開成、鷗友学園の元校長先生がアドバイス。思春期の子どもとどう接する?自己肯定感を高める育て方とは?

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名門の男子校と女子校の校長先生が、思春期のお子さんをお持ちの親御さんに向けて執筆した書籍をご紹介します。いずれの本も「自己肯定感」というキーワードを軸に、難しい時期にさしかかったお子さんと、どのように接すればいいのかをアドバイスします。長年、教育現場で子どもたちと接してきた方ならではの実践的な手法は、思春期まっただ中のお子さんをお持ちの方にとって、そしてこれから思春期にさしかかるお子さんをお持ちの方の強い味方になってくれるでしょう。

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思春期の子どもとどう接する?自己肯定感を高める育て方とは?

まず『男の子の「自己肯定感」を高める育て方』(柳沢幸雄著、実務教育出版刊)からご紹介しましょう。著者の柳沢さんは開成中学校・高等学校の校長先生(刊行当時J)です。

日本の子どもの自己肯定感の低さについては、各種調査でもたびたび指摘されていますが、著者も日本の内外での経験から常々それを実感していました。世界と伍して活躍する人材を育てるには自己肯定感を高める必要がある。そんな目的で書かれたのが本書です。

第1章と第2章で、日本人の自己肯定感の低さと思春期男子の自己肯定感について解き明かした後、第3章で男の子の自己肯定感の高め方を、第4章で男の子のポテンシャルを伸ばす育て方を、解説するという構成になっています。

『男の子の「自己肯定感」を高める育て方』

各章の構成は次のようになっています。
・第1章:なぜ、日本人の「自己肯定感」はこれほど低いのか?
・第2章:思春期男子の「自己肯定感」
・第3章:男の子の「自己肯定感」の高め方
・第4章:男の子のポテンシャルを伸ばす育て方

第1章と第2章で、日本人の自己肯定感の低さと思春期男子の自己肯定感について解き明かした後、第3章で男の子の自己肯定感の高め方を、第4章で男の子のポテンシャルを伸ばす育て方を、解説するという構成になっています。

子どもへの言葉のかけ方、情報収集の方法、褒め方のコツなど、子どもの自己肯定感を高める接し方は多岐にわたっています。その要諦は、「どっしりと構え」「ネガティブよりポジティブ」です。たとえば子どもが何か提案してきたとき。ダメだなあと思っても、提案の中から良い部分を探してまず誉める。その上で1点だけアドバイス、あるいは代案を出す。「これはダメ」より「こっちがいい」です。迷ったら「まず “ダメ”と言わないこと」とまで著者は断言しています。

また、思春期にさしかかった男の子は親に話をしなくなるものですが、これについても「それが当たり前」と考えてどっしりと構える必要があるとも述べています。そして、そんな男の子が話し始めたら、意見をせず、ただ聞くことに徹する。間が持たないと思ったらいわゆる5W1H(いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように」を相づちの間に挟む。

成功体験に関する解説(第3章)も興味深いものでした。著者はこんなふうに述べています。

「成功体験は、単純に『勝つこと』『うまくいくこと』ではありません。負けたり、失敗したりした状態から『立ち直ること』こそが成功体験なのです。

だから、思春期の男の子には、学校選びでも入学後の勉強でもスポーツでも、とにかく上へ、上へとチャレンジさせるほうがいい。どんなことでも目いっぱいチャレンジすれば、得意分野や本当の実力がわかってくる。負けや失敗から立ち直った経験が、自己肯定感を高めてくれるのですね。親が子どもの失敗をおそれてはいけないということでもあるでしょう。