主人公ドミニカは、政府要人である叔父に、SVR(昔のKGB)のハニートラップ要員養成学校に送られます。Red Sparrowは、SVRのハニートラップ要員を言います。
    主人公は、政府の命令により、CIA工作員のネイトに接近します。ロシア政府に潜むCIAへの情報提供者をあぶりだすためです。
    しかし、いつしか、ドミニカとネイトは、敵味方を超えた関係になり、ドミニカは、ついに二重スパイになります。
    二人を襲う試練、奇想天外な危機脱出の作戦など、息をつかせぬ展開になります。

    ネタバレになるので詳しくは書きませんが、ドミニカは、ある超能力を持っており、物語はおとぎ話的です。もう少しリアルでもよかったか、とも思います。また、CIAはあくまでも人間的、SVRはどこまでも冷酷かつ官僚的に描かれます。
    しかし、著者は、30年にわたりCIAの管理職をつとめた人で、細部は、異常にリアルです。

    英文は、報告書のように硬く、かえって日本人には読みやすいかもしれません。
    語彙レベルは低くありません。

    ハニートラップ、ということで、その手のシーンを期待すると、たぶん、がっかりします。(性的シーンが皆無ではありません、為念)
    実に重厚にリアルに描かれたおとぎ話、面白いです。


    現在、続編 Palace of Treasonを読んでいます。さらに話は複雑になり、語彙レベルも上がったようで、ちょっと苦労しています。面白いんですけれどね。

  8. 【4222422】 投稿者: ロディ  (ID:/Hdc/Tn9Kfo) 投稿日時:2016年 08月 23日 17:28

    お天気が落ち着かないですね。

    海外の作品さま、

    お薦めの本、面白そうですね。

    以前、ロバート・ゴダードにはまっていたことがあるのですが、雰囲気が似ているのでしょうか?(もちろん、翻訳でですが・・・)

    インドリダソン『声』を読みました。何とも切ない話で、ネタバレになるので
    詳しくは書けませんが、いろいろ考えさせられました。

    お気に入りの北欧シリーズ、ヴァランダー警部、特捜部Qと主人公が重なってしまい、しかも私の年齢も、だんだん近くなって、主人公の苦悩(迫りくる生活習慣病)もわが身とも重なってきています。

あわせてチェックしたい関連掲示板

学校を探す

条件を絞り込んで探す

種別

学校名で探す