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【3801557】ミステリー(推理)小説のレビューをどうぞ

投稿者: アラフィフの読書   (ID:SZRj/VH51r6) 投稿日時:2015年 07月 23日 14:03

こんにちは。私はずっとテレビでワイド劇場などを楽しんできました。
山村美沙や西村京太郎シリーズなどです。

趣味が高じてしまい、最近になって、ミステリー(推理)小説を読み出しましたが、何を読もうかと迷ってしまいます。

皆さんが好きだった本をぜひとも教えて下さい!
ネタバレでも大歓迎です!!!
どうぞよろしくお願い致します。

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  1. 【4297401】 投稿者: 海外の作品から  (ID:r0klWimPtzI) 投稿日時:2016年 10月 24日 00:32

    あまりの面白さに、5日で一気読みしたので、続けてご紹介させてください。

    The Girl on the Train, by Paula Hawkins
    英国の新人女流作家のデビュー作。
    離婚し、失業し、ひどいアル中のRachelは、友人への見栄から、毎朝同じ電車に乗り、ロンドンへの通勤を装っていました。車窓から、かつて夫と住んだ家が見え、そばには、理想的な美男美女の夫婦が住んでいて、Rachelは、この夫婦の姿を見るのを楽しみにしていました。
    ある日、Rachelは、美女の妻の不倫を車窓から目撃してしまい、ほどなく、妻は失踪、大きな事件になります。
    Rachelは、妻が失踪した日、血だらけで、飲みすぎで記憶を失って帰宅しますが、なにか事件の重要な場面を見た感覚にとらわれ、自分の旧家のあたりを徘徊して事件を解明しようとします。しかし、当然、アル中の女性ですので、信用されれず、ストーカーのように扱われるようになります。
    しかし、記憶のフラッシュバックとともに、恐ろしい現実が明らかになってきます。

    =====
    物語は、Rachelの日記を中心に、Rachelの元夫の現在の妻、失踪した女性の日記が挿入される形で進みます。Rachelの日記はアルコールで記憶がとぎれとぎれ、他の二人の日記も、なにか本心を隠しているまま、物語は進みます。

    =====
    英語は、教育用のGraded Readerかと思うほど簡明ですが、3人の女性の焦燥感が伝わってくる、美しい文章です。
    プロットは、それほど単純ではなく、最後まで、どこに連れていかれるかわからないハラハラ感で、一気読みしてしまいました。

    =====
    11月18日、映画が日本でも公開されます。
    Rachelは、エミリー ブラントが演じます。
    プラダを着た悪魔、で、主演のアンディ(アナ ハサウェイ)をイジメる、意地悪で高飛車な先輩エミリー役を好演してスターになった彼女、強いブリティッシュアクセントがタカビーな感じを強調していて、印象に残りました。
    その後、多くの映画に主演していますが、今回は、ヨレヨレのアル中女性役、ある意味、美貌を隠してどんな演技を見せてくれるのか、楽しみです。

  2. 【4300142】 投稿者: 映画好き  (ID:rAyJ3pNrDO2) 投稿日時:2016年 10月 26日 09:19

    わあ、映画観なくては!有難うございます!

  3. 【4313329】 投稿者: 海外の作品から  (ID:RB5G5L6ZSN.) 投稿日時:2016年 11月 06日 23:40

    また、一冊、ご紹介します。
    本年度のエドガー賞、長編小説賞(エドガー賞最高の賞)受賞作品です。

    Let Me Die in His Footsteps, by Lori Roy

    Lory Royは、新人女流作家で、本作品が3冊目になります。
    一冊目のBent Roadでエドガー賞新人賞受賞、二冊目もエドガー賞最終選考の候補になっており、注目の新人、と言えるでしょう。
    ペーパーバックになったので、読んでみることにしました。

    言ってみれば、湊かなえを田舎風に泥臭くした、あるいは、横溝テイストを追加したような、不気味な小説です。ゴシック調に、ゆっくりゆっくり、物語は展開します。

    1952年、ケンタッキーの田舎では、少女は、15歳と16歳の誕生日のちょうど中間の日に、大人の仲間入りをすることになっていました。この日、少女は、井戸を覗く習慣があり、井戸の中に、未来の夫の姿を見ることができる、と言われていました。
    少女Annieは、妹を連れて、井戸を見に行きますが、井戸の中には何も見えず、かわりに、対立する隣家Baine家no老女の死体につまずきます。
    Annieは、金髪長身で黒い瞳で、未来を予兆できる能力を持っていました。加えて、黒い瞳は魔力を持つと信じられ、人々にだんだん遠ざけられるようになります。これは、魔力を持っていたと信じられている、Annieの叔母にあたるJunaに、Annieがどんどん似てきたことも理由でした。

