穏やかな親子関係を保つ『6秒ルール』

2016年8月10日発行のバックナンバーです。

エリート育成「中学受験」サポートメール 2016/8/10号
【エデュまが】穏やかな親子関係を保つ『6秒ルール』
監修:西村則康(プロ家庭教師)
by inter-edu.com

【今週の必修語】時期尚早 (じきしょうそう)

「富士山に登ってみたいんだけど、自信がなくて…実行するには時期尚早かなぁ」「ウォーキングなどの体力づくりから取り組んでみれば?」

時期尚早とは、行うにはまだ時期が早すぎること。『尚早』は、早すぎる、まだその時期ではないという意味です。

明日8月11日は、『山の日』です。今年から施行されることになった新しい祝日で、山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝することを趣旨としています。

実は、『山の日』は全国の山開きが行われる6月の第1日曜日にする計画でしたが、審議を重ねた結果、8月11日となりました。近年は山ガールなどのブームもあり、山への関心が高まっています。

山の日当日は全国各地で山や自然に親しむイベントが行われますから、ぜひご家族で足を運んでみてはいかがでしょうか。

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中学受験までの道のりは、決して平坦なものではありません。勉強はもちろんのこと、塾のスケジュールをこなしていく体力や、テストの結果に向き合ったり、プレッシャーと戦う心の強さも必要になります。

お子さま本人だけでなく、親御さんにも大きな負担がかかりますから、ちょっとしたことでイライラしたり、不安になったりしてしまいがちです。

「もっと勉強しなくて大丈夫かしら?」「また同じミスをしてる!」などと、不安になったり、イライラして、ついついお子さまを叱ってしまった……。

中学受験に挑戦するお子さまを持つ親御さんなら、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか?4~6年生のお子さまは多感な時期でもありますから、叱られたら口答えして、言い合いに発展してしまうことも。

良かれと思って始めた中学受験が原因で親子ケンカが絶えず、家庭の雰囲気が険悪になってしまったら、悲しいですよね。親御さんの気持ちもよくわかりますが、子どもは叱られるとやる気がなくなってしまうものです。

お母さまの笑顔や穏やかな声こそがお子さまの勉強に対する原動力になりますから、なるべく温かくポジティブな声かけをしてあげてください。

お子さまに声かけをする際には、気をつけていただきたいことが1つあります。それは、お父さまとお母さまで方針が異なる声かけをしないことです。

お2人の意見があわず、内容が異なる声かけを別々にしてしまうと、お子さまが戸惑ってしまいます。ご両親が納得して同じ方向を向いた声かけをすれば、お子さまにとって大きな力になります。

親御さんの言動は、子どもの勉強に向かうマインドを決定する大事なポイントです。家族皆が同じ方向を向くことで、自信を持って前向きに受験に臨めるようにしてあげてください。

とはいっても、大人だからと言って常に心を穏やかに、前向きに保つのは難しいですよね。そこで親御さんにおすすめしたいのが、『6秒ルール』です。

これは、カッとなったり、イライラして怒りたくなったときに、一呼吸おいて6秒カウントする、というもの。「たった6秒で、何か変わるのかしら?」と感じるかもしれませんが、実際に数えてみると6秒はとても長く感じるはずです。

この間にとげとげしい気持ちが自然と落ち着いていき、ただ叱るのではなく、「どのように話したら、わかってくれるかな」という気持ちに変化することが多いのです。

6秒数えてもまったく感情が収まらないときは、その場から立ち去るのがよいでしょう。ちょっと買い物をしたり、あたりを散歩してみてください。外に出ると社会性を取り戻して、冷静になることができます。

親子間でいつも同じようなイライラ言葉の投げつけ合いになったりする場合にも、この『6秒ルール』は効果的です。それまでとは違ったアプローチになるので、お子さまも「どうしたんだろう?」と親の気持ちを考えるようになり、新しい親子関係を構築することができます。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)

学年別・今週のスポットアドバイス

【 1~3年生 】姿勢を正すには外遊びが有効

お子さまの勉強しているときの姿勢に注目してみてください。おしりではなく腰で座っていたり、前かがみになってしまってはいませんか?

その原因は、運動不足にある可能性が高いです。外遊びをしないお子さまは、腹筋・背筋の力が弱く、座っているときの姿勢が悪くなりがちです。

外で友達と遊んだりして体を動かし、楽しく筋肉を鍛えることも学力向上のために必要なのです。夏休みだからといって家でずっとテレビを見ていたり、友達の家に遊びに行ってもゲームをやっている、などということがないよう、気を配ってあげてください。

【 4年生 】 社会を得意科目にするためには?

