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公立中高一貫校を受検する方へ 私立校併願のすすめ

適性検査型入試で私立校併願をしたい! と思われた方におすすめのスケジュールをご紹介します。

千葉・埼玉の私立校受験のすすめ

12・1月

東京・神奈川では2月1日から受験が始まりますが、千葉・埼玉の入試は1月から始まります。第一志望が東京都の学校の場合、なぜわざわざ遠くの学校をと思われるかもしれませんが、実は2つのメリットがあります。

【1】一足早く入試に慣れることができる
模試と違い、入試当日は独特の雰囲気があります。第一志望でない学校でもその雰囲気に慣れ、緊張感を味わい、次に生かすことができます。

【2】学習指針が立てられる
入試得点、順位等を受験生に公表してくれる学校もあるので、その結果をもとに、2月の入試に向けて学習指針を立てられます。

適性検査型入試だけでなく、従来型入試受験のすすめ

2月1日以降

適性検査は文章や資料を読んでのデータ分析や考察、計算、考えをまとめ記述する表現力などをはかることにポイントが置かれています。私立校の従来入試(2科・4科)は、基本的に知識・計算力・考え方をみる問題が中心です。しかし、例えば、国語なら50~100字の記述、算数ならかなり長い文章問題が出題されていますし、理科・社会ではグラフ・表の読み取りをはじめ、単独の教科にとらわれない融合問題、時事問題なども積極的に出題されています。いわば適性検査のような総合力を問う問題が多くなっているのです。つまり、適性検査対策をしっかりしていれば、私立校の2科・4科入試でも十分得点が可能といえます。せっかくがんばって受検勉強をしたのですから、公立中高一貫校だけでなく、適性検査型入試を実施している私立校に加え、従来型入試を行っている私立校にも挑戦してみることをおすすめします。

いざ本番! 仮にうまくいかなくても…

2月3日

公立中高一貫校の検査当日。今までの努力をすべて出し切る日ですが、緊張のため、うまくいかないこともあると思います。そんなときでも、地元の公立校に行くのではなく、これまでの流れで私立校併願をしておけば、努力も無駄になりません。

公立中高一貫校受検の私立併願は、ケアとしても大切!

森上展安 先生

森上教育研究所 代表
森上展安 先生

早稲田大学卒業。進学塾経営を経て、1987年に「森上教育研究所」を設立。中学入試だけでなく、幅広く教育問題を扱う。

公立中高一貫校の人気の高さは、高校入試がないうえに学費が安い、そのうえで出口である大学合格実績が、公立トップ高校に次ぐ位置を占めている学校が多いからです。
ただし、入口で選抜試験をしてはいけないことになっているため、入学後の学力にバラツキが大きい点は公立中学と似ています。出口実績がよいのも本来公立トップ高校に行く高い学力層が、少し早めに公立中高一貫校を選んでいるからとも言えますね。
また、公立中高一貫校は、適性検査だけではなく、内申など他の評価とあわせて入学選抜が行われることで、受検生からみると合否の見通しが立てにくく、加えて、高倍率なので不合格の可能性が高いという側面もあります。
そこで、私立の合格校を1つ決め、ショックを和らげることは、次の学校でも伸びていく上で大切なのです。実際に、私立の適性検査型入試の受験者は、2012~16年入試にかけて倍増している勢いです。私立の適性検査型入試なら通常の入試と違って、絶対評価ですし、この試験だけで選抜しますから合格の見通しが立てやすく、倍率も1倍台です。入学後の学力にあった指導や、きめ細かい面倒見も私立ならではの魅力です。

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