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定員厳格化・コロナ禍でも上向く明星の大学合格実績

inter-edu’s eye

2023年度に創立100周年を迎える伝統校、明星中学校・高等学校(以下、明星)。2016年度には、難関大への進学を目指すMGS(Meisei Global Science)クラスが新設され、今春、3期生が卒業しました。この3年間で明星の大学合格実績は伸長。2020年度には難関国公立大を目指すスーパーMGSクラスが誕生し、今後さらなる実績の伸長が期待されます。そこで、MGS誕生で強化された進路指導と、近年の実績の伸びについて先生方にうかがいます。

進路指導部長インタビュー 個別最適化で生徒の希望を叶える

進路指導部長の松田隆治先生に、明星の進路指導についてうかがいます。

松田隆治先生

大学別合格者推移(3年間ずつの集計)

大学別合格者推移を表したグラフ

国公立大学

早慶上理ICU早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学・東京理科大学・国際基督教大学

GMARCH学習院大学・明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学

インターエデュ(以下、エデュ):近年の大学合格実績伸長の要因を教えてください。

松田先生

進路指導の組織化と、教員力の強化です。MGSの旗を掲げてから進路指導の仕組みが整い始め、教員が意識を高めてやるべきことをやるようになり、実績伸長に結びついたのだと思います。

エデュ:明星の進路指導の特長は何でしょうか。

松田先生

生徒一人ひとりの希望や特性を活かす“個別最適化”です。これを可能にするため、学期ごとに進路検討会を行い、教員が必要な情報を共有しています。

エデュ:高校のクラスはMGSと本科がありますが、進路検討会は全クラス対象で行われていますか。

松田先生

どちらのクラスでも進路検討会をしていますよ。本科は一般受験や総合型選抜(旧AO入試)、学校推薦型選抜、明星大学への進学など、生徒の進路や受験形態が多岐にわたります。個々人の希望を汲んで受験方法をマッチングしていくので、本科の進路指導は本校のモットー「てしおの明星」が強く反映されたものになっています。

真剣に勉強する生徒

エデュ:では、MGSの進路指導についてはいかがですか。

松田先生

MGS は生徒のほとんどが一般受験をするので、学力を指標に対策を考えます。MGSの担当教員は、進学校での進路指導経験者が多く、どのくらいの学力があればこのラインの大学に届く、といったことを理解しています。教員の豊富な経験と知識がMGSの進路指導の強みですね。

エデュ:MGS3期生が今春卒業しました。MGSの変化をどう感じていますか。

松田先生

難関大を目指すクラスだということが、内外で浸透してきたと感じます。一貫生は、中学生のうちから高校のMGSがどのくらいのレベルを目指して勉強しているかを理解し、高入生でいえば、勉強する覚悟を持って入学する生徒が増えました。同じ意識を持つ生徒が集まることで、高1の段階から落ち着いて勉強する環境ができています。

エデュ:松田先生が感じる明星の良さとは何でしょうか。

松田先生

学校として大切なことは、日々の授業がどれだけきちんとしているか。奇をてらったことをする必要はないのです。その点、本校では質の良い授業を行い、生徒を適切に評価することができている。この2つができる教員が揃っているところが、明星の良さだと感じます。

卒業生の声 部活動に全力投球しながら念願の国立大に合格

幼稚園から明星学苑で過ごし、MGS2期生として横浜国立大学に進学した本多隆盛さんに、明星の進路指導についてうかがいます。

本多隆盛さん

2019年度明星高等学校卒業。一般受験で横浜国立大学と東京理科大学などに合格。現在、横浜国立大学 都市科学部 都市基盤学科に在籍。

本多隆盛さん

エデュ:明星の進路指導の良かったところを教えてください。

本多さん

生徒みんなが数多くの模試を受け、その結果に基づいた適切なアドバイスを享受できるところです。結果を見ても自分1人では、「ここができていないから復習をしよう」といった対策しかできなかったと思います。しかし、担任や進路指導の先生方は、受験の最新データや各自のご経験から「生徒が今、志望校に対してどの位置にいるのか」を正確に把握し、厳しいときは状況をきちんと伝えてくださるので、それが励みになりました。

本多さんとご友人

エデュ:進路指導の先生や、担任の先生との思い出はありますか。

本多さん

国公立大志望だった私にはセンター試験の結果が非常に重要でしたが、理想の点数に届かず、厳しい状況でした。しかし、担任や周りの先生方は、志望校へ挑戦したいという私の意思を尊重し、サポートを続けてくださいました。担任の先生は短いスパンで面談の機会を設けてくださり、受験期に1人で悩むようなことはほとんどありませんでした。

