“女子美の中高大接続”進路やキャリアプランが具体的に描ける「専攻領域別説明会」

“女子美の中高大接続”進路やキャリアプランが具体的に描ける「専攻領域別説明会」

inter-edu’s eye

国内唯一の美大付属校である女子美術大学付属高等学校・中学校(以下、女子美)では、中高大が接続したキャリア教育を展開しています。中でも高校2年生・3年生が参加する「専攻領域別説明会」は進路を決めるのに非常に役立つイベントとなっています。今回はこの専攻領域別説明会にスポットを当て、概要や開催意図などについて、詳しく紹介します。

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多様な専攻・領域への理解を深め、自身のキャリアを考える

専攻領域別説明会について、女子美術大学広報グループの橋本さんにお話をうかがいました。

インターエデュ(以下、エデュ):専攻領域別説明会はどういったイベントなのでしょうか。

橋本さん:大学・短大合わせて15の専攻・領域から高校2年生は3つ、高校3年生は2つを選択し、大学教員から授業内容やコロナ禍での授業形式、卒業生の活躍など、最新の説明が受けられるイベントです。さらに、広告代理店で活躍する卒業生など、さまざまなゲストスピーカーの話を聞くこともできます。

エデュ:イベントの開催意図や目的を教えてください。

橋本さん:大きく2つあります。1つ目は、進学希望の専攻・領域の教育内容を理解して、入学後に充実した学生生活を過ごす準備を行い、卒業後のキャリアまで考えてもらうためです。本校にはどの専攻・領域にも付属高校から進学し、企業のクリエイターや作家として社会で活躍している卒業生がいます。卒業生たちがどのような学生生活を送り、今活躍しているのか、具体的な事例を複数紹介することは、中高大が接続しているからこそできるキャリア教育だと思います。
2つ目は、高校在学中から視野を広げ、多様な専攻・領域を理解する機会を提供したいと考えているからです。大学に入学すると、有志での展示やインターンシップを含めた就職活動など、学校の課題以外に自主的に制作活動をする機会が多くあります。こういった制作活動で不安や悩みを抱えた際、広い視野と、ほかの専攻や領域についての知識が多くあれば、解決できると思うのです。「自分はあの専攻・領域には進まなかったけれど、説明会で言っていたことが役に立ちそうだから調べてみよう」「あの専攻・領域に進んだ友達と情報交換してみよう」といったように、説明会を受けることで“専攻・領域を超えた気づき・学び”が生まれると考えています。

専攻領域別説明会の様子
専攻領域別説明会の様子
説明を熱心に聞く生徒たち
説明を熱心に聞く生徒たち

エデュ:付属校との連携や接続授業の重要性をどのように考えていますか。

橋本さん:付属校から生徒が進学してくるのをただ待つのではなく、連携や接続授業を通して生徒たちにさまざまな“気づきの機会”を提供できることは大きな強みだと考えています。中高一貫校なので受験だけに捉われることなくじっくり時間をかけて自分自身や作品と向き合うことができ、さらに、定期的に大学側から“気づきの機会”を得られる環境は女子美の強みであり、生徒たちの日々の成長につながっていると思います。

エデュ:推薦入学希望者に求める素養を教えてください。

橋本さん:推薦入学希望者に求める素養は、中学・高校で充実した日常を過ごすことです。中高は多感な時期であるとともに、個性や感性が大きく伸びる時期です。この時期にじっくり時間をかけて自分や作品と向き合うことで、大学入学後や社会に出た際に美術やデザインの力を発揮して活躍するための“核”となる部分が養われると考えています。

エデュ:入学後に期待することを教えてください。

橋本さん:付属高校で培った“核”を大切にしつつ、ほかの学生とも協調し、お互いの強みを認め合えるように成長することです。女子美術大学・短期大学では付属高校からの推薦入学以外に、一般選抜と総合型選抜、特別選抜(留学生)の入試を経て、デッサンやプレゼンが得意な学生や日本で意欲的に学びたい留学生など、さまざま強み・個性をもった学生たちが在籍しています。さまざまな学生と協調することで、将来社会でも必要な“価値観の違う相手とのコミュニケーションを取る力”を身につけてほしいです。

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大学教員による中高大連携授業も実施

進路部と共同して中高大連携を推進している並木憲明先生にお話をうかがいました。

高大連携担当ディレクターの並木先生
高大連携担当ディレクターの並木先生

エデュ:専攻領域別説明会への参加を通して、生徒に考えてもらいたいことを教えてください。

並木先生:高校2年生にとっては付属高校での学びの延長線上にある大学とその学びについて、直接大学の関係者から話を聞く貴重な機会です。これを機に、興味のある他の大学や説明会に直接アプローチする感覚を身につけてほしいと思っています。
高校3年生にとっては、各専攻・領域の学びや大学生活の様子、学費や卒業後の進路まで、より具体的な話を大学関係者から直接聞き、進路確定のきっかけとなるイベントになります。高校3年生のみ保護者の参加も可能なので、学費や奨学金、学生寮など、気になることがあればしっかり相談し、進路を決断してほしいと考えています。実際、生徒はイベントに参加することで、自分自身の進むべき方向性がはっきりするようです。

日本画の専攻領域別説明会の様子
日本画の専攻領域別説明会の様子
大学の雰囲気を感じながら、進路を考えられる
大学の雰囲気を感じながら、進路を考えられる

エデュ:中高大連携授業について教えてください。

並木先生:中学1年生から高校3年生すべての学年を対象に、女子美術大学の教授陣による連携授業を実施しています。授業は大学の教員と本校教員とのティーム・ティーチング形式で行います。通常の付属中高の授業に大学の先生が関わるので、生徒たちも大学の先生に対して“私たちの先生”という意識で接しています。この授業を通して生徒には、キャリア意識が静かに成熟していく“安心感”を与えたいと思っています。

高校1年生のキャンパス見学会の様子
高校1年生のキャンパス見学会の様子

エデュ:中学受験に挑戦する家庭に向けた応援メッセージをお願いいたします。

並木先生:絵を描いたり、ものづくりが好きだという個性を大切にして伸ばしたいと願う受験生や親御さんには、本校を強くおすすめします。これからの社会を生きていくために必要なのは、世渡りのうまさなどではなく、好きなことをノンストレスでやり続ける力だと思います。そんな颯爽とした女性の育成を一世紀に渡って行ってきた本校に、ぜひお子さんを託していただきたいです。

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編集者から見たポイント

女子美では大学と連携・接続して早い段階から「キャンパス見学」や「アトリエ訪問」も行っていて、じっくりと自分の将来について考える環境が整っています。高校の時点で大学生活や大学卒業後にどのような活躍ができるのかを具体的に知って、将来について真剣に考えるからこそ、女子美は社会のあらゆる領域で活躍する卒業生を輩出しているのだと感じました。

イベント日程

イベント名 日時
中・高 学校説明会/高校 作品講評会 2021年9月11日(土) ・11月13日(土)
運動会(さいたまスーパーアリーナ) 2021年9月22日(水)
女子美祭(大学併催) 2021年10月24日(日)
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