第13回 女子御三家志望者必読の書が発売に:エデュママブック
第13回 女子御三家志望者必読の書が発売に
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女子御三家と言われる名門3校、桜蔭、女子学院、雙葉を志望している方、その保護者にぜひ読んでいただきたい本が発売されました。塾講師として多数の生徒を3校に合格させた実績を持つ進学塾代表、矢野耕平さんの『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』です!
著者は中学受験指導20年超の塾代表
本書の著者は、大手塾の講師として多数の生徒を国立・御三家・早慶附属中合格に導き、とりわけ女子学院には7年間で約230名という合格者を輩出した実績の持ち主。中学受験指導のキャリアは20年以上、現在も東京で中学受験専門塾の代表を勤めている矢野耕平さんです。
皆さんは、桜蔭、女子学院、雙葉という3つの名門校が、どんな学校なのかご存じですか? 桜蔭は東大合格率が女子校でいちばん、女子学院は制服も決まっていない自由な学校、雙葉はカトリックのお嬢さま学校…、このくらいは誰でも知っていますが、それ以上となると、卒業生や生徒に知り合いがいる人以外はよく知らないのではないでしょうか。名前は知っているけれど実態はあまり知られていないというのが、有名な伝統校の特徴であり、女子御三家はその筆頭とも言える存在です。
しかし著者の矢野さんは、多くの生徒をこれらの学校に入学させてきた塾講師です。女子御三家の卒業生を多数知っています。そのため多くの卒業生に母校の話を聞くことができました。加えてこの本の取材で、3校すべての校長先生へのインタビューも実現しました。これは書籍で初めて実現したことです。
矢野さんは、「はじめに」に、「卒業生たちの声を集めれば集めるほど、想像していた以上の手応えが得られた。中学受験指導に長年携わってきたわたしでも知らなかった各校の真の姿が浮き彫りになってきたのだ」、さらに、「当初の期待をはるかに上回る『学校関係者による現場の本音』を引き出すことができたのだ」と、本書の取材の成果を書いておられます。最後まで読んで、この言葉に偽りはないと感服しました。長い歴史の上に形作られてきた女子御三家の今現在が、きわめてリアルにレポートされています。
学校生活は、きわめて個性的
本書は、「序章 女子御三家とはなにか」から始まって、「第一章 桜蔭 圧倒的な東大合格率の理由」、「第二章 女子学院(JG) 日本一自由な女子校」、「第三章 雙葉、お嬢様のリアル」と続き、「終章 『女子御三家』は変わらない」という構成です。
各校の章は、学校の所在地の話から始まり、学校創設以来の歴史、卒業生の文化人・有名人と続いて、学校生活の詳細に入っていきます。授業のようす、クラブ活動、文化祭・体育祭などが、卒業生や学校関係者の生のことばで語られます。どの学校にも長い伝統の中で培われてきた独自のスタイルがあります。それは、そこで学校生活を送る生徒たちの生き方や内面に色濃く影響を及ぼしているように感じました。
自分の学校についてどんなふうに思っているか、在校生のとき、どんな体験をしたか、多くの卒業生の声が紹介されています。それらの言葉は、とても一言でまとめることはできないほど彩り豊かです。ぜひ読んで感じてみてください。中には学校イメージを損ないかねないようなエピソードもあります。でも、長い歴史があって数多くの女子が通り過ぎていった学校なのだから、いろいろあって当然だなあ、と思わされます。逆に、多少のマイナスなど隠す必要もないくらいの包容力というか、余裕があるのだと納得してしまいます。
大学進学実績を誇る女子御三家ですが、決して進学実績で生徒を集めてきたわけではないこと、建学精神の上で、学ぶ生徒と教える先生が長い時間をかけて作り上げてきた個性的な校風こそが、女子御三家を支えているということがよくわかると思います。
偏差値より誇り高き校風が生徒を育てている
著者は後書きに、「女子御三家各校は、万人を優しく受け入れる『無難』な学校ではない」と書いています。
桜蔭の建学の精神は、「学びと礼法」で、校訓は「勤勉、温雅、聡明であれ」と「責任を重んじ、礼儀を厚くし、よき社会人であれ」です。
雙葉の校訓は「徳においては純真に、義務においては堅実に」です。
いずれも本書に紹介されていますが、2校のホームページにもきちんと掲載されています。
そして女子学院(JG)はというと、ホームページに校訓はありません。本書によると、「女子学院の初代院長は、『生徒たちを信頼します』ということばを胸に、の自主自立を重んじる校風の礎を築いた」そうです。その精神が今も息づき、日本一決まりのない学校として運営されているのです。
この本を読んだ方は、女子御三家を偏差値だけで判断したり、この3校ならどこでもいいなどと思ったりしなくなると思います。できれば親御さんだけでなく、受験生本人にも読んでもらって、どの学校に行きたいか、どの学校が自分の目指す方向とあっているか、自分で選んでもらいたいと思いました。
女子御三家は、どこもきわめて個性的であり、社会の変化に振り回されることなく我が道を行き、生徒自身がそれを体現しています。3校に唯一共通項があるとしたら、どこの生徒も周囲からの圧力で振り回されることなく、自分自身を生きようとしていることだと感じました。“トイレにまで一緒に行く”といった女子の世界にありがちな悪しき同調圧力のない誇り高い学校なのです。このことは、大学進学実績以上に、卒業生の人生を豊かに、品のあるものにしているのではないでしょうか。
女子受験生の親御さんはもちろん、伝統ある名門校の真実について知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密
矢野耕平著、文春新書、760円+税
女子御三家に数百人の合格者を送り込んできたカリスマ中学受験塾講師による各校の徹底分析です。桜蔭、女子学院(JG)、雙葉の三校は、女子中・高の最高峰としてあまりにも有名ですが、メディアに内情が公開されたことはほとんどありません。今回、著者は各校OG数十人に聞き取り取材を重ねたほか、三校の校長にもインタビュー(女子御三家の校長が全員インタビューに応じたのは初)。特色ある教育内容や各校の強さの秘密、歴史と伝統、学校行事やクラブ活動、そして生徒たちの日常生活から、いじめの有無まで、生の声が赤裸々に明かされます。…購入はこちらから
著者の矢野耕平(やの こうへい)さん
1973年東京生まれ。大手塾に十数年勤めたのちに、中学受験専門塾「スタジオキャンパス」を設立し、代表に就任。東京・自由が丘と三田に校舎を展開している。学童保育施設「ABI-STA」特別顧問も務める。大手塾時代は女子学院(JG)受験に特化した暮らしの責任者を務め、7年間で約230名のJG合格者を輩出。とくに2006年度のJG入試では、80名受験中55名合格という圧倒的な実績を記録した。著書に『カリスマ講師がホンネで語る 中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『iPadで教育が変わる』(マイコミ新書)、『13歳からのことば事典』(メイツ出版)がある。
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