習慣にしたい『朝30分学習』

2016年6月8日発行のバックナンバーです。

エリート育成「中学受験」サポートメール 2016/6/8号
習慣にしたい『朝30分学習』
監修:西村則康(プロ家庭教師)
by inter-edu.com

【今週の必修語】温厚篤実(おんこうとくじつ)

「晴美ちゃんの花嫁姿、とっても綺麗だったね!」
「新郎の啓太さんは温厚篤実な人柄で、すてきな夫婦だよね」

温厚篤実とは、人柄が穏やかで誠実であるようす。『温厚』は穏やかなこと、『篤実』はまじめなことを意味します。

『6月の花嫁は幸せになれる』という、ジューンブライドの言い伝え。由来はさまざまな説がありますが、代表的なものは3つあります。

1つ目は、ローマ神話の女神・ユノー(Juno)に由来するというもの。6月(June)の語源にもなっている彼女は結婚を司る女神であることから、『この月に結婚する花嫁はきっと幸せになるだろう』と言い伝えられている、という説です。

2つ目は、ヨーロッパの6月は1年の中で最も雨が少ない月で、気候などが結婚式に適しているから。

3つ目は、ヨーロッパでは農作業の妨げとなることから、3月から5月までの3ヶ月間結婚が禁じられていて、結婚が解禁となる6月に結婚式を挙げるカップルが多かったから、というものです。

このように、普段何気なく耳にしている言葉の由来を調べてみると、いろいろな発見があって面白いですよ。

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塾の課題や学校の宿題など、やるべきことがたくさんあると思いますが、全学年のお子さまに毎日欠かさず続けてほしいことがあります。それは、『計算と漢字の基礎練習』です。

学校に行く前の朝の30分間を使って行うのがおすすめです。

1~3年生のうちは、中学受験を考えている場合でも、学校の宿題とこの朝学習30分を行えば大丈夫です。市販の問題集の中から、お子さまの学力にあったものを選んで、取り組んでみてください。

こうした基礎学習を行うことで身につく『読み・書き・そろばん(計算)』の力は、中学受験でも非常に大切です。

特に5・6年生になったときに、その効果がはっきりと表れます。5・6年生のお子さまも、毎朝30分、計算と漢字の学習を欠かさず行うことで学力がさらに定着していきますから、忙しくても継続することをおすすめします。

『朝30分学習』に際して、親御さんは雑な学習になっていないかチェックをお願いします。ポイントは、以下の3点になります。

・字が乱雑になっていないか
・計算の途中式を残しているか
・漢字はただ書くのではなく、意味も覚えようとしているか

加えて、基礎学習を終えたお子さまに、労いの声かけをお願いします。

計算や漢字などの基礎学習は『なるほど』という納得感がない学習なので、お子さまは面白みを感じにくいです。親御さんが「計算と漢字を毎日やって、えらいね」「今日も頑張ったね」といった声かけをしてあげることで、子どものモチベーションを維持することができます。

『朝30分学習』の習慣がついていると、5・6年生になって学習量が増え、問題のレベルがあがっても、お子さまはあまり負担に感じずに、学習をラクに進めることができます。朝の学習によって、スケジュールのリズムが崩れにくくなるからです。

なお、『朝30分学習』に加え、『睡眠時間の確保』と『学校の宿題はできるだけ塾の前に終わらせる』という2点は、セットでスケジューリングしてください。

そうすれば、やることが多すぎてパンクすることは少なくなります。もちろん、朝の学習のせいで、朝食がゆったり食べられないということも避けてください。

入試本番では、朝から頭を使わなければなりません。そのためにも『朝30分学習』はとても役立ちます。ぜひ、習慣化してみてください。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)

学年別・今週のスポットアドバイス

【1~3年生】『?』マークを大切にする声かけ

頭の中に『?』マークがたくさんある子どもは、受験勉強において学習効果がグンと高くなります。

お子さまが何かに疑問を持っているようすだったら、その『?』マークにていねいにつきあってあげてください。「何で6月って雨がよく降るんだろう?」「夏はなかなか空が暗くならないのはなんでだろう?」といった具合です。

『?』マークが頭にある子は、『?』の答えを知ったとき、うれしそうな表情になります。この気持ちの高まりによって、記憶が定着しやすくなるのです。

親御さんは、お子さまの疑問に対して正しい答えを教えてあげる必要はありません。「不思議だね」「なんでだろうね」「いいところに気づいたね」といった、『?』マークを大切にする声かけをお願いします。

【4年生】図を描いて問題を解くクセをつけて

算数の問題を、図を描いて解くクセがついていますか?

