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【3801557】ミステリー(推理)小説のレビューをどうぞ

投稿者: アラフィフの読書   (ID:SZRj/VH51r6) 投稿日時:2015年 07月 23日 14:03

こんにちは。私はずっとテレビでワイド劇場などを楽しんできました。
山村美沙や西村京太郎シリーズなどです。

趣味が高じてしまい、最近になって、ミステリー(推理)小説を読み出しましたが、何を読もうかと迷ってしまいます。

皆さんが好きだった本をぜひとも教えて下さい!
ネタバレでも大歓迎です!!!
どうぞよろしくお願い致します。

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  1. 【4222965】 投稿者: さら  (ID:W3JvpZXpfc2) 投稿日時:2016年 08月 24日 01:45

    海外の作品からさま

    アリス マンロー

    『TO REACH JAPAN』と『AMUNDSEN』と『CORRIE』を読みました。

    どれもラストで驚かされるので、ミステリではないにしても、このスレで紹介されたわけがわかります。ぞくっとさせられるものもあり、切なさがこみあげてくるものもあり、さすがです。

    海外の作品からさまの『AMUNDSEN』の中の一節、
    dragged-out row は、小竹由美子によると、「長引きがちな口論」と訳されていました。

    前にアリス マンローの小説を「ありふれた言葉」で描いている、というようなことを書きましたが、「ありふれた言葉」という書き方はマイナスのイメージであり適切ではなかったと思います。

    「誰もが意味をよく知っている単語」という意味で書いたのですが、アリス マンローは言葉に厳密で注意深く単語を選ぶ作家であるとも思います。


    ところで、語彙レベルの高いスパイもの、面白そうですが、その(おそらくはスピード感溢れる)展開と語彙レベルについていけそうにありません。
    残念です。

    しばらくは、マンローの世界に浸っていようと思います。
    (『TO REACH JAPAN』のKatyの心がどうなっていくのか、小説ながら気になります。)

    あとでまた、ご紹介いただいたジェフリー・アーチャーの『十二の意外な結末』を読みたいと思っています。

    海外の作品からさまはタフな方ですね。きっと。



    ロディさま

    生活習慣病には気を付けたいものですね。

    通うジムが存在しない田舎にいると、バスで二駅、三駅の距離を歩くしかないときがあり(次のバスやタクシーを待てない気の短さからかもしれませんが)
    この暑さの中で熱中症にならずにいる自分をほめたくなります。

    また、街中でも地下鉄で二駅、三駅を歩き汗でどろどろになりながら、冷房の効いた地下鉄に乗らない自分の愚行を人知れず恥じることがあります。

    なぜ、自分の車ででかけないのかは想像にお任せするとして、可能であれば「地上を歩きたい」と考えてしまう自分がいます。

    なぜなんだろう?暑いのに。日に焼けるのに。

    マンローの世界に浸っているからかもしれません。


    北欧シリーズ、きっと読むと思います。

    警察ものの主人公は、見た目と事件を解決する手際とのギャップが大きいほど楽しめるのではないでしょうか?

  2. 【4224689】 投稿者: 海外の作品から  (ID:gHbaAkgoKL6) 投稿日時:2016年 08月 25日 20:49

    さら さま

    ついに、英文で読まれたのですね。
    さすがです。そして、英文ならではの美しさなど、感じられたのではないかと存じます。

    #一般に、英語の小説を原著で読むことはそんなにやさしくなく、軽いミステリーでも、英検準一級(東大合格者平均程度の英語力)は必要です。まして、Munroの文章は、決して読み飛ばせず、英語学習の観点のみから見ると、中上級向け、と思います。どうか、楽しんで読み進められますよう。

    英語ならでは、ということで、一点だけ、蘊蓄を語ることをお許しください。
    Dear Lifeの14編の中の、最後の4編は、Finaleと分類され、作者の自伝的作品、となっております。その最後の作品のタイトルが、作品集のタイトルと同じ、Dear Lifeです。
    Dear Lifeというタイトルから受ける語感、愛しい人生、というようなニュアンスではないでしょうか。引退宣言直前に書かれた自伝的小説、おそらくMunroの最後の作品ですから。自分の人生もそれなりのものだったなあ、というような。

    ところが、後半になって、極めて緊迫した場面で、for dear lifeというフレーズが現れます。命がけで、極めて真剣に、という意味です。
    ここで、タイトルのニュアンスとの違いを感じて、はっとさせられます。

    それでは、タイトルはどういう意味か、と問い直すことになります。しかし、タイトルは、For Dear Lifeではなく、Dear Lifeです。
    なんとなく、自分の人生や文学的な達成への満足と、真剣勝負、緊張の捜索活動や人生を、掛詞のように使っている気がするんですよね。

