子どもの力を伸ばすリビング学習

2016年12月7日発行のバックナンバーです。

エリート育成「中学受験」サポートメール 2016/12/7号
子どもの力を伸ばすリビング学習
監修:西村則康(プロ家庭教師)
by inter-edu.com

【今週の必修語】叱咤激励(しったげきれい)

「床のワックスがけ、大変だったでしょ?」
「うん。疲れてへたり込んでいたら、哲也くんに『あと一息!』って叱咤激励されたよ」

叱咤激励とは、大声で励まして元気付け、奮い立たせることを意味します。

年末の恒例イベント、大掃除。なぜ寒い年末に行うのか、ご存じですか? それは、大掃除が正月の神事とつながっているためです。

正月には、その年の歳神さまを各家庭に迎えます。門松を立てる、正月飾りを掛ける、鏡餅を供えるなどは、すべてそのための準備です。

大掃除もそのひとつで、歳神さまを迎えるため家の内外に溜まった1年の汚れを払って清める『すす払い』という行事なのです。すす払いは毎年12月13日と決まっています。現在の一般家庭ではもっと遅くに掃除を始めることが多いですが、神社仏閣では今でも12月13日にすす払いを行っています。

年末にはいつもよりていねいな掃除をして、気持ちよく新しい年を迎えたいですね。

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自分の部屋に勉強机を持っているお子さまも多いと思います。しかし、小学生のうちから自室で勉強させるには、心配なことが2つあるのです。

1つは、誘惑が多すぎること。

漫画やゲーム、おもちゃに囲まれていたら、気が散ってしまい、勉強に集中できない可能性が非常に高いです。

もう1つは、『とにかく終わらせればいいや』と考えてしまいがちになることです。

こういった姿勢で勉強に向かうと、文字が乱雑になったり、答え合わせや間違い直しまでできていなかったりと、いい加減な学習になってしまいます。

ですから、小学生のうちの家庭学習は自室よりも、リビングで行うことをおすすめしたいと思います。親御さんはお子さまが落ち着いて問題文を読み、解答を書き、それを自分でチェックして、ちゃんと理解できたかどうかを判断する、という経験を積み重ねていけるよう、導いてあげてください。

こうやってていねいに勉強をする習慣をつけておくと、中学・高校生になって自分ひとりで学習する際に、大きな力になります。

また、リビング学習の際には、お子さまが前向きに、かつ効率的に勉強ができるよう、声かけやサポートをお願いします。勉強中のお子さまと交わしていただきたいやりとりは、学年ごとに少し異なります。

まず、1~3年生のときは、労いの言葉や褒め言葉をお願いします。

この頃は、お子さまの勉強に対するモチベーションを高めてあげることが大切だからです。笑顔で「よく頑張っているね」「勉強してえらいね」と声をかけてあげてください。

4・5年生になったら、問題を解いていて行き詰っているときや、「わからない」とお子さまが言ってきたときに、「問題文をもう一度ゆっくり音読してごらん」「わかっていることを書き出してみようか?」「何を聞かれているの?」と、優しく助け船を出してあげてください。

この言葉だけで問題が解けてしまうことも多くあります。

また、「次の漢字テストでは満点を目指そうね」「今度の模試では速さの単元を克服しよう」といった小さな目標を一緒に作り、勉強に達成感を与えてあげてください。

6年生になると、授業のコマ数が増え、宿題の量が膨大になります。ここで親御さんにお願いしたいのは、やるべきことの取捨選択をサポートすることです。

「テストで出たとき、解けるかどうか自信がないのはどの問題かな? じゃあ、その問題だけ復習しておこうか」「テストの復習は、正答率が30%以上のものをもう一度解きなおそうね」といった具合です。

低学年のころから今日やることを親御さんと相談しながら決め、無理のない範囲で進めていく習慣がついていると、学年があがり、やることが増えて余裕がなくなってきても、二人三脚でスムーズに乗り切ることができます。

お母さんとリビングで相談しながら勉強するという習慣は、ぜひ早いうちから身につけて、続けてください。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)

学年別・今週のスポットアドバイス

【 1~3年生 】 塾選び:宿題についてもチェックを

塾を選ぶ際は、宿題の量やチェックの厳しさも参考にしましょう。宿題が多ければ多いほど、チェックが厳しければ厳しいほどよいわけではありません。

なぜなら、宿題をこなすだけで精一杯になってしまい、その子に合った学習計画を立てられなくなる可能性があることや、理解することよりも終わらせることを目標にした学習になってしまいがちだからです。宿題の量やチェックの厳しさの度合いがお子さまに合っているかどうか、確かめていただきたいと思います。

さて、すでに入塾テストを受けた方も、これから受ける方もいらっしゃると思いますが、できるだけ上のクラスに入れるように頑張りましょう。塾では、授業は各クラスのレベルにあわせて行われますが、入塾後のクラス分けテストは全クラス共通の場合がほとんどです。

