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公立中高一貫校を受検する方へ 私立校併願のすすめ

年度によって若干の変動はありますが、公立中高一貫校の実質倍率は依然高い数値を誇っています。では実際にどのくらいの数値なのかを、近年の傾向も踏まえて見ていきましょう。

2016年度は実質倍率が下がっているが…

実質倍率表

※立川国際の募集定員は、帰国枠を除いた一般枠の数値
※千代田区立九段は、区内枠・区外枠があり、表は区外枠の数値
※上記に補欠合格者は含まず

上の表は、東京都立(区立含む)11校の2015年度・2016年度の実質倍率です。2015年度と比べ、2016年度は全体的に下がった傾向が見られますが、全体的には依然高い数値になっています。またこの傾向は、他県にもあてはまります。不合格になってしまった人はどのような進路を進むのでしょうか?
中学は義務教育ですから、一般的には地域の公立中学校に進学することになります。3年後には高校受験があるため、本人のがんばり次第では、不合格となった公立中高一貫校(中等教育学校は高校募集を行っていませんが、附属中学では少数ながら高校募集を行っています)へのリベンジや、その高校よりもレベルの高い学校へ進学することも十分可能ですが、中学生活の中心は勉強が占めることになります。

私立校併願という選択肢

公立中高一貫校の受検がうまくいかなかったときのために、視野に入れておきたい選択肢が、私立校への進学です。入試問題の性格が異なるため、公立中高一貫校と私立校との併願は難しいと考えられがちですが、2020年の大学入試改革への対応も追い風となり、適性検査型入試を採用する私立校も年々増えてきています。
このため、従来よりも公私併願がしやすくなっているといえます。
さらに、公立中高一貫校を併願校とする難関私立校志望者(一般入試受験者)も増加傾向にあります。公立中高一貫校と私立校の併願受験は、今後の中学入試のトレンドとなる素地が十分です。私立校に進学した場合、次の目標となるのは6年後の大学受験です。簡単にいえば、公立校に進んだ場合よりも倍の時間をかけて大学受験の準備をすることができるうえに、土曜授業を実施している学校も多いため、授業時間数は公立に比べてはるかに多くなっています。

したがって、授業にもゆとりができ、発表や討論、実験、観察などを数多く取り入れた、知識の詰め込みにとどまらない理解を深める学習も可能です。また、学校によっては、早い段階から医学部など大学の志望学部別や学力別のクラス編成を採用して、学習効果の高い指導体制を敷いています。キャリア教育に力が注げるのも時間があるからこそで、大学の先生による出張講義や職業体験など、進学や就職について考える機会が数多く提供されています。大学付属校なら、高校在学中から大学生と一緒に講義を受けることもできます。
学習面ばかりではありません。部活動や生徒会活動などでは、中1から高3まで幅広い年齢の生徒が交流していて、核家族化の進む現代において、中高一貫校というひとつのコミュニティの中で多彩な人間関係を構築するまたとない機会となります。

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