    これは、Open Questionで、答えは、それぞれの読者の中にあるのでしょう。

    このニュアンスは、決して日本語に訳せないと思います。
    日本語訳でどうなっているか、無視して文字通りの訳になっているか、ご教授くだされば。

    長々と失礼しました。

  3. 【4224831】 投稿者: さら  (ID:W3JvpZXpfc2) 投稿日時:2016年 08月 25日 23:19

    海外の作品からさま

    ご指摘の for dear life ですが、DEAR LIFE のラストの部分にありますね。

    原文は、

    Just after my mother had grabbed me up,as she said,for dear life.

    小竹由美子の訳は、

    母が私を、母曰く必死で(「フオア・デイア・ライフ」のルビをつけて)抱き上げたそのすぐあとで。

    と、なっています。

    海外の作品からさまのおっしゃる通り、掛詞なのだろうと思います。

    訳者もそれがわかるから、「必死で」の横に「フオア・デイア・ライフ」というルビをふっているのだと思います。

    それにしても、海外の作品からさまは、幅広く、しかも深く読書される方なのですね。
    圧倒的な読書量の差を感じています。わかっていましたが、一日の過ごし方の密度も圧倒的な差があるのだろうと、今更ながらに感じています。
    もちろん、密度の濃いのは、海外の作品からさまの方ですよ。

    アリス マンローを教えていただき感謝しています。

  4. 【4224880】 投稿者: さら  (ID:W3JvpZXpfc2) 投稿日時:2016年 08月 26日 00:30

    小竹由美子は、訳者あとがきでこのように書いています。

    この一篇に、そしてこの一冊に冠された「ディア・ライフ」(ディアは愛しい、大切な、ライフは人生、生活、命という意味で、文中では、必死で〈フォア・ディア・ライフ〉という熟語の形で使われている。さまざまな意味合いを持つ語句なのであえてこのままとした)という表題が、しみじみ腑に落ちる。


    訳者あとがきを読んでいなかったので、付け足しのようになってしまいました。
    小竹由美子自身もどうニュアンスを伝えるか、悩んだのでしょうね。

  5. 【4225870】 投稿者: 海外の作品から  (ID:53e0U.xvStY) 投稿日時:2016年 08月 27日 00:55

    さら さま

    ご返事遅くなりました。詳細な引用と解説、ありがとうございます。

    やはり、プロの翻訳者の仕事ですね。ルビを使う、というのは、まったく思いつきませんでしたが、教えていただくと、唯一無二の方法のような気がしてきました。

    最後の作品の終盤ですので、Dear Lifeという言葉の意味の広がりは、たぶん、Munroにしてはわかりやすい形で提示されているんだろうと思います。
    私の英語力では気付かない部分が、たぶん、多く隠されているのだろう、と想像しています。

    私が精読モードになったのは、専門やビジネス書を除き、Dear Life、すでにご紹介したThe Luminaries、Gone Girlくらいのものです。The Luminaries とGone Girlは、言葉の密度、ではなく、伏線が複雑に張り巡らされていて読み飛ばすとわけがわからなくなるため、精読になってしまいました。

    そのほかの作品は、わからない単語が出てきても飛ばしてどんどん読み進む、いい加減な読み方をしています。読み落としもあるのだろうと思いますが、私の英語力では、多くの小説を読むためには、これが限界です。

  6. 【4226947】 投稿者: さら  (ID:W3JvpZXpfc2) 投稿日時:2016年 08月 27日 22:53

    海外の作品からさま

    海外の作品からさまの英語に関する蘊蓄を、私はいつも楽しませていただいています。

    英文は英文のまま理解する方がよいと思っています。翻訳では英文の音の響きや英語的発想からの言い回し?などが伝わらなかったり、伝わりにくかったりすることもあると思いますので。

    同じ日本でも、関西の「ほんま?」に対して、関東の「本当?」という言葉のニュアンスは微妙に違いますから。
    関西の言葉を関東の言葉に翻訳してもニュアンスが伝わらないのと同じですね。逆もそうでしょう。

    ところで、Dear Life ですが、
    自分の人生を振り返り、Dear Life(愛しい人生)と思える人は、過ぎ去った時々をそれぞれに for dear life (必死に 命がけで 懸命に)生きてきた人たちなのだろうと思います。