また、上位クラスの方が下位クラスより授業時間が長い塾もあり、下のクラスにいると、なかなか上にあがるのが難しくなってしまうからです。

【 4年生 】 塾に相談するときに注意すべきこと

中学受験では、親御さんが不安になることもたくさんあると思います。そんな時は抱え込まずに、塾の先生や受験に詳しい人に相談するようにしましょう。

塾で相談するときは、先生に本音を話してもらえるような雰囲気を演出するように心がけてください。

お子さまの成績不振に関しては、塾の先生に相談しても解決しないことがあります。それは塾が、合格するためのカリキュラムを提供するという受験勉強における1つのツールにすぎないからです。

中学受験においては、スケジュールの管理やお子さまへの声かけなどが非常に重要で、これらは塾ではできない親御さんの役目です。

塾は受験に関する情報を沢山持っていますから、相談するのはよいことですが、『塾に任せきりにしても成績は上がらない』ということは知っておいてください。

【 5年生 】問題文をていねいに読んでいますか?

お子さまがしっかり問題文を読んでいるか、チェックしてみてください。問題文を適当に流して読んだり、途中までしか読まずに解答を書いて、減点されてしまうお子さまがけっこう多いのです。

たとえば社会の問題で「正しいものを2つ記号で答えなさい」と書いてあるのに1つしか回答していなかったり、算数の問題で「ただし、小数点第2位以下は切り捨てる」と書いてあるのに小数点第2位を四捨五入するなどです。

どんな文章でも、最後まで目で追って、問われていることや条件をしっかり理解してから考え始めるように導いてあげてください。

【 6年生 】お子さまに自信を持たせる声かけ

受験を間近に控えた今大切なことは、お子さまに自信を持たせてあげることです。テスト用紙を持って帰ってきたら、間違えた問題の計算や式を一緒にチェックしましょう。

「おしい! ここまで出来ていてこんなところでミスしてる! このミスがなかったら、プラス5点だったね」と、間違いの原因をチェックしていきます。

これを積み重ねていき、「ほら、ミスでこんなに点数を落としたのよ。でもミスが半分になるだけで合格点になるところまで力がついてきたのね」と、半分叱りながらも半分褒める方法がおすすめです。

お子さまに自信をつけるためには、過去問演習を何度か繰り返し行うのも有効です。出題傾向が大きく変わらなければ、時間配分や出題傾向、細かくは問題文の「言い回し」に対してまでお子さまの対応力がついていくからです。

第一志望校が今の偏差値から大きくかけ離れているときは、第二志望校やその他受験する予定の学校に関して「本当に通う意思があるのか」など細かく親子で共有しておきましょう。

【 6年生 最難関志望 】お試し受験はキャンセルしてもよい

第一志望を受験する前の練習として、1月に千葉・埼玉の学校を受験するご家庭も多いと思います。この場合、お子さまの体調が優れないときなどは、無理して受ける必要はありません。たとえ願書を出していてもキャンセルし、体調の回復を最優先にしてください。

また、この時期は気持ちが焦り、あれもこれもやろうとしてしまいがちです。いろいろなことに手を出すと、それぞれが中途半端になってしまいますから、その日に何を勉強するかをリストにして、区切りをつけるようにしましょう。

リストの中で終わったものには蛍光ペンで線を引き、終わったことが目に見えてわかるようにすると、達成感も味わうことができます。お子さまが「今日はやるべきことは全部やったから大丈夫!」と安心することにもつながるので、おすすめの方法です。

そして親御さんは、1日の終わりにお子さまを「今日もがんばったね」と労ってあげてください。

これで成功! 先輩ママの声かけ実例

中学受験で頭を悩ませたのが、息子の反抗期です。明るく素直な子でしたが、小学5年生になった春頃から、親の言うことをまったく聞かなくなりました。

塾の宿題よりも学校の友だちと遊ぶ時間を優先したり、家で勉強に取り組む姿勢も悪くなる一方で困り果てていました。

怒ったりおだてたりと声のかけ方を工夫したものの、口ごたえしたり屁理屈を言い返してくるので、結局親子ゲンカに発展してしまいます。らちが明かないので夫に話をしてもらうと、その場では「わかった」といい返事をするのですが、実際には態度を改めません。

テストの成績も下がってしまい、家庭の雰囲気も険悪に……。

なんとかして息子に勉強をさせる方法はないものかと考え、頼ったのが、塾で算数を担当しているY先生でした。

反抗期に突入して少し口数の減った息子がよく話題に出していたので、「Y先生の言うことなら聞くかも」と思ったのです。Y先生は快く引き受けてくださり、「勉強に関することや厳しいことは私が言いますから、お母さんは家でねぎらいや褒める言葉をかけてあげてください」とおっしゃいました。

先生の言う通り、私も夫も言いたいのを我慢して「よく頑張っているね」「計算ミスが減ってすごいね」といった具合に、息子を褒めることに徹するようにしました。塾ではY先生が上手に声をかけてくださったようで、息子はまるで別人のように家でも勉強に打ち込むようになったのです。

結果、受験スタート時に想定していたよりも高い偏差値の学校から合格をいただくことができました。

親がどんな声かけをしても響かない場合は、塾の先生に言っていただくのも選択肢としてありだと思います。(てっちゃんママ)