掲載日:

女子聖の「アウトプット型」教育と学びたい気持ちにこたえる「学習サポート」

inter-edu’s eye

女子聖学院中学校高等学校は、グローバル化する社会の中で主体的に活躍できる女性の育成を目指しています。先日行われた学校説明会では、生徒に人気の授業や、女子聖最大の行事である運動会の練習風景を公開。主体的に動く生徒たちの姿を見ることができました。今回は、学校説明会の様子とともに、教育や生徒の特徴に迫ります。

生徒自らが表現する「アウトプット型」教育

説明会レポート

女子聖の学習サイクル

女子聖の学習サイクル

説明会では、副校長が女子聖の教育の根幹となる3つのサイクルを説明。「共に取り組む」姿勢から「違いを受け止める」ことで前に進み、「自分が取り組む」ことのできる教育の重要性を話しました。そして、その精神は、グローバル社会で主体的に活躍できることを目的とした教科教育にも反映されています。この日は国語、英語、理科の授業で、女子聖の精神がどのように実践されているのかを知ることができました。

授業ごとのinput・intake・output

国語

国語

input

新聞を読む

intake

記事について話し合う

output

自分で記事を書く

国語では、アウトプット型学習の一例として、新聞を作ったうえで、アナウンサーとなりニュースを伝える授業を展開。ある一枚の写真から、それがどんな場面かを想像し、グループで話し合いまとめます。話し合った内容を基にそれぞれが記事を作成。さらにアナウンサーになりきって分かりやすい言葉を考えてみんなにニュースを伝える授業を進めています。

英語

英語

input

英語の問題を解く

intake

世界のニュースを調べる

output

英作文で紹介する

英語では、「世界のニュース」をテーマにした英語の問題を出題し、理解を深めます。そして、その問題をきっかけに、生徒が世界のニュースを調べます。さらに調べた内容を英作文で紹介するという流れで表現力をはぐくみます。教科書の表現を学ぶだけではなく、英語の内容も理解したうえで、自分なりの英語で表現し発表することで「使える」英語が可能になります。

理科

理科

input

論理的に考える

intake

ディスカッションする

output

日常生活で活用する

身近な疑問を科学的に考えることが、理科に求められる力の一つ。そのために、問題に対しての原理や法則を、実験やディスカッションなどを通して理解を深め、さらに日常生活で活用することでアウトプット力がはぐくまれます。授業では、輪ゴムやボールなどの身近なものから原理や法則を学び、科学的な思考を体得する一連の流れを展開しています。

海外「武者修行」で試す「アウトプット力」

女子聖では国際理解教育も充実しています。生徒たちは、この経験を経ることでも「アウトプット」に対する意欲を高めていくようです。今回はここに焦点をあて、インタビューを行いました。

滝澤先生(国際教育委員会委員長)星野さん(高校3年)

滝澤先生(国際教育委員会委員長)
星野さん(高校3年)

──女子聖ではさまざまな海外プログラムがあるそうですが、どのような内容なのでしょうか。

滝澤先生突然、海外に行くのではなく、「日本語で表現する→海外でコミュニケーションの大変さを知る→海外で表現力を試す」というようにそれぞれの段階に応じた海外プログラムを設定しています。4つのプログラムがあるのですが、いずれも目的に応じて内容が異なります。

4つのプログラム

──星野さんは、実際に体験してみてどう感じましたか。

星野さん最初は、アメリカに3週間ホームステイをしました。元々、英語に自信があったのですが、行ってみたら英語が伝わらないことがあって悔しい思いをしました。もう一度行きたいという思いが強くなり、2回目のオーストラリア留学にチャレンジしました。2回目は、友だちを作ろうと決めて、日本から手書きで名刺を作り、自分から話しかけるようにしたので、うまくコミュニケーションが取れたと思います。

滝澤先生星野さんのように、ホームステイでの苦い経験が、次の留学に活かされ、コミュニケーションがうまくいったという生徒がほとんどです。積極的にならないと伝えられないことを肌で実感しているからこそ、次の海外経験で勇気を出して自分の気持ちを表現(アウトプット)できるのだと思います。

──海外での経験が、日本に戻って活かされたことはありますか。

星野さん海外に行くまでは人前で話すことが苦手でしたが、今は好きになりました。海外でのいろいろな経験によって、違う自分を見つけることができたんです。

クローソンホール

説明会が開かれたクローソンホールは、卒業生が結婚式を行うほどの素敵な雰囲気。

大人気の制服

説明会場前には大人気の制服が飾ってありました。やっぱりかわいいですね!