エデュ:大学受験にあたり、MGSの授業はどのようなことが役立ちましたか。

本多さん

高3の授業は演習が多く、早い段階から実際の入試問題に取り組んでいました。演習に取り組む中で自分の実力を知り、志望校合格のためには何をする必要があるのか考えることができました。

エデュ:中高受験生に向けて、本多さんが感じる明星の魅力を教えてください。

本多さん

明星なら、自分の理想の学生生活を送ることができます。勉強ばかりでは楽しい学校生活とは言えないでしょう。私は硬式テニス部の仲間たちと引退するまで練習に明け暮れ、努力することができました。ときには部活動中心の生活になってしまうこともありましたが、そんなときには先生方が必要最低限のやるべきことを示してくださいました。部活動に力を入れたい私の気持ちを尊重し、引退後には手厚いサポートをしてくださったことで、受験を乗り切り、納得のいく結果を残すことができました。きっとどの生徒に対しても、一人ひとりの思い描く理想の学校生活を尊重し、希望の進路へと導いてくださるでしょう。

MGS学年主任インタビュー 学力の可視化・教員の認識統一で受験直前まで生徒をフォロー

学年主任として、MGS4期生となる現・高3生を3年間見守ってきた高木保欣先生にお話をうかがいます。

高木保欣先生

エデュ:MGSの指導体制を教えてください。

高木先生

担当する4期生は、担任4名、副担任を含めると7名で指導しています。私は4期生の入学当初から一貫して、保護者の方々には「担任がすべて抱え込むのではなく、7名の教員で生徒全員を見ます」と伝えています。

エデュ:それは進路指導でも同様でしょうか。

高木先生

同じです。学期ごとに行われる進路検討会では、学年7名の教員が直近の模試の成績を分析しながら、生徒の志望大学への対策を練ります。
さらに今年度からは、1コマでもMGSの授業に関わっている教員は進路検討会に参加して、生徒の学力を把握し、その生徒が志望校に合格するためには教科ごとにどれだけ点数を取らなければいけないかを共有するようにしました。例えば国公立志望者なら、「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)で英語はあと10点、数学はあと20点取らせる指導をしてください」というように、学力を可視化して対策します。

授業を受ける生徒

エデュ:MGSの授業に関わるすべての先生が情報を共有するのはすごいですね。

高木先生

教員によって言うことが違うと生徒は困ってしまいます。MGSに関わる教員が同じ方向を向いていれば、生徒は誰に相談しても的確なアドバイスを受けることができます。

エデュ:4期生の学力の伸長はいかがですか。

高木先生

某模試のGMARCH以上を目指せるランクでいえば、高1の頃は該当者が22名でしたが、高2の1月には52名に増えました。高3の7月に受けた模試では、同ランクの人数が昨年の3期生と比べて3倍多いことが分かっています。

エデュ:「てしおの明星」の姿勢は、MGSのどんなところに表れていますか。

高木先生

本校は難関国公立から私大まで幅広く対応できるシステムと教員が揃っています。高3の11月の期末試験が終わったら、「じゃあ受験頑張って!」と自由登校になる公立校は多くありますが、本校では3学期になっても生徒は毎日登校し、共通テスト前日まで直前演習や直前講習を受けます。希望制ではなく、MGSの生徒全員が授業として受ける。これがMGSの特徴の1つであり、「てしおの明星」が表れている部分だと思います。

編集者から見たポイント

大学合格実績伸長の裏側にあったのは、MGS新設を機に整い始めた進路指導体制と、「てしおの明星」を貫く先生の姿です。進路検討会の内容を聞き、MGS4期生の学力伸長に納得しました。

イベント情報

中学校

第8回 中学校説明会「特選(Tクラス)と総合(Sクラス)まるわかり&募集要項確認」
2021年12月11日(土) 14:00~15:00
視聴覚ホールまたは講堂
第9回 中学校オンライン説明会「出願方法の確認と合格へのヒント」
2022年1月8日(土) 詳細未定

高校

第5回 高等学校説明会「募集要項説明及びQ&A」
2021年11月27日(土) 14:00~15:00
講堂
第6回 高等学校説明会「MGS対象…『MGSのすべて』」
2021年12月4日(土) 14:00~15:00
講堂
入試相談
2021年12月15日(火)、16日(水) 詳細未定

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:明星中学校・高等学校