inter-edu’s eye

上野学園中学校・高等学校で昨年から始まった、中学生の「上野公園フィールドワーク」。その立地を活かし、学校から徒歩10分ほどの上野公園を舞台に展開する探求型学習です。1年生は「サイエンスプログラム」(理科)、2年生は「ソーシャルプログラム」(社会)と年間で教科テーマを設け、探究を進めていきます。
今回は、フィールドワーク2年目となる2年生の授業を取材してきました。

先生4人体制!少人数のメリットを最大限発揮

先生5人体制での「新聞づくり」

お邪魔したのは、火曜日の6限~7限に行われている、中学2年生の「ソーシャルプログラム」。「社会」を年間テーマとするこのプログラムで1学期に「地理」について調べた生徒たちは、2学期は「歴史」について、4~5人のグループに分かれて探究学習を進めています。
1学年の人数20人程に対し、主担当の先生1人と、サポートの先生3人の計4人がつく手厚い体制は、少人数ならではの魅力です。

協力し合いながら「新聞づくり」を行う

2学期のはじめに、「土器」や「能面」などグループごとに調べる対象を決めた生徒たちは、東京国立博物館に訪問し、調べを進めてきました。中には放課後や休日まで繰り返し博物館に足を運んだグループもあるほどの熱の入り方です。
その成果を発表する日が翌週に迫ったこの日、生徒たちは、大きな模造紙での新聞づくりの仕上げに入っていました。調査結果をまとめるだけでなく、「聖徳太子のお悩み相談」という広告を入れるなど、ユニークな発想も光ります。
新聞の構図を考える生徒、新聞のタイトルを考える生徒、など、誰の指示がなくとも自然と役割分担ができているのが印象的でした。

自然と「考える流れ」ができてきた

自発的な生徒が増えるワケ

「どんな内容にまとめる?」話し合う生徒たち

上野学園には、もともと自発的な生徒が多いのでしょうか?
担当の川村先生によると、取り組みを始めた最初の頃は、模造紙作成にも慣れず、グループの人数も今より多いなど、先生も生徒も手探りの状態だったそう。それが、試行錯誤を繰り返す中で、いまの体制に落ち着き、生徒もだんだん「自分の役割」としてできることを判断できるようになったそうです。物事を進める考え方が、入学してからの1年半で身についてきたのですね。

また、「教員が複数ついているのも、生徒がのびのびできる秘訣。どうしても、調べている内容に難しいことや専門性が出てくるので、そのときはサポートが必要なんです。」と川原先生は語ります。生徒の自由度は高く保ったまま、行き詰まるところではしっかりとサポートをしてあげることで、考えることも、前に進む気持ちも停滞することがないのでしょう。

考える流れがつかめてきている生徒たち

黙々とレイアウトを下書きする女子生徒

生徒自身も、「いまのこの人数がちょうどいい」と言います。成長も実感できているようで、「普段の理科や社会ではやらない生活に身近なことをやるので、勉強になる。疑問をすぐ見つけられるようになった。」と嬉しそう。
それを聞く先生も「教員からみても成長していると思います。考える流れがつかめてきている。」と目を細めます。

評価と振り返りで生徒の意気込みを促す

2学期はこのあと、発表を経て、評価と振り返りがあるとのことです。評価の方法は?と聞くと「『チャンピオン』などの賞も考えています。」という先生の隣で「絶対チャンピオンになってやる!」と生徒の目がキラキラ。その意気込みに、この取り組みの成果が感じられました。

イベント名 日程 時間
学校説明会(中学) 12月10日(土) 9:30~(要予約)
学校説明会(中学) 1月14日(土) 9:30~(要予約)