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【152322】工業地帯・地域の区別の仕方

投稿者: コーギー   (ID:SUJRXzIOjgs) 投稿日時:2005年 08月 17日 18:08

日本の工業地帯と工業地域の工業別生産額帯グラフの見分け方を教えてください。
中京工業地帯は機械工業の割合が他と比べて多いとか、京葉工業地域は鉄鋼業・機械工業・化学工業が他の地域と比べて同じくらいの割合であるとか、理由付けを探していますが、うまく説明できません。
ずばり、8つの工業別生産額グラフがあった場合、どれがどの工業地域・地帯なのか、見分けるポイントを教えてください。

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  1. 【152499】 投稿者: ごえもん  (ID:QE3.Rz7okMw) 投稿日時:2005年 08月 17日 23:20

    コーギーさんへ

    教える立場の方ですか?
    うーん、はたして8つも必要かな?
    ごえもんは4つの工業地帯だけで十分と考えます。
    もしマイナーな工業地域の生産額グラフをあてさせる問題が
    でたとしたらそれは落としても問題ないです。
    (そういうのは優先順位が下がります)

    京浜→出版・印刷が多い
    中京→機械・せんいが多い
    阪神→せんいが多い
    北九州→金属が多い    という特徴がありますが、

    なぜそうなってるのかの背景を考えることも重要ですよ。

  2. 【152767】 投稿者: 一社会科教師  (ID:.UqJtkS./Y.) 投稿日時:2005年 08月 18日 14:38

    コーギー様
     「工業地帯」は戦前からの、「工業地域」戦後の全総・新全総のもと高度経済成長期に形成されたものをさすようです。ただし、数年前からの『日本国勢図会』では「三大工業地帯」なる語が登場し、「北九州」が「地域」あつかいとなっています。これは生産割合の順位が中京>京浜>阪神>関東内陸>瀬戸内>東海>京葉>北九州となっていることに依拠しているようです。統計上でも用語の定義や範囲があいまいな部分があるのですね。

     ところで、前掲書最新版年の統計では、8大工業地帯・地域のデータ・帯グラフがかなり様変わりし、京浜工業地帯の識別方法が難しくなりました。出版・印刷工業をふくむ「その他」の割合が、他よりかなり高かったのが、東海や関東内陸とほぼ同じになりました。出版不況を反映しているのでしょう。

     お尋ねの主題である帯グラフの覚え方は、「企業秘密」の部分なので、あまり公開したくありません。次の話で勘弁してください。?の( 1 )から( 11 )は親子で考えてみてください。他の同業者の方が授業でお使いになっても私から版権の主張はしません。

    ? 知り合いのご父母から「先生が、工業生産割合の帯グラフ8つの数字を、左から順に全部覚えろ」といわれ、困っている、とのご相談を受けたことがあります。首都圏御三家、新御三家などの最難関校を受ける子で、こういう指導をされている子もいるのですね。私は採りませんが。

    ? 1:日本の工業の中心は( 1 )工業ですね。( 1 )工業の比率が約( 2 )%と最も高いのが( 3 )、最も低いのが( 4 )です。このようにグラフでは突出項目と最少項目に注目します。
    2:( 1 )工業の比率を50%前後、( 5 )%前後に分けます。50%前後で、繊維が極端に少ないのが( 6 )です。次に( 7 )工業と化学工業の数値を比較します。( 7 )工業は内陸立地が化学工業より容易な点に注目します。すると( 7 )工業の方が多いのが( 8 )工業地域、化学工業のほうが多いのが( 9 )工業地域です。
    3:次に( 1 )工業の比率が( 5 )%前後の3つのグラフの識別に移ります。このうち食料品の比率が最も高いのが( 10 )工業地帯です。後背地に日本有数の漁港や畜産物・農産物生産県を控えており、中国にも近いという地の利があることもおさえましょう。他の二つの区別は、2と同様( 7 )工業と化学工業の数値の比較で行います。( 11 )工業地帯は歴史の古い、典型的な総合工業地帯で、自転車・魔法瓶・金網・ねじなどの地場産業を特色としています。したがって( 7 )工業の比率が( 12 )方が( 11 )工業地帯です。