    >わからない単語が出てきても飛ばしてどんどん読み進む

    バイタリティ溢れる一文ですね。

  7. 【4236831】 投稿者: ロングライダー  (ID:EwJGMS0WyfQ) 投稿日時:2016年 09月 05日 01:44

    日本のミステリをちょっと紹介。
    梓崎優というミステリ作家をご存知でしょうか。かなり手練れな作家ですが、あまり名前は通っていません。
    書籍デビューは2010年。単行本はたった2冊。
    でもそのうちの1冊、『叫びと祈り』は紛れもない傑作です。
    『叫びと祈り』は短編集です。好作ぞろいですが、俺は特に「凍れるルーシー」を推します。
    この作品は叙述による不穏隠しと、推理による不穏崩しの後に、背筋「凍れる」結末が待っています。ああ、何を言ってるか、さっぱりわかるまい。

  8. 【4237874】 投稿者: 海外の作品から  (ID:Jdg2nWc4iGE) 投稿日時:2016年 09月 05日 23:22

    長くて、語彙レベルも高くて、けっこう苦戦していましたが、ようやく読み終わったので、ご紹介させてください。

    ロングライダーさん、せっかく日本語の小説をご紹介くださったのに、すみません。

    ======
    Palace of Treason, by Jason Matthews

    前にご紹介した、Red Sparrowの続編となります。

    前作Red Sparrowは、SVR(旧KGB)のハニートラップ要員としてCIAの工作員Nateに接近し、しかし、恋仲になって二重スパイになったDominikaが、奇想天外な脱出作戦で機知脱出をはかるお話でした。
    今回は、続編です。脱出作戦の結果、無事に(二重スパイであることを秘密にしたまま)SVRに戻り、Captain(大佐級)に出世しています。Dominikaの新たな任務は、イランの科学者を籠絡し、イラン政府が企てる核兵器開発計画の秘密を入手することでした。Dominikaの情報により、ロシア政府は、イランの核兵器工場建設の利権を独占することに成功します。しかし、Dominikaは、同じ情報をNateとCIAにも提供し、CIAは、核兵器工場破壊計画を練ります。NateとDominikaは、パリの路上で暗殺団に狙われ、命からがら逃走しますが、これは、Dominikaの二重スパイがバレたのではなく、Dominikaの活躍を危険視するサディスティックな上司Zyuganovの、私利私欲による差し金でした。
    ここまでが第一部に相当します。まあ、いいテンポで進んでいた物語は、ここから、停滞モードにはいります。
    これから、物語は、DominikaとNateの関係、ロシア政府やSVR内の権力抗争、CIA内部やCIA-FBIの関係、など、周辺の複雑な動きが詳細に描写に移るのです。舞台は、モスクワ、アテネ、ペテルスブルグ、ワシントンDCと展開し、アメリカ、ロシア双方の二重スパイもからんできて、ひたすら、複雑化します。Putin大統領も、実にリアルな形で登場し、大統領周辺の豪華な生活も描写されます。Dominikaは、Putinのお気に入りの一人になっていました。
    最後の100ページになって、ようやく話が展開し、どんどん加速していきますが、ここまでが長いです。

    Red Sparrow以上にリアルなお伽噺で、前回紹介したDominikaの超能力は健在です。これに加え、非業の死を遂げたDominikaの友人やサポーターの女性が、幽霊となってDominikaの周辺にあらわれ、彼女に有益な助言をしたりします。おとぎ話感も増しているかも知れません。

    CIAに30年以上勤務し、Director職に昇進した作者ならではの、CIAやSVRのリアルな描写は健在です。

    しかし、いかんせん、長い。語数を推定するに、21万語程度あり、Archerの長編Kane & Abelより長い。Kingの超長編(11/22/63など)には及びませんが、展開の遅さもあり、若干疲れました。語彙レベルも、Red Sparrowよりさらに上がっている感じがします。
    夏休みはアウトドアにいそしんだものの、1か月かかり、不名誉な最長不倒記録(読破に時間がかかった)です。

    Red Sparrowを楽しまれた方は、楽しめるのではないかと思います。
    ただし、語彙レベルが相当に高いこと、背景描写が異常に詳細で展開が遅いこと、そして、殺人シーンも過剰に詳細で相当にエグいことは、覚悟してください(笑)。

    =====
    Red Sparrowは、予想通り、映画化が進行しています。
    2017年公開予定、

    メリル ストリープの再来と言われる若手有望株、ジェニファー ローレンスが主演する予定とのことです。22歳で、夫を亡くして投げやりになっていて捨て鉢だけれど人間的な主人公、という複雑な難役を完璧に演じ、アカデミー主演女優賞を受賞した長身の美人でありながら、破天荒な発言で知られる彼女のこと、みごとにDominikaを演じてくれるでしょう。

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