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新たな教育が求められている 2020年大学入試改革に向けての注目校新たな教育が求められている 2020年大学入試改革に向けての注目校新たな教育が求められている 2020年大学入試改革に向けての注目校

inter-edu’s eye
2017年度現在、中学3年以下の学年は、センター試験に代わる新テスト「大学入学共通テスト」を高校3年時に受験することになります。センター試験との大きな違いは、記述問題の導入(国・数)、英検などの検定試験活用と、“読む・書く・話す・聞く”の4技能重視(英語)、教科書にはない資料からの考察(理科)が挙げられます。では、新たな試験に向けて、受験生にはどのような対策が必要となるのでしょうか。

今回ご紹介する学校
■教養や発信力、判断力などが本物の体験から身につく
学力と実績を大きく伸ばしている新鋭校
■和の精神と文化を次世代に継承できる国際的人材の育成
ICT教育にも注目!大学附属の女子教育一貫校

「大学入学共通テスト」で受験勉強はどう変わる?

暗記とテクニックに頼る詰め込み型でも高得点を獲得できたセンター試験。しかし、2020年度から開始される「大学入学共通テスト」では、そのやり方は通用しません。なぜなら、知識でいえば“量の多さ”よりも、どこまで深く理解しているかという“知識の質”を重視する出題傾向になるからです。そのうえで、記述問題に対応するため、課題から問題点を見つけて答えを導く方法を探り(=思考力)、解答・解決策を考え(=判断力)、導き出したものを伝えること(=表現力)まで求められるのです。
近年では、入試に限らず、社会でも思考力・判断力・表現力を持つ人材が強く求められています。

私立校ごとに特色あり!「大学入学共通テスト」対策

「急に、思考力が大事と言われても…」と、受験生や保護者は新しい試験に大なり小なり不安を感じることでしょう。そんな中、各私立校では、大学入学共通テスト対策や、社会で必要とされる人材育成のため、「思考力・判断力・表現力」を磨くための学びを日々の授業に取り入れています。受験前に集中して単語やテクニックを覚えるのではなく、段階を経て着実に力を身につけられるようプログラムが組まれているのです。授業への取り入れ方はそれぞれ異なり、学校ごとの個性や強みが反映されています。
それでは、具体的な例として3つの学校の取り組みをご紹介しましょう。

私学で始まっている新しい教育

東京電機大学中学校・高等学校では昨年から、「TDU 4D-Lab(ラボ)」(TDUは東京電機大学の略称)という課題探求型の学習を始めました。中1から高2が対象で、約40のテーマから1つを選択し、大学のゼミのように学年を横断する形で研究を進めていきます。指導する教員はファシリテーター(意見や指示はしない、中立的な立場)として、生徒たちの研究をサポートしているとのこと。各研究テーマは理系分野だけでなく、文系や芸術分野など多岐に渡り、そのテーマの中で何を研究し、どう進めていくかは生徒自身が考えていきます。

「見えない学力」と名付けた、教科にとどまらない幅広い教養と発信力を育むことを教育の礎に掲げる成立学園中学・高等学校。日経ナショナルジオグラフィック社と連携したアクティブラーニングも取り入れ、自ら課題を発見し、解決策を探求できるように、フィールドワーク(校外学習)では身近な事柄に関わっていきます。人に言われることなく、自身の判断で行動できるようになること、それらの課題を日常的に人前で発表することにも重点が置かれているようです。また、盛んな部活動や行事が一体感を育み、主体性や協働性を養うことにつながっています。

聖徳大学附属女子中学校・高等学校は「ICT を自分のものにし、自ら考え、調べ、課題解決をする。そして発信し、共有し、創造する」が教育目標。社会に出た際にはICTを使いこなすことが必須であることを念頭に、iPadをはじめ、学校生活のさまざまな場面でICTを取り入れています。
とりわけ、英語でのプレゼンテーションや、週1時間の小笠原流礼法においては協働学習を円滑に行うために必要な他者の立場に立ち、他者の考えを理解しようとする力を育成しています。

「平成の教育改革」ともいえる大きな教育現場の変化は始まっていますが、すでに多くの学校で「新しい学びの取り組み」がなされているようです。