生徒による受付や案内

説明会の受付や案内はすべて生徒が行い、丁寧な対応が印象的でした。

結果がすぐ出る!女子聖の「学習サポート」

GMARCH以上進学者の入学時よりの伸びと進学先

GMARCH以上進学者の入学時よりの伸びと進学先

女子聖では、具体的にどのような学習サポートを実施しているのでしょうか。教頭の塚原先生にうかがいました。

──女子聖では、どのような学習サポートをしているのでしょうか。

塚原先生2012年から放課後と長期休暇に「JSG講座」(※JSGは「女子聖学院」の略)を開講しています。標準・発展とレベル分けをすることで、生徒の力に合った学習が可能になります。今年の卒業生が中3のときに導入したのですが、良い結果につながっていると実感しています。

教頭 塚原先生

教頭 塚原先生

──家庭学習に対してサポートしている点はありますか。

塚原先生昨年9月、放課後の学習支援を目的にした自習施設「JSGラーニングセンター」を開設しました。卒業生に行ったアンケートの中で「塾の良いところは自習室が使える点」と書いてあったのに衝撃を受けまして、家庭内学習を校内で完結させることを目標に整備を進めました。センター内には、チューターを配置し、学習計画から方法まで相談できる体制を作りました。

──ラーニングセンターをスタートしてみていかがですか。

塚原先生たくさんの生徒が使ってくれています。部活動が終わってから部員同士で集って勉強する姿もよく見られますよ。試験前になると席が常に埋まっている状況ですね。

──学習面や行事などモチベーションの高い生徒が多い印象ですが、女子聖の特色なのでしょうか。

塚原先生はい。目標に向かって先生が出した提示を素直に前向きにできるのが生徒の特徴です。ご家庭での親子関係の良さも影響しているかと思います。また、学校生活や行事等を通して責任感が身につき、その中で、今後の目標が定まり、学習のモチベーションも高まるようですね。「人に仕う」という建学の精神が自然と身についていることも大きいと思います。

課外講座

授業よりも発展的な内容を扱う課外講座。難関大合格に必要な学力を養う。

チューター

チューターが常駐し、生徒たちの自立をサポートします。

自習スペース

左:個別指導(申込制)用のブース。
右:200以上ある自習スペース。

今年から「表現力入試」を導入します!

アウトプット力を試したい受験生に、女子聖でアウトプット力をさらに磨きたい受験生向けに、女子聖では今年から「表現力入試」を導入します。

日本語入試 英語入試
プログラム 日付 備考
生徒が語る女子聖学院のグローバル教育 9月3日(土) 14:00~ 希望者型の海外プログラムだけではなく、学年型の必修プログラムについてもご紹介いたします。
ナイト説明会 9月16日(金) 19:00~ お仕事などでなかなかご参加いただけない保護者の方向けの説明会です。 ※予約制
女子聖 Jr. Workshop④英語 9月17日(土) 11:00~ 小学生向けの英語のワークショップです。 ※予約制

編集部からみた「女子聖らしさ」

運動会の練習の様子

本番さながらの熱気に包まれていた運動会練習。生徒たちの声は敷地外にも響き渡るほどでした!

今回、説明会と、運動会の練習を取材し、「女子聖らしさ」を肌で感じることができました。讃美歌が流れる厳かな雰囲気の中始まる説明会は、ミッション校ならでは。しかし、運動会練習では一転、元気な声が飛び交い楽しそうな様子が印象的でした。運動会を自分たちの手で成功させようという責任感が練習段階からも伝わってきます。
塚原先生からは「生徒たちには一人の大人として接している」という言葉もあり、先生と生徒たちの間にしっかりとした信頼感があることがうかがえました。先生の期待に生徒がきちんと応えるといった良好な関係も「女子聖らしさ」なのですね。