    1936年、アメリカ全土で最後の公開絞首刑が行われました、処刑されたのは、Joseph Carlで、Banine家の中でもっとも信頼できる青年と思われていました。
    しかし、Carlは、Junaに暴行を働き、幼かった叔父Daleを殺害した疑いで処刑されたのです。しかし、Junaの瞳は漆黒で、人々は、Junaが魔力でCarlを誘惑した、と噂しました。Junaは、Carlの子を妊娠していたようですが、事件の直後、姿を消します。

    物語は、1952年、1936年に分かれて、ゆっくりと進行し、2つの家族の確執、禁じられた愛、裏切り、が徐々に明らかになっていきます。

    ======
    語彙のレベルは、決して高くないように思います。しかし、至る所に伏線があり、延々と自然の描写が続く中でいきなり場面転換したりして、少なくとも私には、読みやすくはありませんでした。ビジネス英語からはいった人間にとって、自然描写はなかなかに難しい、という理由もあります。
    ラベンダーと煙草を栽培する農家の、閉じて煮詰まった人間関係、隠れた悪意、など、息の詰まりそうな世界でした。

    日本語未訳ですが、たぶん、日本語訳も登場するでしょう。
    幻想と現実を往復する、エドガー アラン ポーのような世界、あるいは、現代風ゴシック小説がお好きな方は、ぜひ。

    英文は、たぶん、ケンタッキー訛りか、あるいは、教養の程度の低い人の英語の部分が多いように思います。
    特に会話、しかし、地の文にも、ときどき、あれれ、という表現が登場します。
    特に、正式の英文法では誤りとされる二重否定が多用されます。
    i ain't do nothing. のような。

  4. 【4316731】 投稿者: ロディ  (ID:UP.dhGt/TxA) 投稿日時:2016年 11月 09日 22:07

    海外の作品からさま

    ご紹介してくださった2作品、面白そうですね。

    映画の予告で観たような気がします。
    翻訳でないと読めないし、映画が先か、小説が先か迷うところですね。

    映画好きさま

    ジェイソン・ボーン、観てきました。

    シリーズを観ているので行きましたが、星3つくらいかな。
    こちらも原作が有名らしいですが、映画化されるまで知らなくて、いまだに未読です。

    映画化されてしまうと、それで満足してしまって、実はかの有名なキングも
    『グリーン・マイル』しか読んでいないのです。

    ル・カレも未読です。

    老後の楽しみがどんどん増えていきます。

  5. 【4318993】 投稿者: 海外の作品から  (ID:RB5G5L6ZSN.) 投稿日時:2016年 11月 12日 00:21

    ロディさま

    検索してみたら、The Girl on the Trainは、日本語訳が出版されていますね。

    ガール・オン・ザ・トレイン 
      ポーラ・ホーキンズ著、池田 真紀子訳、講談社文庫(上下)

    映画は、どうやら11月18日公開のようです。
    DVDになってからでもいいかな、という感じもしますが。
    The Girl on the Train Trailerなどで検索してみてください。

  6. 【4321975】 投稿者: ロディ  (ID:UP.dhGt/TxA) 投稿日時:2016年 11月 14日 12:09

    海外の作品からさま

    翻訳の紹介、ありがとうございます。

    今更ですが、ディーヴァーの『ゴースト・スナイパー』を読みました。
    (『スキン・コレクター』を読もうと思ったら、とばしていたのです)」

    ひと昔前は一気読みでしたが、年のせいか、読み切るのに時間がかかるようになりました。
    相変わらずの高水準です。ネタバレになるので感想は控えます。

  7. 【4328127】 投稿者: 海外の作品から  (ID:5pJk/cDn4DE) 投稿日時:2016年 11月 19日 01:09

    ご紹介するに足る小説かどうか疑問もありますが、昨今の大ニュースであるトランプ大統領ともつながっている(もちろん間接的)人物が登場したりするので、ご紹介させてください。

    あれやこれやで長文になりますがご容赦ください。

    Night Life, by David C. Taylor

    本年のエドガー賞長編賞の最終候補作(受賞には至らず、受賞は、前にご紹介した、Let Me Die in His Footstepsでした。)

    作者のTaylorは、たぶん日本では全く話題に上ったことがない作家だと思います。長編ははじめてで、過去には短編をいくつか発表し、映画やTV番組やミュージカルの脚本を書いていて、それなりにアメリカでは知名度がありました。そのため、新人賞ノミネートとはならなかったらしいです。

    舞台は1954年のニューヨーク。NY市警の刑事Cassidyは、ブロードウェイの男性ダンサーIngramの殺人現場に急行、捜査を開始します。Ingramは酷く拷問されていました。しかし、Ingramの遺体は監察院から消え失せ、ほどなく、Cassidyの自宅は、FBIによって、令状なしに、隅々まで捜索されます。そして、Cassidyは捜査から外され、Ingramにつながる人が次々と殺されていきます。
    Cassidyのアパートの下の階には、同時期、謎の美女Dylanが引っ越してきて、CassidyとDylanは、だんだん距離を縮めていきます。
    また、Cassidyの父親Tomは、いきなり上院のMcCarthy委員会に喚問され、数十年前の古傷から、ソビエト送還処分にされてしまいます。これは、McCarthyの右腕であった右派弁護士Roy CohnとCassidyが路上で揉めたことへの意趣返しとしか思えませんでした。