学年があがって問題が複雑になると、問題文を読んだだけでは解法が思いつかない問題が増えていきます。条件を整理したり、図を描いたりしてやっと、答えへの道筋が見えてくるのです。

今は線分図程度ですが、もう少しすると面積図やてんびんを使いはじめます。

図を描くことはお子さまにとってはなかなか難しいことです。思い通りの線をフリーハンドで描けるようになるには、練習が必要になります。

図を描く習慣がついていないようだったら、図をしっかり描くように導いてあげてください。

【5年生】テストの復習を効率よく行う方法

5年生は、学習の量、質がともに増え、やることが山ほどあると思います。テストの復習を効率よく行うためには、解きなおす問題の取捨選択がポイントです。

目安となるのは、塾のテストを受けた後に配布される、各問題の正答率です。最上位校を目指すお子さまの場合は、自分が間違えた問題のうち正答率が30%以上の問題を、志望校が最上位校ではない場合は、正答率50~60%以上の問題を解きなおしましょう。

正答率がもっと低い問題は、捨ててもかまいません。

【6年生】理科はコツコツ知識を固める必要アリ

「理科は暗記だから、最後の数か月で何とかなるだろう」と考えていたら、それは大きな間違いです。

理科は毎週コツコツ勉強する時間を確保する必要があります。なぜなら、単純な『重要語句の丸暗記』では太刀打ちできないからです。

知識同士のつながりや、原因と現象の因果関係を理解しながら覚えていくことが大切なのです。また、理科は計算問題も多く出題されますが、これらは基礎知識が固まっていないと解くのが難しいです。

じっくり時間をかけて知識を固めるよう、お子さまを促してあげてください。

【6年生難関】模範解答のような記述を目指す必要はない

国語の記述問題の宿題添削が厳しくなる時期です。お子さまが自信をなくしてはいませんか?記述問題の場合、塾の模範解答があまりにも見事なため、「こんなの書けない…」と子どもは感じてしまいがちです。

しかし模範解答のように見事な解答が書けなくても、自信を失う必要はありません。記述は満点を目指さなくても、△を積み重ねていけば合格点に届くからです。

提出した解答が真っ赤になって返ってきても落ち込まないよう、お子さまに声をかけてあげてください。

記述練習を行う際は、指定された文字数をオーバーしてしまうくらいで構いませんので、饒舌気味に書くところから始めてください。次に、自分の書いた文章を読み直して、違和感がないかどうかを確認する力を養うように、アドバイスをお願いします。

これで成功! 先輩ママの声かけ実例

3人兄弟の次男は、正直に言うと私の目から見てもどうも要領が悪い。

父親とキャッチボールで遊んでいるときも、お兄ちゃんと弟はすんなりできるようなことが、次男はなかなかできない。それは運動だけでなく、勉強のほうも……。

本人はそれをコンプレックスに感じているようだったので、私も夫もそこにはなるべく触れないように接していました。そんな次男が5年生のときに受けた全国模試の成績は、なんと下から3番目。驚くやら、嘆かわしいやらでした。

「どうしてこんな点数なの?」と聞くと、「ママもパパも僕の成績なんてどうでもいいんでしょ。どうせ僕はダメなんだよ。期待なんかしないでよ」と、不貞腐れていました。

そこで、私は大激怒。成績の悪さではなく、自分は親から期待されてないと思っている息子に怒りがこみ上げてきたのです。

「どうでもいいわけないじゃない! ママもパパもあなたが大好きだし、あなたに頑張ってほしいと思っているよ。受験勉強はしんどいかもしれないけれど、応援しているんだから頑張って」と、息子を愛していることを全力で伝え、叱りつけたんです。

その剣幕に次男はちょっと驚いた顔で私を見ていましたが、しばらくすると、おとなしくて控えめだった次男が少し自己主張もするようになり、勉強にもハングリー精神が芽生え始めました。

後でよくよく話を聞くと、お兄ちゃんの成績が悪いと怒るのに、次男の成績が落ちても優しくしていたことが、裏目に出てしまったようです。

アメとムチって難しいですね。厳しいだけでもだめ、甘いだけでもだめ。

受験雑誌でよく「時には愛情をもって厳しく叱りつけることも大切」という言葉を目にしましたが、しみじみそうだなと感じました。(あっちゃんママ)


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