4月のテーマ「元中受ママの中学受験への思い【前編】」

inter-edu’s eye
タイトルの「ママコ・ネクション」とはエアライン用語「乗り継ぎ」の意味である「コネクション(コネクト動詞の名詞形)」を用いて、親主体の中学受験から子どもが主体、そして楽しむ中学受験への乗り継ぎ案内を意味します。新規連載の第1回では、元中受ママであり、現在はご自身の経験や知識を活かし、中学受験で悩めるお母さまをサポートしている和田みゆき先生、たなかみなこ先生に「中学受験への思い」というテーマで、日頃から感じている中学受験に対する認識や思いを教えていただきます。

和田 みゆき先生中学受験の主体は誰?
和田 みゆき先生

無知からはじまった子育て

中学受験への思い1

初めまして。「才能開花で目標達成」をテーマに、子育てアドバイスをしている家庭教育家の和田みゆきと申します。
私は大学4年生になる一人娘を持つ元中学受験ママです。子育て人材教育が好きすぎて、学校では教えきれない家庭教育を研究し、講演やセミナー等でその秘訣をお伝えしています。

妊娠前の私は、まったくの子育て無知でした。あまりに不安で、古今東西の学校教育や家庭教育、心理学や脳科学等の書籍を読みあさり、娘が小2のときに家庭教育専門の大学に入学したほどです。この私の姿が後に娘に大きな影響を与えます。感化の教育です。これから22年に渡る才能開花の人間教育の中から、楽しむ中学受験についてお話させてください。

我が家の受験は、娘の幼稚園3年保育に始まります。1歳から幼児教室に通い万全の態勢で臨みましたが、結果は不合格。今考えると合格を最終目的にしていたので、大人の期待に応える良い子に育っていたのです。自分で考えず指示を聞く子です。私は管理親であったことを深く反省し、子ども主体の子育てについて学び始めました。すると娘は私が変わるよりも早く自分で考え行動する子どもに変わりました。そして幼2年・小・中学の受験を自ら希望し、準備・合格と、人生を切り拓いていくのです。

とくに中学受験では、直前模試の偏差値が第一志望校の20も下であったのに、奇跡的に受験校全校から合格をいただきます。イメージトレーニング、脳と時間の使い方が鍵であったように思います。

なぜ娘は、超難関校に合格ができたのか

それは本人の努力と塾のご指導はもちろんですが、親だからこそできる戦略的な家庭教育とメンタルサポートも大きかったと思います。

私は幼稚園受験での気づきから、親が人生のレールを引く親主体の管理型子育てをやめ、娘の内側から溢れ出る思いを大切に才能開花する子育てに変えました。

小学生当時の子育て方針は
1.子ども主体の子育て
2.毎日を楽しく過ごす環境づくり
3.夢を描かせ伴走し続ける
でした。

これを受けて私たちがした行動は
●娘を一人の小さな大人として接すること
●アドバイスは求められない限りしないこと
●失敗もOK起こる出来事は必然必要として、ポジティブ思考で受け入れること
●心の動きを言葉で示すこと
●自分で考え判断し、言動の責任を取る機会を奪わないために、起床、服装、持ち物準備、宿題や提出物管理、就寝等、本人に任せること
●危険が伴わない限り見守ること。我慢すること
でした。
とはいえ、失敗が予測できるときに、見て見ぬふりをするのは、苦しかったです。

そんな小3のある日、娘は「私の知らないことを教えてくれる友達がいる学校に行きたい」と言い出します。すぐさま学校見学を始めました。まずは見て感じることが大切だと思ったからです。「私この学校に行く!」わずか2校目で理想の学校に出会いました。そして大手マンモス塾に入り、笑える受験生活を始めるのですが、まさかの小6の5月に転塾することになるのです。【後編へ続く】

和田みゆき先生からのアドバイス

親主体の子育ては、一見良い子を育てます。親好みの子どもに育つからです。ところが子どもの可能性と自主性、生まれ持った才能を奪う危険性もあるのです。

それは子どもの能力の一つに、親に嫌われたら生きていけないという防衛本能があるからです。生存本能なので、親の期待に応えることを無意識に選択してしまうのです。つまり私たち親は、子どもを強引に親の意見や考えに従わせてしまえる立場にあるので、子どもの自立を意識して接する必要があるのです。子どもの自立を願うならば、親と子は別の存在であることを認識するために、自身の日頃の言動を振り返るだけでなく、心を満たす行為を心がけることが大切です。