    物語は、これらのラインがからまるように進みます。アクションシーンも満載で飽きさせません。しかし、政界の大物を登場させた割には結末がありきたりで、多少とっちらかった印象もあり、このあたりがエドガー賞受賞を逃した原因かもしれません。

    さすが、NY育ちのシナリオライターだけあって、場面展開が巧み、背景描写もしつこすぎず簡潔過ぎず、ブロードウェイやタイムズスクエアの華やかな雰囲気、豪華なホテルの内部、荒涼とした倉庫街、いわゆる悪所の内部に至るまで、目に浮かぶようです。私がNYに行くと必ず立ち寄る、グランドセントラルステーション地下のオイスターバーも、ちゃんと登場します(品川に支店があります)。

    =====
    さて、以下、Donald Trump次期大統領との関係。
    1950年台を代表する権力者、赤狩りで辣腕をふるったMcCarthy上院議員、GHoober FBI長官も小説内に登場しますが、マッカーシーの右腕であったRoy Cohnが、小説内で重要な役割を果たします。
    McCarthy上院議員は、上院内訴追委員会を組織して、片っ端から目を付けた人物を喚問、共産主義者のレッテルを貼って公職から追放し、はたまたソ連に強制送還し、1950年台前半に大衆からおおいに支持されました。しかし、そのやりかたがあまりに強引かつ違法、かつ、(共産主義者ではなく)民主党リベラル派への攻撃と私利私欲があまりに露骨に見えてきたため、またたく間に人気を失います(直接には、軍と対立したことが原因と言われます)。この、McCarthyの赤狩りの実務を仕切ったのが、弁護士Roy Cohnでした。
    McCarthyはまたたく間に失脚しますが、Cohnはその後も弁護士として辣腕をふるい、多くの企業家や政治家、マフィアのボスまで、クライアントに抱えていました。政界には支持者は多く、レーガンなどと非常に近かったと言われます。

    作者Taylorインタビュー中のCohn評。
    Roy Cohn was one of the villains of the 20th century, a man who said he loved America and yet spent most of his life trying to hijack the system for his own benefit.
    さんざんな言いようです。一般大衆には、CohnはGreedy過ぎて評判は悪かったらしい。亡くなる直前、Cohnは、違法な顧客への介入や資産横領で弁護士資格を剥奪されています。

    しかるに、次期アメリカ大統領Trumpは、Cohnを、13年にわたり、顧問弁護士としていました。Trumpの容赦ない政敵への攻撃的言動は、Cohnを通じて、McCarthyの大衆扇動から学んだとみる向きもあります。興味があれば、オンライン版New York Timesの2016年6月20日版の下記記事をお読みください。

    What Donald Trump Learned From Joseph McCarthy’s Right-Hand Man

    ただし、本作品は、昨年にすでに出版されており、Trumpを大統領候補から引きずりおろすような政治的意図は、作者Taylorにはなかったと思われます。

  8. 【4346850】 投稿者: パードレ  (ID:wPgQX/Lnd/Y) 投稿日時:2016年 12月 03日 22:32

    日経で、イタリア版Jディーバ―、ディーバー氏絶賛とあったサンドローネ・ダツィエーリの「パードレはそこにいる」を読みました。作中で「ボーンズコレクション」読んでる人でてきて、今頃ですが、本家ディーバーの「ボーンズコレクション」も読んでみました。因みにディーバ―は「眠れぬイブのために」、「クリスマスプレゼント」しか読んでません。
    「ボーンズコレクション」前半、ルメートルばりのグロテスクさに挫折しそうになりましたが、魅力的な登場人物が気になり読了。次は「コフィンダンサー」へGO!、段々グロに慣れちゃうのかな。

    グロサイコなルメートルですが、「死のドレスを花婿に」はアレックスより面白いです。残酷だけどメンタルアタック報復があっぱれで。

    もひとつ今頃~ですが、Mコナリーの「シティオブボーンズ」読了。アーナルデュルの「緑衣の女」に似てますね。シリーズ途中で、読みが浅いのか、「シティオブボーンズ」、”彼女”の被弾と最期の言葉の意味がよくわからなかったのですが、、まあ些末気にせず次は「暗く聖なるよるへ」GO!

    ジェットコースターミステリーばかりでも疲れるので、ウールリッチの「喪服のランデブー」再読。物哀しい絵になるレトロな好きな作品です。

    最後に毛色の変わったミステリー、有栖川有栖氏が”「最後の最後で推理小説の底が抜ける」”と評されていた「ペナレスへの道」。たまげました。

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