    以上が私が授業で教えているやりかたです。日本の工業の特色やグラフの見方にも言及してある程度の立体的な知識になっています。しかし、これを四谷大塚の合不合テストなどで、社会科の偏差値が40以下の子に教えて、定着させるのは至難の業で、強い動機付けとドリルの小テストが幾通りも必要です。(私はオリジナルのものを作って子どもたちにやってもらっていますよ。)その点で、ごえもんさんの指摘の適切さが思い起こされます。
      

  3. 【152777】 投稿者: コーギー  (ID:SUJRXzIOjgs) 投稿日時:2005年 08月 18日 14:50

    ごえもん様、ありがとうございます。
    こちらの情報が足りなくてどうもすみません。
    小6女子の母です。目下、苦手の社会に悪戦苦闘しております。

    4つの工業地帯ですが特徴をあげてみました。

    京浜→都心部に近いため印刷・出版業が多い
    中京→自動車工業に代表される機械工業と中小のせんい工業が多い
    阪神→戦前からのせんい工業が盛ん
    北九州→八幡製鉄所の代表される鉄鋼業が多い

    いかがでしょうか??

    ただ、2001年の生産額グラフを見ると、もう少し別の特徴があるように思われます。
    たとえば、北九州工業地帯では、鉄鋼業15%・機械工業38%・化学工業7%・食品工業17%・その他23%となっていますので、食品工業の割合の高さも特徴としていえるのではないでしょうか?

    戦後発達した工業地域ですが、関東内陸工業地域は自動車工業・電子機械工業・コンピュータ関連工業などの機械工業が盛んなのが特徴だと思いますがいかがでしょうか?

    四谷の「4科のまとめ」を勉強していますが、工業地帯だけでなく工業地域も要点として取り上げられています。
    ごえもん様のご指摘通り、各地帯・地域の発達した背景などがわかると数字の意味も見えてくるのでしょうね〜

    ただ暗記するのでは能がない!
    物事の仕組みや成り立ちを理解して欲しい、と自分は棚にあげて願う、未熟な母です。




  4. 【152852】 投稿者: コーギー  (ID:SUJRXzIOjgs) 投稿日時:2005年 08月 18日 17:28

    一社会教師 様

    丁寧な回答、ありがとうございました!!
    めからうろこ、のようで、感激しました。

    穴埋め問題(?)、早速子どもとやってみました。
    それで、一箇所だけ教えていただけますか??
    7=食料品工業、でいいのでしょうか??

    よろしくお願い致します。

  5. 【152882】 投稿者: ごえもん  (ID:QE3.Rz7okMw) 投稿日時:2005年 08月 18日 18:42

    コーギーさま。

    4大工業地帯についてそれでいいと思います。
    あとはその割合を直接覚えるというよりも
    比較してこっちのほうが中京っぽいなというように判別できたら
    いいと思います。

    他の工業地域についても同じだと思います。
    その工業地域の大体の特徴をおぼえておき、
    現場で比較してグラフを判別できるようになれば
    と思います。

    なんでもかんでも暗記ではなく、最低限の知識から答えを推測する力こそが
    社会の力だと思うんです。
    (特に地理はそういう力が求められているのでは?)
    そういった力をつけるのには背景の理解が役に立ちますし。
    ですのでコーギーさまの考えかたは立派だと思います。