その方法の一例をご紹介しますね。とても簡単です。
今日の出来事やそのときの言動・感情を思い出し、最後に「今日も一日頑張った。私偉い!ありがとう!」と褒めるのです。脳は、感謝や褒め言葉が大好きで、自分で自分に言ったことでもセロトニンやドーパミンが出て心を満たします。これが優しさや活力に繋がるのです。私は入浴時や就寝前に行っています。余裕があれば、子どもの今朝の表情や下校時の様子、自分がかけた言葉、子どもが話してくれたことなどを思い出し、言動や感情のチェックもします。

日々自分を褒めて認めて、合格する親になる習慣を形成していきましょう。習慣形成のお話は、6月の予定です。人生は可能性だらけ!楽しい受験生活を作っていきましょうね。

たなかみなこ先生最高に楽しい中学受験への心構え
たなかみなこ先生

中学受験は苦行ではない

中学受験への思い2

初めまして。「最高に楽しい中学受験を叶える!」勇気づけ子育てコーチのたなかみなこと申します。
私は元中学受験ママで、中学校3年生の娘がいます。現在は、中学受験期のお子さまを持つママに向け、親子で楽しく中学受験を乗り切るための講座をご提供しています。
私にとって中学受験は、親子で同じ目標に向かったかけがえのない楽しい日々でした。ともに喜び、ともに泣き、親子の信頼と絆が深まった、そんな最高の経験だったと思います。娘は、人生初の大きなチャレンジで人間的にも学習能力的にも大きく成長しましたし、塾では、大切な恩師や一生の友達にも出会うことができました。

私も仕事をしながら、塾との信頼関係を作り、娘を裏側から支え、応援することで、結果として第一志望合格とともに、一生ものの親子の信頼関係を作ることができました。娘が選手で、塾の先生が監督兼技術コーチ。私は、娘の目標設定をコーチングし、メンタルを整えるコーチ兼マネージャーだったと思います。 勉強やスケジュール管理などには一切関わらず、一度も娘に「勉強しなさい!」という言葉を言ったこともありません。また、マネージャーとしては、塾にお弁当を届けたり、願書を書いたりと、娘ができない範囲のサポートにも徹しました。

そんな私と娘にとって、中学受験は「最高に楽しかった!」思い出となりました。
「中学受験は苦行」など、いろいろなイメージが横行していますが、捉え方次第で、そして、親子が能動的に過ごすことで、いかようにも楽しくなります。 ぜひ、このママコ・ネクションで「楽しむ中学受験行き」の便に乗り継ぎをしてほしいと思います。

テストの点数が悪くても叱らない

「今日どんな楽しいことあった?」これは、塾にお迎えに行くときの私の決まり文句でした。組分けの結果や成績が発表になった日も決して「どうだった?」とは聞かず、必ず「楽しかったこと」を訊くようにしていました。小6ともなると3時間近く塾に滞在するわけですが、どんなに小さなことでも、毎回、何かしら楽しいことがあったようです。先生から特別な解法を教わることができたり、クラス全員が良い点を取ったときはジュースで乾杯したり、友達とのやり取りで笑えることがあったり。そうすることで、言いづらいことがあったときも、無理やり聞き出そうとしないのに、自分からなんでも話してくれていました。

また、テストの成績が返却されてきたときも、私は評価しないで「どう思う?」とだけ訊くようにして、娘の気持ちを引き出すようにしていました。娘が納得のいく結果だったときは「いえーい!」とふたりでハイタッチし、点数が悪かったときには「さすがママの子だね!」と笑い飛ばして場を和ませたりしていました。

娘が悩んだときには、信頼している塾の先生にすぐに相談し、負の感情をひきずらないような対応をお願いしてきましたし、私も「これからどうしていったらいいと思う?」と、質問を投げかけ、一緒に考えるようにしていました。このような環境が、娘にとっては吉であったようで、ことあるごとに「塾大好き!」と言っていました。娘は塾を「休みたい」と言ったことは1回もなく、楽しく通塾し、自分の力で第一志望校を選び、合格に向かっていきました。【後編へ続く】

たなかみなこ先生からのアドバイス

中学受験における、子ども、塾、そして親、それぞれの役割とはなんでしょうか?
私の場合は、娘が選手、塾が監督兼技術コーチ、そして、私は娘のコーチ兼マネージャーだったと捉えています。このように、それぞれの役割を認識して、他の役割に介入しないことが大切だと感じています。

