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先生コラム |
【第4回】成田高等学校
坂本君という青年がいました。 家はけっして豊かとはいえなかったのですが,若者らしい新鮮な気持ちで世の中のさまざまな矛盾を見ぬき,もち前の強い好奇心をもてあましてもいました。 偶然ですが,彼の身長は約172cmでありまして執筆者である私と同じでした。 健康で 強い肉体をもっていましたので,道場にも入門し,一流の剣技を身につけもしました。彼はその修業時代に多くのすばらしい人と出会うことになります。自分の 中にあった熱いものに火をつけるのに十分な人々でした。その人々は誰もがみんな自分のことではなく,もっと大きなもののために自分はどうするべきかを考えていたのでした。坂本君はこの人々の影響をうけ,行動するようになっていきました。 さて,この坂本君ですが名は龍馬といいます。そうです坂本龍馬です。 今日の学校・生徒・保護者をとりまく教育環境を見つめますと,「夢の実現」という一種のベクトルに強く支配されているように感じます。 たとえば,生徒の場 合ですと〈「夢の実現」はしなければならないこと〉のように教えられ(少なくても彼ら生徒はそう感じ取っていると思われます)。 保護者の場合ですと,〈自分の子の「夢の実現」のために近道であると考えられる学校選び〉ということでしょうし,また学校の場合ですと〈「夢の実現」を生徒募集のキーワードとして使う〉といったことになると思います。 ところで,坂本龍馬の心にあったのは夢だったのでしょうか。 今日の生徒がいだく夢の多くは「○○になる」,「××大学に入学する」といったものです。自分の利益に直結したものを夢と考えているような気がします。もちろんそれでよいのですが,その夢を実現した後にはもっと大きな意欲が必要になってくるはずです。 その意欲は「生きがい」とか「人格形成」に大きな役割を果たす意欲です。「自分は社会から必要とされている,だからもっと何かできることはないか。」「それを見つけてもっとやってみよう。」という意欲です。 その意欲は〈自分のために〉というよりむしろ、<世のため、人のために>というべき意欲ではないでしょうか。 坂本龍馬の心にあったのはこの意欲だと考えます。このいよくは「夢」ではなく「志」といえるのではないでしょうか。 夢の実現の後に志をもって生きることのできる人材の育成。言い換えれば〈世のため,人のために〉なれる人材の育成。それが私の志です。 おすすめの本
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