    社会科教師さま。

    ごえもんとは比較にならないほどのプロのかただとお見受けします。
    参考にさせていただきます。

  6. 【152883】 投稿者: 一社会科教師  (ID:.UqJtkS./Y.) 投稿日時:2005年 08月 18日 18:53

    コーギー様

    嬉しいお言葉、恐縮です。

    お尋ねの件ですが( 7 )は鉄鋼、魔法瓶、鍋・釜、金網、ねじ、ベアリングなどを作る工業です。臨海工業地帯の特色、輸入額の多い地下資源、加工貿易のイメージとつながる知識です。
     なお、『日本国勢図会』での帯グラフのならびは、左から金属→機械→金属→食料品→繊維→その他となっています。また、京浜工業地帯で出版・印刷工業が盛んだという知識は、この帯グラフからは確認できません。同じ会社から出ている小学生向けの統計集『日本のすがた』には、各工業地帯・地域での業種別生産額が表の形で出ています。おそらく、お嬢さんが通われている塾でも所有していると思われますので、先生にお聞きになれば、京浜工業地帯の「その他」のうちどのくらいが出版・印刷かがわかります。全体比で約16%前後と記憶します。

    「目からうろこ」というのは私どもにとって最上級の褒め言葉で、もったいないお話です。 社会科は学校教育の場でさえ「試験・入試のための暗記教科」になってしまっている、との批判を浴びています。私どもの受験産業では一層その傾向が強いだろうと誰しもが考えるでしょう。しかし、子どもたち自ら知識獲得に向かわせることは、暗記の強要を第一義にした授業では不可能です。
     そこで、学び方や知識の体系の姿を「発見させる」しかけを組み込んだ授業の展開を常に心がけたいと思っているのです。これは、塾のカリキュラムとの矛盾を孕んだ戦いであり、授業時間との戦いでもあります。もちろん不断にこちらも学ばなければ不可能です。
     しかし、「目からうろこ」の体験こそ、深い学習であり、学習が身につくことであり、授業とはそれを体験する場のはずなのです。教育学ではこれを「学習観の転換」といいます。いわばいままで自分が持ってきた観念の「ひっくりかえし」ですね。この実践をされる先生に、幸いにして私は、幾人か出会いました。お嬢さんもこのような先生のいらっしゃる中学へ進学できるといいですね。(大学附属に意外にすぐれた社会科の先生がいらっしゃるとの同僚ー中高生の子を持つ親ーの声がありますが、私自身での検証はできていません。)
     自分の生徒達は私の授業が当たり前になっていますから(講習や特訓で他校舎に行くなどして、他の先生の授業を受けることが全く無いわけではない)、「ギャグが寒い」とか、黒板の字が雑」とかしか言ってくれません。保護者には「社会の授業が楽しい」とか、「今日、先生がこんなことを言った」と頻繁に伝えてくれているようですが。そこで、コーギー様のような「第三者」のご意見を伺えるのは貴重であり、それがお褒めの言葉であるとなれば、自分の自信にもつながります。レスを頂いて本当にありがとうございました。またお役に立てることがありそうでしたらお尋ねください。長々と失礼しました。

  7. 【153765】 投稿者: コーギー  (ID:SUJRXzIOjgs) 投稿日時:2005年 08月 20日 09:58

    一社会科教師 様

    返信遅くなってすみません。

    お忙しい中、さらにご丁寧な解説をいただき、本当にありがとうございます。

    時間をとってじっくり考えて7番の答えがわかりました!!
    子どもの使っている教材の帯グラフでは、金属→機械→化学→食料品→せんい→その他になっており、ご指摘の「鉄鋼・魔法瓶〜ベアリングなどをつくる工業」は機械工業に含まれていると思われます。
    したがって、(11)工業地帯と瀬○○工業地域では、機械工業の多い方が(11)、となるわけですね。

    それから、(8)工業地域と(9)工業地域を比べる場合、海に近い分、(9)工業地域の方が化学工業が多い、という認識でよろしいのでしょうか?
    (瀬○○の同じ理由で化学工業が多いのですね)

    読みずらい文章ですみません。
    (番号は一社会科教師様の穴埋めの番号とリンクします。)
    今一度、ご回答いただけるとうれしいです。


    今回の質問で、社会科がぐっと面白くなってきました。
    私自身、社会科が苦手で、知識といったら小学生レベル(それ以下?)のお粗末なものです。
    一社会科教師様のような先生にめぐりあえていたら、もっと社会科への興味がもてたのではと思います。
    幸い、子どもは塾で面白い社会科の先生に教わっているので、私よりはましな様子です。






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