今回は私(母)の役割であった「コーチって何?」についてお伝えしていきます。
コーチの語源は、ハンガリー北部の村Kocs(コチ)で作られていた自家用四輪馬車といわれています。その馬車の名称が、16世紀には「乗合馬車」そのものを指すようになり、「大切な人をその人が望むところまで送り届ける」という動詞の意味も持つようになりました。

つまり「コーチ」の語源は馬車であり、「目的地まで連れて行くこと」なのです。コーチは勝手にクライアント=子どもの目的地を設定はせず、あくまでも、クライアントが望む目的地に連れて行く役目なのです。
よく「子どもが言うことをきかなくて困っている。思い通りに動いてほしいからコーチングを学びたい。」というご相談を受けることがありますが、親が子どものコーチになるということは、子どもの操作をすることではなく、子どもが自らの手で目的地に向かうサポートをすることなのです。
人は自分事には一所懸命取り組むことができますが、他人事では頑張れません。それは大人も一緒ですよね。「中学受験は自分事」と子ども自身が捉えられるよう環境を整えることで、勉強への取り組み方が変わるのではないでしょうか?

4月のワンポイントアドバイス
和田みゆき先生の心理学「観察【前編】」

「観察」は心と身体を知る最も手軽な方法です。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンによると、私たちが受け取る情報は、視覚情報55%、聴覚情報38%、言語情報7%です。この実験はある条件下で行っているので、親子コミュニケーションにピタッとあてはまるわけではありませんが、視覚情報の影響の大きさは頭において子育てをしたいものです。

あるとき私は、観察のプロ、警視庁捜査一課の元刑事さんに観察のポイントを教えてもらいました。話しの途中で身体を揺らす意味、足先が向いている方向やつばを飲み込む意味など、実に興味深いものでした。言葉は嘘をつけても態度や表情は嘘をつけないのだそうです。不快の気持ちは隠しづらいのですね。

子どもはそのことを本能で知っています。だから親の怒り加減を測る時に、言葉よりも顔の表情を見て気持ちを探るのです。もし平常時もお子さまが親の顔色を見ていると感じたならば、親の期待に応えたい気持ちが強いのかもしれません。これを機に子どもの自主性を意識し自立への道しるべを作ってあげましょう。

最後に簡単にできる本心を見つける観察ワークをご紹介します。その話題が子どもにとって「快」なのか「不快」なのか、ただ1点それだけを意識して観察します。感性をフル回転し、表情や声のトーンから感じ取ってみましょう。「不快」であれば何か原因があるはずです。じっくり時間をかけて話を聞いてあげましょう。

次回は観察「後編」です。

和田みゆき先生

和田みゆき先生 プロフィール

家庭教育家。家庭教育アドバイザー。家庭教育師。 学校法人八洲学園、学校法人文理開成学園理事。
娘の幼少中受験経験あり。とくに中学受験では独自の子育てメソッドを用い、直前模試で偏差値20離れていた最難関共学校に合格。受験5日目まで合格通知なしという経験をするが、メンタルトレーニングで培った強い精神力でリベンジをし、最終的に受験校全校より合格をいただく。 その経験から、2010年より各種心理学、脳科学を活かした子育てメソッドと受験サポートプログラムを中学受験生保護者に提供。現在まで2000人を超えるサポートを行う。 他にも大手個別指導塾や小学校での保護者向け講座や、企業にて人材育成研修を提供している。
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たなかみなこ先生

たなかみなこ先生 プロフィール

娘が2歳半のときにコーチングでの子育てを開始。毎日、娘をコーチングで育ててきた自称「リアル子育てコーチ」。幼稚園受験、小学校受験を経験するも、コーチングスキルも道半ばで、誘導的になってしまったこともあり、敗退。その後、日々の娘との対話により、コーチングのスキルを高め、さらにアドラー心理学の「勇気づけ」を学び実践することで、独自の子育てコーチング「勇気づけ子育てコーチング」を確立。娘を女子御三家合格に導くだけでなく、中学受験ママを支援し、御三家を含む多数の第一志望校、難関校合格をサポート。「中学受験で子どもと一生の絆ができた」と好評を得る。 元ANAグランドスタッフであり、大学・専門学校でキャリア教育を行う講師でもある。
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次回は元中受ママの中学受験への思い【後編】です。