社会の学習において、テキストをきちんと読む習慣がついていますか?4年生の社会では、大まかな因果関係を学習します。

たとえば、盆地は高温多湿なので、こういう農産物が多くなる、といった具合に、その地域に住む人々の生活は、環境を上手に利用していることを学ぶのです。

こういった内容を文章で理解して、学習を進める必要があります。単語を丸暗記するだけでは、「覚えたはずなのにテストだと何を聞かれているかわからなくて、答えが書けない」という状態になってしまう可能性が高く、大変危険です。

宿題を解く前にしっかりテキストを読んで内容をおおまかにつかんだうえで、重要な語句を覚えるよう、導いてあげてください。また、社会の地理で習った場所へ実際に行ってみると、より学習の理解が深まります。

夏休みにぜひ、親子で出かけてみてください。

【 5年生 】東急ハンズに行くと理科を好きになる

親子で東急ハンズなど、DIYショップに行ってみましょう。東急ハンズには、理科の授業で出てくる分銅のおもりやリトマス試験紙、BTB溶液、豆電球、電池ボックスなどがほぼ揃っています。

入試に頻出の簡易モーターのキットまでも売っています。このようなさまざまな道具や部品、実験道具などを売っている店に行くと、理科好きの子になりやすいです。

店内を探索して、1つ2つ買い、実際に使ってみると理解がぐっと深まりますよ。また、電気の単元が苦手な女の子が多いですが、これは実際にやったり見たりしたことがないのが原因です。

豆電球、電池、電池ボックス、導線を買ってきて、直列にしたり並列につないでみたりして、光がつく様子を実際に目にすると、苦手意識が薄れます。夏休み中にぜひトライしてみてください。

【 6年生 】暗記教材の正しい使い方

夏期講習中は、暗記事項の覚え直しを計画的に進めましょう。サピックスはコアプラス、四ツ谷は四科のまとめ、日能研のメモリーチェック、といった具合に、それぞれの塾で暗記教材が配布されていると思います。

これらを使って勉強する際に注意したいのが、単語だけを暗記しないことです。

「このページの上から3番目の問題だから……答えは平清盛だな」といった具合に、問題の位置で答えを覚えている子もいますが、これでは実際の試験でまったく役に立ちません。単語とその意味・内容をしっかり関連付けて覚えるよう、導いてあげてください。

方法としては、暗記教材の質問と答えを逆にして問題を出してあげるのが効果的です。例えば、暗記教材に「享保の改革を行った人物は誰?」「徳川吉宗」という問題と解答があったとします。

この場合、「徳川吉宗は何を行った人?」と聞く、といった具合です。この練習をするだけで、ただ暗記していた単語が、テストで使える知識へと変わっていきます。

【 6年生難関 】難問が解けず自信を喪失していませんか?

夏期講習も前半戦が終わりますね。お子さまが自信をなくしてしまっているようすはないですか?

夏期講習のテキストは、実際の入試問題からの抜粋が中心です。合否に関わらないくらい難しい問題を授業で扱うこともあるため、そういった問題もすべて復習しようとすると、時間が無駄に過ぎてしまって焦ったり、自信を失っていってしまいます。

『○△×学習法』を実践して、△の問題だけを復習するようにしてください。

これで成功! 先輩ママの声かけ実例

受験勉強を始めたころから算数が苦手だった息子が、6年生の夏休み直前の実力テストで最低偏差値をマーク。親子で話し合い、「算数の苦手な単元を1つでも多く減らそう!」と、気合いを入れて夏期講習に臨みました。

しかし、夏休み明けのテストでも算数の成績だけ悪い結果に……。

努力の成果が出ず、息子はかなり落ち込んでしまいましたが、「まだ受験まで半年あるから、大丈夫!」と家族みんなで励ましてなんとか持ち直し、9月からも算数に重きを置いて学習を進めました。

しかし、10月の実力テストでも算数の成績は上がらないまま。ほかの科目と合わせた総合偏差値では第一志望校の偏差値を超えていたので、私自身はあまり気にしていませんでしたが、本人は「算数が足を引っ張って、合格できないかもしれない」と、かなりネガティブになってしまいました。

そこで思い切って、「これだけ勉強したんだから、算数はもう大丈夫なはずよ。受験は4科目の合計で勝負なんだから、ここからはほかの科目もしっかり勉強していこう」と話し、苦手科目の算数に絞った勉強から、4教科バランスよく勉強していく方向にシフトチェンジしました。

結局、それから算数の成績はあまり上がりませんでしたが、受験直前の実力テストでは自己最高の総合偏差値を獲得!

自信をつけて入試に臨むことができ、無事に第一志望校にも合格することができました。あのまま算数を重点的に勉強して成績が上がらないままだったら、不安な気持ちを抱えての受験になってしまい、合格できなかったかもなぁ、と思います。

受験が迫ってくると苦手科目に力を入れがちになりますが、不得意分野ばかり勉強していると気が滅入ってしまいます。ほかの科目とのバランスを見て勉強を進めるように、子どもを導いてあげるといいのではないでしょうか。(エンジェル)


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